第9話
突然だが、問題です。俺は今何をしているでしょう。
正解は高度2000メートル程から、落下中です。魔法陣に入って気が付いたら、落下してました、はい。
やばぃ、地面見えてきた、しかも着地地点あの森か...
「すみません、ウリエル様俺、転生して約3分でもう死んでしまいます。」
俺は、目を閉じた。しかし、いつまでたっても衝撃は来ない。それどころか、地面にぶつかった音すらしない。目を開けると、俺は森にいた。
「助かったのか...」俺が油断していると近くの茂みから『ガサッ』と音がする。まさかと思い、茂みに目を向ける。案の定そこには、ゴブリンがいた。
「展開早くない?ゴブリンさん空気読みすぎ..」
そう言いながら、腰にある剣を抜きゴブリンに向ける。すると剣術スキルの効果なのだろう、体が軽くなった、これならいける。ゴブリンは棍棒を持って、俺へと向かってくる。
ゴブリンは、俺の前に来ると、棍棒を振り上げる。「遅い」振り下ろされる棍棒に向って剣を振り上げる。
剣と棍棒がぶつかる。その結果、ゴブリンの棍棒を弾き、ゴブリンは体制を崩す。
俺は、その隙を逃さずに、ゴブリンの首に剣を突き刺そうとする。
しかし『ガキン』という音と共に、剣が弾かれる。
「嘘だろ、ミスリルの剣だぞ。この世界のゴブリンってこんなに強いのかよ。」
『ブオン』ゴブリンが体制を直し棍棒を振る、俺はそれを剣で受け止めて、魔法の詠唱に入る。
「火の精霊よ、我が手に炎を!敵を貫け」
そう言ったとたんに、俺の手からものすごい速さで、炎の矢がゴブリンに向って発射される。そのままゴブリンの腹を炎は貫く。それでもゴブリンは、立ち上がり向ってくる。
「いいぜ、なら...これでも喰いやがれ!『我が盟約に従い、炎の精霊よ、集え、猛る灼熱の炎よ、全てを焼き尽くし、喰らいつくせ』」
俺は使える火魔法の中で、一番威力の高い龍爆炎を放つ。
すると空から炎の龍がゴブリンに向って落ちてきて、すさまじい音と共に周りを焼き尽くしゴブリンを喰らった。
ゴブリンを倒したのと同時に脳内でピロリン♪と音が鳴る。そして音が鳴った3秒程たって女の人...いやウリエル様の声が聞こえてきた。
「おめでとうございます、りくとさん初のレベルupですね」
「ウリエル様?なんで、今何処にいるんですか?」
「今は、神界からりくとさんを見ていますよ、私も一応女神ですので、地上にいる特定の人となら話せるんですよ」
「そうだったんですか、それで...何かあったんですか?」
「そうでした、転生場所の設定をゼウス様が、間違えていたようなので、お詫びをと思って。」
「あれ、やっぱりミスだったんですね。って事は、助けてくれたのはウリエル様だったんですか?」
「はい、助けたというよりこちらのミスですし...っとそれよりゼウス様から伝言です。ステータス見れるようにしておいたから暇なときに見ておいてね~。だそうです。」
「おぉ、ありがたいウリエル様もゼウス様も、ありがとうございます。」
「いえいえ、それでは失礼しますね、『あなたに祝福が訪れますように』」
ウリエル様はそう言って通信(仮)を切った。
「ステータスね...表示しろ」俺が言うと目の前にステータスプレート?が出てくる。
えっとなになに。と、俺はステータスプレートを見て驚愕した。
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名前 結城 りくと Lv86
種族ヒューマン 年齢17
*スキル*
・治癒魔法中級 ・火魔法上級 ・水魔法初級
・体術神級 ・剣術上級 ・クリーン ・翻訳魔法
・簡易食事生成 ・時空魔法初級
*ユニークスキル*
*スキル強奪
*思考分割
*武器生成
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「え?レベル86?…えぇぇぇえ」
周りが『パチパチ』と音をたてて燃える中俺はレベルを見て大声で叫ぶ。