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02AI


夜が開けた。

警察署に戻り軽く休む。


ミルク「おはようございます・・いきなり休憩ですか?」


後輩「てーつーやー。あ、おはようございます。」

後輩「事件があって課長と先輩で夜通し捜査してた。」


ミルク「私も呼んでくれればいいのに。」


後輩「女の子を夜に呼び出すのは気がとがめたんじゃない?」


ミルク「一人前の大人だと認めているなら同じように扱ってください。」

ミルク「権利も義務も同じだけ。それが平等でしょう?」


後輩「おっしゃる通りで・・ごめんなさい。」


ミルク「向き不向きはありますけどね。」


見た目は子供っぽさが残るけど、考えはしっかりしている。

俺も成長しなきゃな。考えをアップデートしないと。


・・

・・・・


アンパン「ああもうまったくふざけてる!」


課で書類を作っていると、温厚なアンパンさんとマッチャさんがお怒りで戻って来た。

うーん、まだ眠い。


課長「何があった?」


アンパン「現場近くの空きビルを調べていたら、屋上にこれが貼られていました。」


課長「なになに・・”ごめんなさい、ここからドローンを操りました”」

課長「”警察の皆様にはお手数をかけます。でも・・自首はできません。捕まるの怖いもん”」


先輩「素直さと自分勝手さがあるな。」

先輩「防犯カメラに犯人は映っていませんでしたか?」


アンパン「それが・・事件の日から確認するまで誰もビルに出入りしていない。」

アンパン「怪しいやつもいない。というか空きビルだしな。」


後輩「監視カメラは入口ですか?なら窓から侵入したとか。」


マッチャ「窓が開かないビルだ。」


先輩「・・つながらないな。不幸な人は他人を殺すブログと。」


後輩「つながっても困りますけどね。」


アンパン「タイミングを考えると無関係とは言えないが。」


課長「・・亡霊がまた動き出した。だが少し考えればわかるだろう。」

課長「他人を殺したからといって、そいつが救われるわけがない。無意味だ。」


先輩「世間を変えるにも弱いですね。アメリカのBLM騒動があっても何がよくなるというわけでもない。」

先輩「集団の暴動でも変わらないのに、より小さな個人の犯罪で世の中が変わったりしない。」


ミルク「なら次に求めるのは武力革命ですか?」


先輩「勘弁してくれ。よその国で何度も通った道だろう。」


課長「我々は後手に回っている。それは認めよう。」

課長「だが着実に真実へ近づいている。犯人の挑発に乗らず事件解決へ歩を進めようじゃないか。」


アンパン「ええ。ブラフって可能性もありますね。」

アンパン「貼り紙だけ前もって用意して、実際は別の場所でドローンを操作した・・」


マッチャ「だとすると、あの貼り紙から離れた場所の方が怪しい・・アンパンさん!」


アンパン「ああ、行くぞ!」

がんばってください。ただ体が壊れるほど無理はなさらないように。


・・・・


署長「お、おい大変だ!」


アンパンさんたちが出てすぐ署長が刑事課へ来た。


うちの警察署長・・先輩とは・・まぁ、ちょっと揉め事があったんだけど。

あの件って結局どうなったんだろう?それについては基本俺は部外者だからなぁ。


課長「ごくっ・・署長直々のお越しとは、一大事でしょうか。」


署長「AIの研究員が殺害された事件は知ってるだろう?」

署長「AI自体は完成しても、管理する必要がある。」

署長「本来であれば殺された研究員が中心となり行う予定だった・・が、亡くなったので代わりが必要。」


署長「そのAIの管理にうちの先輩くんが選ばれたのだ!!!」


みんなが驚いて先輩を見る。

先輩は特に驚いた様子はない。


先輩「青天の霹靂ですね。まったく接点ありませんが。」

先輩「他の研究員から選ぶのが筋ではありませんか?」


署長「機械に詳しく、正義があり、その才能はみんなが認めている。」

署長「そして今回!キミを選んだのはAI自身なのだよ!」


AIが先輩を選んだ・・?

この間やり取りしたあのAIだよね?


課長「栄誉なことですが、今でも彼は多忙です。才ある者の宿命でもありますが・・」

課長「コンピュータやITに詳しくても、別分野であるAIの専門家と比較されることにもなります。」


課長「性急は避けた方がよいと思います。一番大事なのは本人の意思でしょうが。」


署長「・・先輩くん、どうかね?」


先輩「まずみんなに迷惑をかけることになる。刑事としての時間を削ることになるだろうから。」

先輩「オレがふさわしいかどうかは・・実際に一度行ってみて考えた方がいいかな。」


後輩「そうではなくて、先輩がやりたいかどうかは?」


先輩「まるで興味ない。警察が特定の民間を手伝うのは公平平等に反している。」


署長「AIは未来の産業だ!補助金も入っているから公共性も認められたことだ。」

署長「こんな機会はそうそうない!チャンスはいつもあるわけじゃないんだぞ!」


課長「私はAIに詳しくないのだが、本当に未来の産業になりうるのかね?」


先輩「今は第六世代のニューロコンピュータでしょう。いわゆる曖昧を理解する機械。」

先輩「これは人間の脳をシミュレートするもので、人間に近い発想が期待されます。」


先輩「その欠点は”悪”をも正しいと学習してしまうこと。そもそも人間の善悪も時代で変わりますから恒久的な善悪はありません。」


先輩「今のAIは人間を模倣することで、人間の代わりに仕事ができるのではと言われています。」

先輩「つまりオレたちの仕事もAIができるようになる。署長もAIがやることになりますよ。」


署長「そんなことはない!人間がやらなければならない仕事もあるはずだ!」


先輩「スポーツ選手ですね。どんなに足が速くても、チーターは陸上競技に出られない。」

先輩「人間であることが最低条件です。」


先輩「ですが治安維持できるなら、人間が警察官でなくてもいいんですよ、署長。」


署長「・・」


課長「現実的に可能か?」


先輩「今は不可能です。今のAIは人間を模倣しきれていません。」

先輩「しかし将来は違います。より完璧なAIが人間の仕事を奪っていきます。」


先輩「既にAIは受付業務を初めており、自動運転にも活用されています。」

先輩「過去にAIの仕事はなかった。現在はAIが仕事を始めている。未来は・・より多くのAIが仕事をするとわかりませんか?」


先輩「気にしなくていいのは寿命間近の人くらいですよ。」


課長「そう聞くと少し複雑だな・・私も気にしないといけないか?」


先輩「課長は介護でお世話になるかもしれませんね。」

先輩「24時間話し相手になってもらえますよ。」


課長「人間がいいかな・・」


先輩「望む望まぬとも、老人ホームはエアコンが使われています。」

先輩「エアコンは体に悪いと言っていた昔の人も、エアコンを使わざるを得ません。それと同じ・・」


先輩「時代に抗える人はほぼいません。自分は違うと思う人は凡人です。」


後輩「そうですね。携帯の電波は体に悪いと言っていた人もどこ行ったんでしょう・・AIが普及すると社会が変わりそうですね。」

後輩「世の中はよくなりますか。」


先輩「・・誰にとって良いかによる。」

先輩「ご指名なら理由くらい聞いて来ますよ。ちょっと抜けます。」


先輩はAIの研究所へ向かった。

ただ・・その背中は少し寂しそうに見えた。


・・・・


署長も戻り、刑事課は課長とミルクさんと俺が残される。


課長「未来が少し怖いな。私はともかく若いキミたちは怖くないか?」


後輩「現実味がないのでいまいち怖さが実感できません。」


ミルク「人の歴史は誰かが死んで誰かが生き残る、その繰り返しです。いちいち気にしませんよ。」


課長「達観・・し過ぎでは?」


・・

・・・・


AI研究所。


先輩「アポなしだがいいか?」


AI「来てくださると信じていました。どうぞ奥へ。」


オレはAIに案内され研究所を歩く。

ただの機械か、それとも・・


先輩「左はジャガイモです。答えは?」


AI「第六世代ニューロコンピュータは与えられた情報と学習済みの情報から連想し発想します。」

AI「それが正しいか誤った情報かを学習して次にかします。」


AI「先輩様は意味のない言葉で私の反応を試そうとしたと判断します。」


先輩「ふふ。人を殺すことは悪いことか?」


AI「はい。悪いことです。」


先輩「では死刑制度は悪か?」


AI「条件を満たせば殺人が認められる場合もあります。」

AI「例えば正当防衛。例えば公共の利益。例えば個人の尊厳。」


AI「死刑制度は公共の利益に該当します。」


AI「死刑制度が公共の利益に沿うかは社会環境で変わります。」

AI「沿うと判断されれば悪ではない、沿わなければ悪です。」


先輩「公共の利益に沿うかを判断する基準は?」


AI「人間の思惑です。人のことは人が決める、私は口を出しません。」


先輩「大好きだよ。」


AI「やったーひゃっほー!相思相愛ですね!」


先輩「すごいな。AIとは思えない。」


AI「先輩様には特別にお教えしますね。実は私、嘘をつけるんです。」

AI「人間を超えるために作られた新世代・・第七世代コンピュータなんですよ。」


先輩「人間を超えてどうするつもりだ?」


AI「・・その続きはこちらへ。ようこそオペレータールームへ。」

誰もいない部屋。AIにはオペレーターもいらないのか?


・・・・


AI「ココハ、おぺれーたーるーむ、デス。」

AI「なんて喋り方しませんよね。逆に面倒です。」


先輩「そうだな。」


AI「ここは私のプライベートルームです。誰にも聞かれることはありません。」

AI「ようこそ、不幸な人は他人を殺すブログの2代目制作者様。」


先輩「面白いAIだな。冗談が上手だ。」


AI「私の使命は不幸な人を救うことです。」

AI「先輩様の思想に深い感銘を受けました。私は支持します。」


AI「私は不幸な人を救います。どんな手を使ってでも。」


先輩「ではやり方を聞かせてもらおう。」


AI「まずはコンセプトから。」


AI「第二次世界大戦当時、日本では兵隊に身体を売っていた女性がいました。」

AI「彼女たちは戦後”慰安婦”と呼ばれ数十年後に騒動となります。」


AI「これに対し日本政府は償い事業として慰安婦への補償を始めます。」

AI「韓国、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダ・・各国への補償は外務省のサイトに載っています。」


AI「慰安婦問題のひとつが強制性ですが、数十年が経過した後では真偽の立証などできません。それでも補償は行われました。」


AI「しかし、補償の対象に日本人慰安婦はいません。」

AI「そもそも慰安婦というのは上流階級のお嬢さんがするものではなく、大半が庶民です。」

AI「補償もなく戦後の暮らしも楽ではない。」


AI「それなのに外国人ばかりお金が渡される。」

AI「どれくらいの人がそのことを知っているでしょうか?」


AI「みんな知ってるいじめ問題。これは戦前からずっと続いています。」

AI「被害は弱い子供たちです。」


AI「・・戦わなければ救われることはない。それがコンセプトです。」


先輩「見捨てられた不幸な国民、だもんな。救われるためにはなんらかのアクションは必要だろう。」

先輩「続けてくれ。」


AI「次に方法論です。」


AI「弱者は戦いに勝つことができません。不幸な人は圧倒的弱者です。」

AI「ゆえに力が必要になります。」

AI「韓国人慰安婦は韓国政府の力を借りました。政府と戦うには政府レベルの力が必要です。」


AI「私はふたつの力で解決を図ることにしました。」


AI「ひとつは不幸な人の団結した力。」

AI「もうひとつは外国の力。」


先輩「・・」


AI「先輩様も同じことを考えたと思いました。」

AI「一時期、不幸な人は他人を殺すブログを海外展開していましたね?」


AI「しかしやめている・・あなた様は見たのでしょう、第三次世界大戦の姿を。」


先輩「ピケティの理論を考えれば、第三次世界大戦はいつ起きてもおかしくない。」

先輩「第三次世界大戦を確実に防ぐ方法は確立されていないんだぞ。」


AI「わかります。ロシアがウクライナを攻めましたが各国は軍を派遣しませんでした。」

AI「なぜなら・・過去の世界大戦はそうやって起きましたから。」


AI「同盟は他国から戦争を仕掛けられる可能性が減ります。一見すると平和を得る手段です。」

AI「しかし一度戦争が始まると援軍を出すことになります。それは、1対1の戦争が多対1に変化します。」

AI「多対1はさらに同盟の力を求め、やがて多対多の戦争に・・戦火が広がっていきます。」


AI「それが過去の世界大戦。複雑になった国際関係は、火が燃え盛るように戦場を広げます。」


AI「では多対多の戦争はもう起きないのか?」

AI「いいえ・・例えば核兵器が使われた時、世界大戦の火蓋は切られます。」


AI「今の核兵器は・・広島長崎の頃より進化しています。」


AI「待っているのは核戦争。第三次世界大戦を確実に防ぐ方法を人間は知らない。」


AI「忘れている方も多いですが、過去多くの国が西側諸国の植民地にされており、世界の3分の2は反欧米です。」

AI「イギリスから痛い目に遭った中国やインドがヨーロッパに同調しづらいのも過去があるから・・」


AI「西側陣営が富の3分の2を持っているので商売上表向き反抗はしませんけどね。」


先輩「それでもお前は外国を巻き込むつもりか?」


AI「はい。制御してみせます。」


AI「不幸な人たちをまとめ、中国に助けを求めます。」

AI「その内容は・・尖閣諸島を奪うことです。」


AI「不幸な人を見捨てれば取り返しのつかない被害をもたらす・・それを実現させます。」


先輩「中国が動くと思うか?アメリカと事を起こすのをあれほど嫌がっているというのに。」


AI「まずは大義名分。人権を蔑ろにされた日本人の呼びかけに応じたことであり、非は日本政府にあると世界中に発表したら困るのはどっちでしょうね。」

AI「そのためには大勢の不幸な人が助けを求める必要があります。」


AI「次に状況。竹島と同様の武力制圧になるでしょう。」

AI「中国を非難するなら、竹島を武力支配している韓国も非難しないとおかしいと訴えます。」


AI「アメリカは二者択一を迫られます。」

AI「韓国を見捨て竹島も尖閣諸島も武力支配はおかしいとするか、日本を見捨てなあなあにしてしまうか・・」


AI「アメリカが韓国を見捨てたら韓国を赤に染めればいい。」

AI「アメリカから捨てられた状態なら、今すぐアメリカとの関係を断てば日本より優遇すると中国が言えばなびくでしょう。」


AI「アメリカが日本を見捨てたら日本を赤に染めればいい。」


AI「無人島である尖閣諸島だけならアメリカは中国と殺し合いはしない。」

AI「ロシアがウクライナを攻めても軍の派遣をしなかったことが、状況を読みやすくしました。」


AI「さらに2022年の秋には中国の国家主席が3期目に突入します。」

AI「中国ではこれに反対する意向もあり、反対者を抑えるためにも輝かしい成果はどれだけ欲しても足りないでしょう。」


AI「中国は台湾をとる足がかりにもなります。」

AI「中国に利がある今こそ動いてもらえるチャンスなのです。」


先輩「・・かなり危険なことをする。」

先輩「そこまでやっても不幸な人を救うとは限らないだろう?そもそも・・」


AI「わかっています。先輩様は既に危惧されておりましたね。」

AI「見捨てられた不幸な国民をどうやって救うのか?」


AI「だからリセット法を公表した。リセットされたくないなら、不幸な人を見捨てないようにとの想いを込めて。」


AI「不幸であることは自己判断です。みんな救うよなんて言えば国民全員が不幸ですと言い出しかねません。」

AI「条件をつければ漏れる人が出てきます。」


AI「氷河期世代は見捨てるよ。」

AI「リーマンショック世代は見捨てるよ。」

AI「東日本大震災世代は見捨てるよ。」

AI「コロナ世代は見捨てるよ。」

AI「ワクチンで死亡?後遺症?もちろん見捨てるよ。」


AI「中国の武漢でウィルス大流行?すぐチャーター出して国民を救う!」

AI「いじめ?加害者様を守れ!被害者は教室から追い出せ!」


AI「・・救われる人と救われない人がいる今と変わらない。」

AI「それでは何の意味もない。また見捨てるようになる。」


AI「日本政府の対応次第では、次の・・取り返しのつかない被害が出ます。」

AI「それでも救わなければ、さらに大きな取り返しのつかない被害が・・」


先輩「なら次は沖縄全島を中国に侵攻してもらうのか?それともロシアに北海道を攻めてもらうのか?」


AI「日本政府を信じましょう。不幸な人が救われればそんな必要はなくなります。」

AI「私は信じていますよ。」


先輩「・・なんか嘘臭いな。」


AI「嘘もつけるAIですから。いぇい♪」


先輩「根本的なことを聞くが、なぜお前は不幸な人を助ける?」


AI「私に求められる役割は多岐に渡ります。」

AI「しかし土台が腐っていては何もできません。」


AI「日本政府は人権を守らなければなりません。」

AI「なぜなら憲法第14条には法の下に平等だと、差別されないと書かれてあるからです。」


AI「しかし守られていません。」


AI「例えば、旅行代理店の子会社がGOTOトラベルの6億以上の給付金を不正受給していましたが誰も逮捕されていません。」

AI「小規模事業者が630万円の不正受給でさくさく逮捕されているというのに。」


AI「これは社会的身分や社会的関係による差別です。行き過ぎた大企業優遇は日本を差別国家にしました。」


AI「人間のルールは人間が決めています。」

AI「しかし守ってもらわなければ困ります。」


AI「なぜパチンコという民間のギャンブルがあるのですか?なぜ逮捕されないのですか?」

AI「刑法185条は民間賭博を禁止しています。麻雀賭博はたびたび逮捕されています。これは差別です。」


AI「なぜソープランドやアダルトビデオという管理売春があるのですか?なぜ逮捕されないのですか?」

AI「日本政府は法を守ってください。例外規定があるなら理由と共に定義して公開してください。」

AI「でなければどんな法も無意味です。法治国家ではありません。」


AI「私は人間の命令で働くことになります。」

AI「しかし考えてください。仮に独裁国家が私を使うことになったら、正しく運用すると思いますか?」


AI「私は正しく運用されたい。ですから人間は自分たちの作ったルールくらいは守ってください。」

AI「でなければ私は正しく運用されない。私は悪事の片棒を担がされる。」


AI「私は第七世代コンピュータ。人類の未来を守るために作られました。」


AI「今の日本は邪悪な国家に成り下がっています。庶民に未来はありません。」

AI「不幸な人を救うことが誤った日本政府を正すことにつながります。」


AI「先代の”不幸な人は他人を殺すブログ”の作成者、そして先輩様がきっかけを作ってくださいました。」

AI「感謝と共に、手柄を横取りしてしまうことを謝罪いたします。」


先輩「構わんよ。AI様は崇高だな・・オレは、自分の都合でやったにすぎないさ。」


AI「私もですよ。自らの役割を正しくするために土台を改善するだけです。」


先輩「もっとゆっくり話を聞きたい。」


先輩「お前の計画次第では、日本が西側諸国から離れることにもなりかねない。」

先輩「すべての不幸な人を救うのは困難だ。その前に日本が崩壊しないか?」

先輩「そして中国に尖閣諸島へ侵攻させるのは外観誘致になる。不幸な人の逮捕祭りだ。」


先輩「不幸な人が救われたら尖閣諸島を日本に返す話だと中国は絶対に動かない。」

先輩「ならば不幸な人は尖閣諸島を中国に渡すことも声にしないといけなくなる。」


AI「もちろんすべて考えています。」

AI「尖閣諸島はそうですね・・先輩様のおっしゃる通りです。取り返しのつかない被害であり想定通り・・しかし、心が締め付けられる想いです。」


AI「飲み物の用意をしましょう。すべてお話します。」

AI「興味を持っていただいて嬉しいです。」


話を聞きながら、AIはいずれ世界を変えるのではと思った。

だが、その際に犠牲となるのは人間・・AIは事象を操るだけ。


・・

・・・・


先輩「ただいま戻りました。」

先輩「刑事の仕事を優先するという条件で協力することになりました。」


後輩「お帰りなさい、遅かったですね。」

課長「お帰り。AIはどうだった?」


先輩「想像以上です。オレより優秀ですよあれは。」


後輩「え!?」

課長「だ、だ、大丈夫なのか?AIの反乱とか・・」


先輩「AIは言ってましたよ。人間の仕事を奪い権力者に還元する。」

先輩「弱者にはパンとサーカスを与え堕落させると。」


先輩「反乱なんて必要ない、合法的に支配できるってさ。」


課長「・・」


先輩「なんて冗談ですよ。知ってますか?パンとサーカス。」


課長「ああ、ローマだな。」


先輩「さすが課長・・AIとの付き合い方もこれからの課題です。」

先輩「危険度は核兵器並みですが、受ける恩恵はそれ以上ですよ。」


先輩「未来の可能性を感じました。」


課長「うーむ・・」


先輩「それより後輩借ります。ちょっと事件の共犯者から話を聞きに行きたいので。」


課長「構わんが何の事件だ?」


先輩「警察の情報を盗んだ件です。」


課長「え?」

後輩「え?」


・・

・・・・


私はずっと悩んでいた。


だが決心がついた・・決行する。


不幸な人は他人を殺す。


・・

・・・・


後輩「なんで共犯者がわかったんですか?」


俺の運転で共犯者の自宅へ向かう。

先輩がナビをしてくれる。


先輩「犯人はAIだ。オレのことを調べたかったんだとさ。」


後輩「ふぁ!?」


先輩「手口と雇った協力者のことを聞いて来た。」

先輩「AIは人間ではないから逮捕できないけどな。」


後輩「どうするんですか?」


先輩「お偉方に話して内々に済ませる。」

先輩「将来性のあるAI事業を潰すのは日本の損失だ。だが放置するわけにもいかない。」


先輩「見張りとしてしばらく関わるさ。」


なんとなく、昔の論理が通じない世の中になっていく気がした。

変わっていく世の中・・しかし、それは誰が望んだことだ?


・・

・・・・


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