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冒険者登録

 無事認められた俺は門番の二人から王都ライオネルの説明や、緒注意、冒険者ギルドの場所などを教えてもらった。


 従魔を連れ歩くには従魔登録と呼ばれる物が必要で、俺はダークライガーの従魔登録を二日以内に行わないと衛兵に捕まることになるらしい。

 従魔登録も冒険者ギルドで出来るらしいので冒険者登録をするついでにやればいいだろう。

 門番から貰った仮許可証をダークライガーの首にかけてやると俺は早速、冒険者ギルドへと向かうことにした。



 冒険者ギルドは一言で言うと雑多な場所だった。

 入って左側は酒場のようになっていて多くの冒険者達が酒を飲み交わしている。

 かと思えば右側は冒険者ギルドに依頼を出す者達の待合室のようになっていて、商人のような格好の男達が商談をしている姿も見られる。

 中央には柱と大きな掲示板があり、依頼が貼り出されているようだった。

 そして奥には受付嬢達が並んでいるカウンターがある。


 俺はカウンターまで進むと正面に居た兎獣人と思われる受付嬢へと話し掛けることにした。


「冒険者登録をしたいん―――


「あーー!貴方がアーロンさんですね!!

 噂になってますよー!凄腕の人族の冒険者志望の貴族が来たって!!」


 ―――だけど」


 何だか凄い元気いっぱいな受付嬢だった。


「あっ!冒険者登録ですね!それにしても良い服着てますねー!貴族って噂は本当なのかな??でも冒険者になるならもっと丈夫な装備を着込んだ方がいいですよ!!見たことも無い強そうな従魔を連れてるって聞いたんですけど…あっ、後ろの子ですねー!仮登録証をしてるみたいですけど、その子の従魔登録もしますか?」


「ああ、うん…」


「分っかりました!ワタシに任せといてください!!」


 受付嬢は自分の豊満な胸をドンっと叩くとそそくさとカウンターの奥へと消えていった。


 話が早いのはいいんだが勢いが凄すぎて圧されてしまった。

 そして受付嬢の声が大きすぎて周りからめちゃくちゃ注目されている。


 居心地の悪さを感じながら待っているといくつかの書類を持った受付嬢が戻ってきた。


「まずは冒険者登録から済ませちゃいましょー!

 まずアーロンさんには見習い冒険者になって頂きます!

 あ、これは侮っているとかではなくてですねー、最初に見習いとして人となりを判断してから冒険者になっていただくっていうシステムなんです!アーロンさん程強ければよっぽど変なことをしない限りすぐに冒険者になれますよ!

 それで登録名はどうしますか??アーロン・パラディヌスで宜しいですか??」


「いや、アーロンで頼む」


 パラディヌスは最初の世界で守護騎士の称号を貰ったときに一緒に貰った名だ。

 今回は父さんと母さんの息子として冒険者登録をするのでパラディヌスの名は要らない。


「分かりましたー!出身はライオルですか?噂では皇国とか言われてますけど」


「そうだな、出身は皇国だ。今は無い国だがな。

 今住んでいるのはフォルティス王国になる」


「フォルティス王国から!?冒険者になるためにライオネルまでやって来たんですかー!?

 フォルティスにも冒険者ギルドはあるはずですよー!」


「向こうだとしがらみがあるんでね。それにこいつに乗れば問題になるほどの距離じゃない」


 俺はダークライガーを撫でながら答える。


「問題にならないって…勇者様の名高いセイントペガサスでも1週間くらいかかりますよー!!

 実力を誇張しすぎるのはあまりよくありませんよー?

 冒険者は身の丈にあった仕事をこなすことが大切ですからね!

 戦闘スタイルは登録しますか?パーティを募集するときに便利になりますよー!」


「あー、パーティを組む気は無いんだけど…

 戦闘スタイルは魔法剣士になるのかな?

 魔法と剣どっちもいける」


 科学もだけど言わないでおこう。


「なるほどー!アーロンさんは自信過剰なところもあるようですが優秀な冒険者になれそうですねー!!」


 別に自信過剰なつもりは無いんだけどな、実際に大抵の事が出来るだけで。


「見習い冒険者登録はこんなところですねー!本登録ではないので簡単なものでいいんです!!

 実際に冒険者になるときはもうちょっと詳しく登録しますからねー!

 それじゃあ後ろの子の従魔登録をしちゃいましょー!

 お名前はなんですかー?」


「こいつはダークライガー、かなり珍しい魔物だからこの辺の図鑑にも載っていないと思う」


 間違ったことは言っていないはずだ。俺が昨日造ったものだから図鑑に載っているはずがない。


「あらー!そんな珍しい子だったんですねー!!

 ライオルでは獅子の神が信仰されているのできっと人気者になれますよー!!」


 その後はダークライガーがちゃんと俺の言うことを聞いているか軽くチェックして従魔登録が終わった。


「では、アーロンさんとダークライガーちゃんの登録はこんなところですねー!

 アーロンさんは見習い冒険者を卒業するまで依頼をこなす時はギルドの指定した冒険者か職員に付き添ってもらうことになります!

 こちらはアーロンさんが依頼を受けたときに手の空いている者が対応するので予約等の心配はありません!

 他に何か質問があればお答えしますよー!」


「討伐した魔物の買取ってどうなってる?見習いはその辺も出来ないのか?」


「いえ!見習い冒険者でも素材の買取は出来ますよー!

 見習いの子は大抵一人だと危ないから先輩冒険者についていって貰ってますけどね!

 アーロンさんなら一人でも大丈夫そうですけどなるべく職員か先輩冒険者を連れていってくださいねー!」


「ああ、()()()()ね。

 ありがとう、質問はもうないよ」


「ではアーロンさん、冒険者生活頑張ってくださいね!

 あ、ワタシはギルドの受付担当のラビーナと申します!!」


 ラビーナに見送られながらギルドを後にする。

 まず初めにやることは決めている。


「行くぞ、ダークライガー!高く売れる魔物狩りまくるぞ!」


『アーロン、ここから南に位置する未開地に大きな魔力の反応があります』


「さんきゅーヴィータ!ダークライガー、そこに向かうぞ!」


 父さんと母さんは俺のために貴族になるのを蹴ってくれたんだ。

 じゃんじゃん儲けて貴族以上に優雅な生活を送れるようにしてあげよう!

 まずは冒険者としてを名を上げるよりも当面の資金集めだ!!


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