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第2話 パーティー

現状を把握?したところで、他の人たちがやっているように俺も声掛けしてパーティーを組むため、行動しようと、近くに4人で話し合っているグループがいたので、声を掛けてみる。


「ねえ、俺もパーティーに入れてくれない?」


4人がこちらを見てぽかんと口を開けてこちらを見ている。


「何言ってんだ?もう4人フルメンバー揃っているんだぜ?それとも誰か引き抜きなのか?」

と、体格の良い少年がこちらを睨みながら話す。


(あ、やばいかも)


「あ、そうだった。そうだった。そんなつもりじゃないからさいなら~。」

そそくさと逃げる。


(なるほど、パーティーは4人でフルメンバーなのか。気おつけよう。)

そして、近くの3人グループに話しかける。


「なぁ、俺もパーティーに・・・。」

「あんたのクラスなによ?」

目つきの鋭い少女に問われる。

「え、クラス?」

「そうよ、こっちは土と風がいるから、水なら考えてあげるわよ。」


(俺のクラスってなんだろう・・・あ、卒業式の隣の少年が「俺達風はどちらでも良さそうだしなぁ。」とか言ってたな・・・。)


「風だけど。」

「風はもういるから、他のとこ探してくれない。」

っしっしと追い払われる。


そんなやりとりを何回かやっているうちにわかったこととは、スタートダッシュに出遅れてみんなパーティーを組まれてしまっている事実だった。

何人か残っていそうな人たちも今後のために枠を開けとくやら1人でやっていくなどであった。


(まぁ、ソロでやっていくのもいいけどさ。でもこの世界の常識とかを教えてくれる人がいないのは厳しいな。あー人間観察たのし・・・。)

と、寂しい事実を無視してひとりで慰めながら、周囲を観察していた。


そんな中、小柄でリスのようにちょこちょこ動いて色々なグループに話しかけている女の子がいた。

「あ、あの!水のクラスはいりませんか!」

「えーそのクラスは埋まってるんで・・・。」、「うちらは水なしでいくから・・・。」


(なんか、微妙な断られ方しとる。)


ひそひそ・・・

「あいつ、水のどじ子だぜ」、「あんなのいれるなら被っても他のクラス入れたほうがいいよな」、「成績表でも毎回ダントツドベだったし」、「ウォーターボールしかつかえないんじゃな、水ならせめてヒールが欲しいし」


(おおう、なんか物凄く可哀想な子なのか。でも成績表が最下位も公開されてる学校て成績悪い奴はぐれないか?それが普通なのかもしれないけど。)


そんな中、壁際にボートが貼ってあり、でかでかと成績表と書いてあったのに気づく。


(目の前にあった!人間観察が楽しくて、全然気づかなかったわ!そして何語か分からないけど文字読めてよかった!超よかった!)

成績表には各クラス30名で上位成績者の名前が順に書いてあるものであった。


(えーっと、風のアレク、アレクっと。これかな)

そこには、29位アレクシスと書いてあるボートを見て、俺はorzとガックシしていた。ちなみに水の30位の子はアイと書いてあった。

そんなガックシポーズが目を引いたのか、アイが近づいてきた。


「あの、まだパーティー組んでないなら、一緒に組みませんか?」

「よろこんで!!!」

選り好みしている身分じゃない&寂しさから大声で返事してしまった。


ビクッとアイは驚いた後、笑顔いっぱいに喜んでいた。



ドーンッ!、ドーンッ!、ドーンッッッ!


「各自パーティーは組んだもの、準備ができたものは、壇上に上がり測定器チェッカーの授与を行う!」


「・・・測定器チェッカー?」

と、呟いたら隣にいるアイが

「あの、自分の取得スキルやレベルなどが分かるものと授業で何度も説明してたと思うんですけど...。」


「あぁ、寝てたから聞いてなかった。」

と平然と嘘をついて返事する。


「・・・寝てたって・・・大丈夫なのかな・・・。」

アイは明らかにパーティー組む人を間違えたと気づくにはそう遅くはなかった。


そんなやり取りのなか、分かったこと

測定器チェッカーとは、自分の個人情報であるスキルやレベル。パーティ登録や他国への通行証や冒険者ギルドに預金してある範囲内なら変わりに支払うキャッシュカードのようになり、現代で言えばスマホみたいなものらしい。形状はただのゴツい腕輪である。


それぞれが壇上に上がり測定器チェッカーをもらい受けていく、俺ももらってすぐに確認をすると。


名前:アレクシス

種族:人間

年齢:13

属性:風

レベル:3

スキル:風魔法(1)エアカッター、風強化魔法(1)アクセル

預金:100,000z


と記載があった。

通貨単位はゼニで1z=1円とのこと。


(29位でレベル3なのか。ってか預金100,000円って今までこの身体の持ち主何やってたんだ?というか親はいるのか・・・?それとも周りの記憶を改ざんして割り込んだのかなぁ。あまり深く考えてもしょうがないし、いいか。)


パーティ登録もついでにしたので、アイのステータスも表記されていた。

名前:アイ

種族:人間

年齢:13

属性:水

レベル:1

スキル:水魔法(1)ウォーターボール

預金:-


(おぉさすが30位、やっぱりレベル1なんですね。というか学校ならちゃんとこういう子の面倒みてレベル上げてあげようよ。上がらない理由とかあるのかね。)

ちなみに、パーティー登録したとしてもレベルやスキルは任意で表示/非表示でき、預金は本人でないと見えないとのこと。


「とりあえず、これからよろしく」

と、アイに向かって手を出す。

「は、はい!末永くよろしくお願いします!」

少し赤面し手を握ってくるアイ。


(なんか、微妙に重くない?)


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