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魔王少年アスラ  作者: バーチ君
ナデシア聖教国
137/151

シロヤの街の悪党退治(2)

 リン達が向かったアジトは街の外れの倉庫街にあった。どうやら人質はこの倉庫のどこかにいるようだ。



「マロン。あなたに人質の救出を頼むわ。」


「わかった~!」


「シーマ。あなた達も一緒に行きなさい。」


「でも、2人だけで大丈夫なんですか?」


「大丈夫よ。それより、ちゃんと人質を無傷で救出するのよ!」


「はい!」



 マロンは上空から目と耳に魔力を集中させて倉庫を確認していく。



「いた!」



 マロンが地上に降りるとシーマ達が固まっていた。



「マ、マロンさん!あなた今空を飛んでましたよね!」


「そんなことどうでもいい!それよりも人質はあそこ!」



 マロンの指さした倉庫の前には見張りのような男達が3人いた。シーマ達5人は剣を抜いて、人質救出に向かった。その後ろからマロンがついていく。



「お前らなんだ?!」


「妻や子どもを返してもらうぞ!」


「そんなことして、どうなるかわかってるんだろうな!」



 見張りの男達も腰の剣を抜いた。そこでマロンがみんなの前に出た。



「なんだ!てめえは!」


「うるさい!『シャドウースネイク』」



 地面からクネクネと蛇が現れ、男達を縛り上げていく。



「ギャー なんなんだ!これは!」


「た、助けてくれー!」


「動いたらこの毒蛇が噛む!」


「わかった!わかったから!許してくれ!」


「噛まれたくなかったら動かないで!」



 マロン達は倉庫の中に入っていった。すると、倉庫の中に牢屋のような場所があり、そこに大勢の女性と子ども達が囚われていた。



「今、解放してやるからな!」



 シーマがカギを開けると中からシーマ達の妻や子ども達が出てきた。



「あなた!」


「お父ちゃーん!」


「無事でよかった!ヴ、ヴ、グスン・・・」



 マロンは彼らをおいてミコトのいる場所に向かった。



 一方、ミコトとリンはアジトに乗り込んでいた。



「なんだ?お前達は?自分達から捕まりに来たのか!」


「兄貴!こいつら相当高く売れそうですぜ!」

 

「片方はまだガキじゃねぇか!」



 リンのこめかみに血管が浮き上がる。ガキと言われたことが我慢できなかったようだ。



「誰がガキよ!私がガキなら、あんた達なんかスライム以下じゃない!絶対許さない!」


「なんどと~!このクソガキが!」



 騒ぎを聞いた男達がぞろぞろと出てきた。一番後ろには体の大きなスキンヘッドの男がいた。どうやら組織のボスのようだ。



「ミコト!やるわよ!」


「ああ。」



 リンとミコトが剣を抜いた。すると、慌てて男達も剣を抜いて構えた。



カキン ズバッ スパン ガキッ スパッ



ドタン バタン バタン



「うわー!痛ぇよー!」


「お、俺の足が~!」


「痛ぇよー!助けてくれー!」


「バケモンだー!」



 物の数分で男達は戦闘不能になった。全員が片足を斬り落とされて地面を転げまわっている。リンが手をかざすと、男達の足から流れていた血がとまった。



「止血したわ!これで死ぬことはないけど、このまま逃がすわけにはいかないわね。ミコト!やっちゃって!」


「わかった。」



 ミコトが聖剣リジルを地面に突き刺し魔法を唱える。



「土の牢獄現れよ!『グランドプリズン』」



 すると地面が盛り上がっていき、男達が逃げられないように高い壁になった。



「さて、ここで待ってようか。」



 リンとミコトが戦いを終えたころ、オレと暁のメンバーとドラクは領主の館に来ていた。



「結構大きな屋敷だな~。」


「そうですね。ここには執事だけでなく、領主や領主の家族もいるんですよね?」


「多分な。」


「アスラさん。私とジュリーは領主の家族の護衛に回ろうかしら。」


「そうしてくれ。オクトとセプトは領主を守ってやってくれ。もしかすると、執事が人質にするかもしれないからな。」



 すると、ドラクが不思議そうだ。



「アスラさん。そんな面倒くさいことしないで、一気にその執事を潰せばいいんじゃないですか?」


「念には念を入れるのさ。オレは死人を出したくないからね。」



 それでもドラクは不思議そうだった。そして、オレ達は領主の屋敷へと向かった。可哀そうだが、門番には少し休んでいてもらうことした。



グホッ バキッ ゲボッ



「悪いな。少し休んでいてくれ!」



 そのまま庭を通って屋敷に向かうと警備の兵士達がいた。そして、兵士達はオレ達を見て声を上げた



「侵入者だー!」


「侵入者がいるぞー!」


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