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これが運の尽きで、仮初の始まり
「ああ、くらい。くらい、今日も」
鬱蒼と木々が生い茂る人里離れた森の中。そんな陰湿な場所には似つかわしく無い青髪の絶世の美少女が居た。
私はどうやって生まれて、どうして生きながら得ていられるのだろう。
殆ど闇の中と言っても過言では無いこの場所でも朝は来る。
ぎゅるるるるる。
お腹を意味もなくさする。
「腹減ったぞー」
広大な森と言えど、1箇所に留まり続けたら果物も無くなるし、魔物も動物も居なくなる。
「移動するにも水がある所じゃないと不思議なおまじないが出来ないしなぁ。困ったぞ」
眩む視界の中こっちに誰か来る。そう認識したところで意識が途絶えた。
「まじないを使われた……?」