初めてのダンジョン(3)
そして僕達は3階層を歩き始めた。しばらく歩いていると目の前にトカゲが現れた。
「あれってカメロンでしょ?確か体の色を変える魔物だよね?」
「そうそう。確か舌が針のようになって毒で攻撃してくるのよね?」
マイケルとシャリーが話をしている最中、カメロンが舌で攻撃してきた。マイケルが慌てて後ろに避けたが、後ろにもカメロンがいた。
「危ない!」
ズバッ
ドサッ
「マイケル!油断するな!」
「ありがとう。シュバルツ。」
シュバルツが咄嗟に剣を抜いて、マイケルの後ろのカメロンを斬ったのだ。
「みんな。ここはカメロンの住処のようだ。急いでここから離れよう!」
僕達がその場を離れようとすると、前方の草むらがカサカサと音を立てて揺れた。
「アスラ!何かいるぞ!」
「みんなちょっと止まって!」
草むらから顔を出したのは巨大なトカゲの魔物キングリザードだ。キングリザードは獰猛で小型の魔物をエサにしている。
「やばいな。あれってキングリザードだろ?」
「そうだね。」
「どうするのよ?アスラ。」
「僕とシュバルツで注意を引き付けるから、マリアとマイケルとシャリーで後ろから攻撃して。」
「わかったわ。」
僕とシュバルツが左右から攻撃を仕掛ける。キングリザードは、巨大な舌を針のようにして攻撃してきた。舌からは紫色の毒液が垂れている。
「シュバルツ!あの毒に触れたらダメだ!」
「わかってるさ!」
キングリザードが右を向いた瞬間に僕が攻撃する。するとキングリザードはすぐに反応して左に振り替える。そこをシュバルツが右から攻撃した。キングリザードは完全に僕とシュバルツに気を取られた。そして後ろから3人が大きくジャンプして背中に剣を突き刺した。
グサッ ブスッ ドスッ
グオー
キングリザードが苦し紛れに体をのけぞらした。その瞬間、シュバルツが腹にトドメの一撃を突き刺した。
「ハー 終わったな。」
「そうね。」
「すごいよ!僕達だけでキングリザードを討伐したなんて。」
「本当に凄いわ~!帰ったらお父さんに自慢しちゃおうかな。」
「油断するなよ。マイケルもシャリーも!」
「そうだね。」
ここで僕達は少し休憩することにした。
「今、まだ3階層だよね~。これからまだ4階層と5階層があるんだよな~。」
「何だ!マイケル!もう泣き言か?」
「違うよ。学院でもトップクラスのシュバルツとアスラ君がいてもこれだけ大変なんだよ。他の人達は大丈夫なのかな~?」
「脱落するときは学院の先生が助けてくれるんじゃないの?」
「それはないな。今まで学院の先生に会ったか?シャリー!」
「そうよね~。シュバルツの言う通りよね~。アスラはどう思う?」
「僕にはよくわからないよ。ただ、僕達は前に進むしかないだろ!」
「そうよね。アスラの言う通りよね。みんなで頑張りましょ!」
「そうだな。」
僕達は少し休んだ後先に進んだ。意外にも3階層には他の魔物は存在せず、そのまま4階層に降りていった。4階層を降りると大きな池があった。まるで湖のように広い。その池にまるで岩のように浮かんでいるものがあった。
「アスラ!あれってもしかしてアリゲーターじゃないの?」
マリアの顔が恐怖で引きつっている。
「そうみたいだね。」
「どうするのよ?アスラ。」
周りを見渡すと浜辺のような砂地帯が続いている。
「シュバルツ!君が先頭を行ってくれるかい?僕が一番後ろから行くよ。」
「わかった。なら、俺の後ろはマリア、そしてマイケル、シャリーの順でいいな。」
「それでいこう。マイケル!真ん中は任せたぞ!」
「大丈夫だよ。何があってもマリアさんとシャリーさんを守って見せるから。」
僕達は列を作って歩き始めた。砂地帯の中央辺りまで来たところで、池から数匹のアリゲータがこちらに向かってきた。
「みんな、剣を抜いて!」
走って逃げようにも逃げ道はない。向かってくるアリゲーターを倒すしかないのだ。
「マリア!マイケル!シャリー!お前達は後ろに下がれ!俺とアスラで攻撃するから。お前達は弱ったアリゲーターのとどめを頼む!」
「わかったわ!」
なんかシュバルツが心強い。みんなをリードしている。みんなもシュバルツの指示に従っている。
「アスラ!行くぞ!」
「うん!」
僕とシュバルツは剣を抜いてアリゲーターに突っ込んでいく。どのアリゲーターも口を大きく開けて攻撃態勢だ。図太い尻尾を振り回し、大きな牙で攻撃をしてきた。
ズバッ バシッ
1匹、さらに1匹とアリゲーターを無力化していく。後ろではマリアとマイケル、シャリーが、弱ったアリゲーターに剣を突き刺して仕留めている。
「終わったー!」
フー
目の前にアリゲーターはいない。こっちに向かってきたアリゲーターはすべて討伐したようだ。
「なんかこのチーム最高じゃない?」
「マリアの言う通りさ。僕もそう思うよ!」
「確かにね。私、正直言って最初はシュバルツってもっと嫌な奴かと思ってた。でも、こんなに頼もしいなんてあらためて驚いたよ。」
「何だ。シャリーは今知ったのか?」
「だって~。マイケルのこといじめてたじゃない!」
「酷いよ!シャリー!別に僕はいじめられてなんかないから。」
「それは昔のことだろ。俺はアスラにあって変わったんだ。アスラのお陰さ。」
マリアが僕を見ている。マイケルもシャリーもだ。
「アスラって不思議なんだよね。なんか人を引きつけるっていうかさ。でも、たまに遠く感じることもあるのよね。」
「僕もマリアさんと同じだよ。アスラ君ってどことなく未知な部分があるよね。」
「別に僕は何もないよ。ただ、みんなが幸せになってくれればそれが一番だから。」
「何をカッコつけてるのよ!私達、まだ13よ!」
「確かにな!マリアの言う通りだな!アスラも俺達もまだまだ子どもさ。ハッハッハッハッ」




