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第三話

館に到着したたかしとシェイル。

しかし、夜が明けたらその館に閉じ込められてしまい・・・

僕は2階なら何かあるだろうと思い、探索した。

しかし、窓はきちんと打ち付けられていてとても出られる状態じゃなかった。

小部屋を色々漁ってみたが、何も見つかりやしない。

すると後ろから声が聞こえた。


「閉じ込められちゃったねぇ~」


聞き慣れない声に振り向くと、妖精が立っていた。

「だ、誰だよアンタ!」僕は腰を抜かして後ずさりする。

「覚えてないかー、しょうがないか。君の守り神って考えて?」

「守り神?」僕はキョトンとする。

「そう、守り神だよ!君をこっから出すために協力する、そんな風に考えておくれよ!」妖精はふわふわと飛びながら僕に話しかける。

「だから、君はボクの指示に従って――――」


「たかし、いいものあったかい?」

シェイルがドア近くから顔を覗かせていた。

「あ・・・い、いまそこに妖精が・・・」震えながら指さす僕。


「妖精?そんなものどこにいるのさ。」


シェイルにはその存在が分かっていないそうだ。

どう説明しても納得いってくれなかった。

あきらめた僕は、ここから脱出する方法を考えるといってシェイルを後にした。



「いいのかい?友達をほっといちゃって。」

妖精は僕の周りを飛びながら執拗に話しかけてくる。

「そんなことより、君が脱出方法を教えてくれると言ったからそれに賭けようと思ったんだ。」

「へー、そうなの。んじゃ、いいことを教えてあげるよ。」

妖精が僕の顔の前に来ると、恐ろしいことを口走った。


「ボクは未来が見えるんだ。

 君が3日以内に脱出したら、君の友達は君に殺され、君は火だるまの刑にあう」


僕はゾッとした。

嘘だ、僕がシェイルを殺すなんて。

だけど、未来が見えるっていうのも信じがたいし、3日もここに居座ったら

食料の心配とかもしなければならない。水も限りがある。

「質問する。僕が3日以上ここにいたらどうなる?」

すると妖精はニッコリしながら言い放った。

「君はどうなるか分からないんだけど、友達は確実に死ぬ。」


どうしてこんなに残酷なことをいとも簡単に言ってしまうんだろう。

僕の味方とはいえ、友達に慈悲の欠片も見せないとは。

しかし、なぜそうなるのかは妖精自身も分からないそうだ。

分かるのは脱出のためにしなければいけない行動3つと、

人の運命が過去の行動で読めるということだという。

僕はこの妖精に従うしかないようだ。


「まず、1つ目のやることを教えてくれ。」

僕は妖精に聞いた。これで脱出できるならしたい、

もしこれで脱出できなかったら、その運命も嘘になるからだ。

「いいよ。でもひとつだけ守ってほしいことがあるんだ。」

僕は黙ってうなずいた。

「このことは、3つの行為が終わるまで友達に話したらダメだよ?」

後がなかった僕は「うん」と返事をするしかなかった。


「じゃあ、まずはあちこちに散らばっている本を本棚に戻し、

 A~Zの順番で並べ、26番目の本を読んで。」


僕はうなずき、部屋中の本を探しに行った。

シェイルのいる部屋に行くと、本を熱中して読んでいた。

僕は横から覗き見した。

「え~っと、エッセンヒルドによる解呪じゅ・・・」

「うわ~~~~~っ!?」

シェイルがびっくりして本を閉じた。

「ど、どうしたんだい?いきなりびっくりしたよ・・・」

僕は「何の本を読んでるの?」と聞いたが、シェイルは、

「い、いや、これは関係ないことなんだよ・・・気にしないでくれ!」

といって本をまとめて本棚のどこかに素早く入れてしまった。

僕はキョトンとしてしまったが、ふと妖精のことを思い出し、

「あのさ、この館じゅうの本がいっぱい散らばってるから、全部まとめない?」

と言った。

シェイルは、「いいね!そ、そうしようか!」といって別の部屋に駆け込んでいった。

1つ目のカギは「本」にあるみたいですね。

続きが気になるように描ける人を尊敬しています。

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