第二話
前回のあらすじ
勇者が当たり前になった世界に生まれた「たかし」。
しかし、たかしは勇者になるのが嫌で仕方なかった。
友達に誘われて向かった先には、館のような建物があり――
「ここは、どこ?」
僕がシェイルに聞くと、自信満々にシェイルが、
「僕の作った秘密基地さ!」なーんて答えてる。
絶対SEでジャジャーンって流れるくらいの勢いで。
僕はその館に入った。
なんか、とても見た目からは想像できないほど中は小奇麗で、
秘密基地、としてはとても豪華なものだった。
「へへん、驚いたろ!僕が昔見つけた館をそのまま利用してリフォームしたんだぜ?」
シェイルは得意げな表情で語る。だが勇者じゃなきゃ(?)これは犯罪だ。
(勇者が何をしてもいいってわけじゃないけど、人のタンスから現金や物をとっていっちゃう勇者もいるわけで・・・)
僕はしばらくの間ここに居座らせてもらうことにした。
食料は保存用しかないらしいが、意外に多く蓄えてあるらしい。
「乾燥しているものばっかりだけど、たくさん置いてあるから安心して!」
ってシェイルが言ってるからそうなんだろう。
館といっても、どうやら2階までしかないらしく、中央に大きな階段があって、そこから壁に沿った通路で小部屋に向かう感じだ。
二人は食事をすまし、館の中を案内してもらい、追いかけっこをしたりして遊んだ。
そんなことをしているうちに夜になったので、僕は自分の寝る場所を教えてもらった。
「たかしくんの寝る場所は階段の影に隠れて見づらいけど、ここだよ!」
シェイルが案内するその先には、確かに影に隠れて見づらいドアがあった。
開けると、いたって普通の部屋が用意されていた。
どうしてここまでしっかりと用意されてるのか、今はそんなこと考えていられなかった。とてつもなく眠くなってきてしまったのだ。
さすがにベッドや布団まではなかったので、僕はソファーに横になって寝ることにした。
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翌朝、僕はちょっと遅めに起きた。
部屋から出ると、シェイルが朝の支度をしていた。
僕はシェイルと食事を摂り、楽しくお話した。
夕方になったのでそろそろ帰ろうと思い、玄関に向かった。
「そろそろ帰るね。じゃあね!」
そう言ってドアを開け・・・
開かない。
「嘘だ、なぜ開かないんだ!?」シェイルが飛びつく。
2人で無理やり引っ張っても開かない。
「んじゃ窓や煙突や穴のあるところ全部見よう!」
僕は走って大部屋の窓や小部屋の窓、すべての窓を見た。
しかし、板のようなものですべて硬く打ち込まれていた。
「たかし、そっちもダメだった?」
シェイルもあきらめた感じでこっちに来た。
窓が全部木の板で硬く打ちつけられていることを話すと、シェイルが、
「こっちも全部ダメ。穴といったら排水口かトイレの流し口くらいだ。」
と、ため息をつきながら言う。
「んじゃ排水口から!」僕は走る。
「溺れる気か!?」シェイルが止める。
「どうするか~・・・」シェイルが悩んでソファーに座る。
僕は立ち上がって、
「ちょっと、色々見てくるよ。もしかしたら抜け道があるかも」
と言い、部屋の中を探索することにした。
そんなストーリーで大丈夫か?
――― 一番いいの(話術)を頼む。