アスラ調査船漂流姫
幸和27年 私は目覚めた。
この時に年号数歴は終え、アスラの時代へと入ったのだった。
私は昭和60年5月8日、田村 嶺樹 と名付けられ日本で産まれた。この時代は皆が知る普通の人生を生きたと思う
しかし、32歳の時心臓発作で息を引き取った。
そう、普通ならここでお話しは終えるはずだけど、終わらなかった。
私は臓器のドナー提供を希望していて、死後使える臓器はそれぞれ必要とされる人へ渡たった
そして脳は研究の為冷凍保存されたのだった。そう、そのおかげで時代の進んだ幸和27年に蘇ったのだ
だけど、脳だけなのに生き返るなんて凄い科学の進歩をしたと思うだろう、、、
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幸和6年に人類に一つの転機が訪れた、それは異星人とのコンタクト。
正確には異星人の情報公開そこからはトントン拍子で様々な異星人が表に出て来たらしい
彼らのテクノロジーは凄まじく今では病気は無くなり、寿命も自分で決められる。
言語は残っているものの、所謂テレパシーで装置を付ければ誰とでも意思疎通が出来る。
話は戻るが日本は平成を最後に年号を幸和に変え、私が目覚めた幸和27年に年号数歴は終え アスラと言う時代に入ったのだ
アスラ、意味は創世 これから世界は始まりの起源を解明していく。
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私が蘇った時、最初に目にしたのは人に近いが人では無いと感じた生物。そこにいたのは青灰色の肌に銀色に輝く目、髪は緑に近い3mはあろうかと言う巨人
周りを見渡せば、頭の大きな小人、人とは違う異形な人、はたまた姿格好はアジア人だが目がやたら大きな人々
私は胸が苦しくなり、救急車で運ばれるまでの記憶があった為、ここは死後の世界だと思った。
暫く惚けていると青肌の巨人が私の額に小さな部品を当てたそれは肌にめり込み、その瞬間 今に至るまでの一部の地球の歴史、宇宙の歴史が流れ込んで来た
納得せざる終えない知識、無理矢理言いくるめられた様な感覚だった。
この宇宙には生命は数多くいる、その中で創世生命は一握りだそうであるが宇宙は数多く存在する為 この宇宙の高次生命体でも謎だらけらしい。
何でも宇宙の全てが何らかの意識と繋がっているらしくそれを突き止めることが創世生命の目標みたいだ。
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「だいたい理解した様なので話をしよう」
青肌の巨人が語りかけてきた
「貴方はこれからアスラのパイロットとなって頂きたい。勿論、拒否する事も出来ます」
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短い語りかけだが全て伝わった
今の私はアンドロイドだ船を操縦するのに適した。
アンドロイドと言っても機械とは違い生命体である 私の創られた身体は見た目は褐色の少し目の大きなアジア人だけれど性能は宇宙船を凌駕するテクノロジーで創られている。
骨格は炭化鉄という、宇宙船の外壁にも使われる超硬度の金う属、体はプラズマ回路が張り巡らせられ、数万キロ位の調査母船のエネルギーをカバーできるほど
表皮は超強度の流動物質で覆われていて核心にはスターホールと言う莫大なエネルギー源が内蔵されてる、、、
が先にも話た通り外見は長い黒髪の褐色アジア人女性、外見や性は人間の名残をわざと残してくれたのだ、彼らの優しさなのだろうか、、まぁ生前は男だったのだが文句は言えない…
そもそも何故私がパイロットかと言うと好奇心の強い生命がまた、未発達な生命がアスラのパイロットに最適であり、人間は創世されてから日が浅く、なお好奇心を持つ新しい種族になりつつある
いくら彼らの文明が発達してようと意識構造は出来ないもので、それを成しているのが何処かにあり、それを探すのが目的なのだ
その調査に新しい可能性となるのが地球生命体であり それに選ばれた内の一人が私だったのだ
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パイロットになります
「あの、最後に地球に行かせて貰えませんか?」
「申し訳ありませんが出来ません、貴方の住んでいた星はもう有りませんので」
「ない?まさか、冗談ですよね?そんな、歴史にそんなこと記されてなかった!何故行かせてくれないのですか!?一回でいいですからお願いします!」
「本当に無いのです、貴方が暫くして落ち着いたら全てを明かしましょう
どうか心穏やかにお願い致します。」
「わ、わかりました、、、、」
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私は全てを呑み込み耐えた。ただでさえ死んだ命を蘇らせてくれたのだからと、、
こうして私はアスラ調査船のパイロットとして旅をする事になった。
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「私は船までの案内を任されたものです。知識は全てあると思うので宇宙船に乗る前にこのコロニー内で行きたい所はありますか?」
私が今居る所は惑星ではない、時空の狭間に創られた果てし無きコロニーと言うべきか、
ここには数多くの生命体が暮らしていて、調査船によって調査された様々な文化が区間に別れ存在する
圧倒されて惚けていると案内人が話し掛けてきた。
「どうでしょう、地球の区間もあるのでいかれては?」
「え⁉︎…は、はい、お願いします。」
一瞬で地球の見慣れた場所に立っていた、東京のような街並み人も木も風もある、でも違う、地球では無いそう感じてしまうのだ。
「もう行きましょう」
「もう宜しいのですか?」
「はい、、」
「それでは宇宙船の方へ参りましょう」
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「この船がパイロットとして乗る調査船です では搭乗しましょう」
船は全長500メートル高さ幅ともに100メートル 、フットボールを細長くした感じだ。 外壁は私の骨格と同じ炭化鉄を構築したもの。
内装は光輝く銀色、文字列みたいなものは回路となっている
搭乗人数は10名
パイロット1名、、私 、身長165㎝アンドロイド、長い黒髪、大き目、金色の瞳、褐色アジア人女性
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原地調査員4名、、青肌の巨人
「どうぞこれからよろしくお願いします」
「よろしく頼む」
彼らはそれぞれ性格がありなんとも安心したのを覚えている
今の世界は個人を全体像として捉える為名前が存在しなかった。分かりずらいので名前を付ける事にする、私が勝手に付けた名前だけど
ミカエル:真面目そうな落ち着いた青肌の巨人
カブリエル:優雅というかのほほんとした青肌の巨人
ラファエル:好奇心のある子供っぽい青肌の巨人
ウリエル:ちょっとガサツな青肌の巨人
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医療員1名、、背丈の小さな150cm位、ブロンド長髪な白人の様な、まぁ、私と同じ位の背丈なのだけど
マリア:世話をやくのが好きでお茶目な小白人
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船艇技師2名、、目は赤く肌は黒いスラっとした2m位の人
ヘカトン:寡黙であるけど優しい赤い目の黒人
ケイル:よく喋る、、そうよく喋る赤い目の黒人
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記録員1名、、緑の棒状の姿、液体状にもなる
アカシック:美しいものが好きな緑の棒人
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船核1名、、高次生命体であり船そのものの主な特殊動力を担い、生命体で唯一宇宙空間で生きていける存在
アスラ:ポジティブで明るく、太陽の様な存在、、ずっと側にいたかった存在
計10名で果てしなきアスラを巡る宇宙旅行が始まった。
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「案内は終わりましたので、それでは私退出しますね、良い舟旅を」
「え?訓練もなしに!?、、って行っちゃった、、、」
そして案内人は船を出ていった。すると青肌の巨人が話しかけてきた。
「まー、気にすんな お前はパイロットなんだから余裕だろ」
「そーだね、ウリエルの言う通り大丈夫!今度僕にも操縦させて!」
「ラファエル、残念だが君が操縦する機会は無い」
「あら〜、ミカエル そんな冷たい言いかたしなくてもいいんじゃない〜?」
「そうだ、そうだ!ガブリエルの言う通りだ僕は操縦してみたいんだ!」
青肌の巨人たちが話ていると小白人が歩いてくる。
「あら、随分賑やかね これから新しい旅立ちおめでとう マリアよ、よろしくね」
小白人マリア、生物医療のスペシャリストだ。
「よろしくお願いします。れいじゅ、、、レイと呼んでください、、」
折角 生まれ変わて女性になったので、嶺樹と言う名前を縮めて「レイ」と呼んで貰うことにしよう。
「ふふ、かしこまらないで普通にはなしてね」
「そう…生命、皆平等…」
「そうそうそう、気楽にだよなヘカトン、
ほー、これが最新のアンドロイドかいな!
意識パーツだけで冷凍されてたんやろ?
どや、解凍された気分は?etc…
小柄やな自分、その中にそのエネルギー…
人間は食事するんやろ?これ食べてみ…もう、食べられんか?…etc」
彼らは赤目の黒人ヘカトンとケイル、宇宙船が壊れても直せる。なぜなら彼らがこの船を作ったからだ。
そうこうしていると、緑の棒人アカシックが入ってきた、彼は映像、音、大気、温湿度、ほぼ全てを自分の身体に記憶させる事が出来る、その記録をコロニーに送る事が彼の役目だ。
「その辺にせんかケイル、お主の話は長くて叶わないである
アスラ、早くレイに操縦の説明をするのである」
「アハハ、わかったヨ、アカシック
レイちゃん 船の先端に座る所があるでショ?
そこに座って、船体に触れてみテ」
最後に高次生命体のアスラだ。高次生命体それはこの宇宙において最もアスラに近いとされる生命体でそのエネルギーは銀河相当とされる。
見た目は閃く光、ゆらゆらと輝いている。
「う、うん、、宇宙空間が目に見えるように分かる、、凄い、、
でも何処へ向かったらいいんだろう?」
「それはネ?レイちゃんの行きたい方へ行けばいいヨ
寄りたい星があれば寄ればいいシ、見たい景色があれば見ればいいシ、自由気ままな宇宙旅行だヨ! さぁ、行ってみヨー!やってみヨー!」
「うん、じゃあ、、、」
私は自身のプラズマ回路を使ってフォトグラフを操縦空間の中心にだした。
「これは古典的で美しいのであ〜る」
「じゃあ最初はこの星で、皆んないいかな?」
「「「了解、船長!アスラを求めて出発!!」」」
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植物の星
船は順調に進んでいた。感覚で見える宇宙は広大でなんかワクワクしたのを覚えている。