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侍領主でござる  作者: ケヤキ
第二章 ディアス王国 王都バート編
21/130

21.魔術学院 部活動

やれやれ、終わって一安心である。


冷や汗をかなりかいたが、俺の番が終わったので余裕が出てきた。まさに喉元過ぎれば熱さやらだな!


上級生の魔術を見ると使用する魔術は一種類だが、加減が上手く安定した魔術だ。うむ。魔術を始める際の掛け声も口上のようで、熱意を感じるのである。


そして、授業の終わりにイアン先生に呼び止められ、午後に研究室に来るようにとの呼び出しを受けた。ジン兄上のようなぞくりとする笑みに背筋が凍る思いなのである……。



午後までの間、数日前に食堂で出会った金髪で青の瞳のセシルから学院の案内をしてもらう事となった。


「えっと、上級生の日程は、午前は練習場での授業、次は研究活動。そして、午後はそれぞれの分野の先生と研究だね」


練習場は外にあるので、本館に向かって歩きながら、セシルは説明を続ける。


「『研究活動』は部活動のことで初級から上級生が集まり、さまざまな部で好きなように学ぶ事が出来るんだ。例えば、魔術陣研究部、薬草研究部、古代語研究部とかね。ダンス部なんかもあったかな? 興味のある部に顔を出すといいよ」


ふむ。部活動の時間を自主勉学に充てても良いそうなので、自主鍛錬に充てるのもいいな!


「午後は初級生と中級生は授業があるけど、上級生は卒業後の進路に繋がる人に教えを受ける時間になっている。例えば、王宮魔術師になりたい人は王宮魔術師に、魔術の研究者だったらその研究者にね。学院が紹介状を用意してくれるから心配しなくていいよ」


「そうか、まずは午前の部活動だな。今日は初めてだ。どんな部があるのかいろいろと見て回りたい」

「いいよ。付き合うよ」


本館にあるそれぞれの研究活動の部屋を見て回る事にした。一つ目の部屋は扉が閉められていて、声が聞こえる。


「はっはっ……はっ……も、もう……だ、」

「「???」」


「ああ……筋力鍛錬、運動部みたいだね」

セシルが扉の横にある小さな部活動名を見つけ、ほっとした顔で言った。ノックして扉を開けると体を鍛えている何人かの男どもがいて、実に厚苦しのである……。


俺とセシルの上から下まで視線を動かし、ローブを脱げとか、体を見せろとか、怖いのだが、俺もクラウスでは森中で鍛錬をしていたので話が合う。終いには指先での逆立腕立て伏せを披露したりもして、楽しく部屋を後にした。


次は付与魔術研究部、これは面白い! 昔に付与の本を読んだ事があったが、すっかり記憶の彼方だった。身体強化や武器に速度を付与することもできるので、後でジン兄上がくれた棒手裏剣で試してみよう。


その次はダンス部でセシルと同じく、食堂で出会ったナターシャがいた。ナターシャと色々な話をしていたら、ちょうど昼食の時間になり、ナターシャとセシルとで食堂へ向かうことになったのだ。


「ところで、ナターシャとセシルは午後は何をしてるんだ?」

「私は魔術学院の教師になりたいから、午後は学院の先生に教えを受けているわ」

「僕は王宮魔術師になりたいと思っているからね。午後はいつも王宮に行って王宮魔術師の一人に師事してるよ」


「ルークはどうするの?」

「俺は卒業したら、そのまま家へ戻る。父上とも1年間の約束だしな。ふむ、午後はどうするかなあ……」



3階にある上級生用の食堂に行くと朝であったキース3人組もいたのである。

____


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