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侍領主でござる  作者: ケヤキ
第一章 クラウス領 領都ダル編
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8.魔術の自主練習

翌日には父上の『王都のディアス王国魔術学院に入学するように』との爆弾発言の衝撃が少しばかり落ち着いてきた。


頭の中が真っ白だったが、何とか考えることが出来るまで復活したのである。ふむ、それにしても1月後なのである……。


そうなると、ディアス王国魔術学院とはどんな学院だろう? 困った時のジョセフ頼みで、ジョセフの講義を受けた。


13歳からディアス王国魔術学院 初級 2年

15歳からディアス王国魔術学院 中級 2年

17歳からディアス王国魔術学院 上級 1年


初級から上級の5年教育で、上級を卒業すると王宮魔術師になることが出来るそうだ。人数は初級が100人、中級になると初級の半分、上級は20人程。そして学費に寮生活費は全ては国負担。


「……………」


初級、中級飛ばしで、いきなりの上級なのだ。しかも、父上のクラウス辺境伯の名で無試験の裏口入学……。


うぅ、胸が痛い。グッとくる精神重圧である!


これは家庭教師の出番だと父上に直談判したのだが、腕の良い魔術師は引くても数多で、既に誰それかの家庭教師だそうだ。


他国にも腕の良い魔術師がいるが、素性や間者の可能性はないかをジン兄上に探らせねばならぬそうだ。


ただでさえ、過重労働のジン兄上だ。負担を強いては駄目だろう。なによりも負担を強いて、怒らせてしまったらと思うと怖くて眠れないのである。


こうなったら仕方ない。祖父上が残してくれた魔術本の術式は既に頭に入れてある。魔術学院の中級までの知識に値するのかは不明だが、自主練習をするのみだ。



また探し回る羽目にはなりたくないので、黒丸抜きで、今日も草原にきたのである。青空の下、ひんやりと良い風が体を通り過ぎていく。


よし、気を引き締めて始めるぞ!


昨日と同じで、魔術本で頭に入れた術式<基本その1の火>から。「正い型」を通して、魔力を練り、術式展開。爆発しないよう、慎重に大きさを調整してっと。


おおお、出来た!!! 大きさも調整したみかん大!

 

大きさは良いけど、ちょっと色がなあ……。赤は赤で綺麗だが、夜の墓場に出没する火の玉風? 怖いから色を変えられるだろうか? 術式を少し変えてっと……。


それから、青にしたりと色を変えて楽しんだのだが、一つ分かった事がある。桃色の火の玉は違和感が強烈なのである!



次の日には大三郎祖父上の言葉『基本は如何なる状況でも生き延び、任務を遂行すること』が思い浮かんだのだ。ふむ、安定した場で魔術を使える時ばかりではないであろう。


そこで、座った状態、横に寝っ転がった状態から始まって、走りながら、剣を振りながらを練習したのである。そして最後には目線を地面に向けて、術式展開が出来るようにまでになったのだ。


うむ。何を目指しているのかは不明である。しかし、目での術式展開の問題点を発見した。それは目がシバシバすることなのである!



そして、楽々、火の玉を上下左右に飛ばしたり、的に当てたり、火柱にしたり

火、水、土、風、光、闇の魔術や術式を重ねたり、掛け合わせたりまで出来るようなった。


ジョセフの話によると半年に1回試験があり、合格しないと退学になるそうなのだ。まだまだ心配だが、出来るだけのことはした。


男は度胸だが……うぅ、心配なのである。


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