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第3話 「偶然って積み重なるものなのか?」

「よいしょっと」


自分の席に鞄を置き座る。


席はどうやら番号順になっているらしく僕の席は窓側の席から2列目の1番後ろの席だった。僕にとって後ろの席は好きな席だから嬉しい。


ついでに言うと悠菜の席は――――


「……で、なんでとなりなんだよ……」


僕の席の右となりの席は先ほど「大丈夫?」と話しかけてきた園倉悠菜が僕のことを見てニコニコしている。


「そうだね~~、なんでだろう~~?」


と言い、まだ僕のことを見ている。


……なんか気になる……


「あのさ……こっち見るのやめてくれないかな?ものすごく気になるんだけど……」


「こっちってどっち?」


「ここ!」


と僕の席を指差す。


「ふ~~ん、ダメなんだ」


どうやら分かってくれたようだ。ふぅ~よかったよかった。


「……でなんで言った矢先、また僕の方見てるの?」


悠菜を見るとまたこっちを見ている。本当にいい加減にしてほしい……。からかっているのか?それともバカにしてるのか?


「別に春希君を見ているんじゃないよ、外を見ているんだよ」


「外?」


僕は左側にある窓を見る。


「あの桜、キレイだよね~」


今いる1年3組の教室は2階にあるんだけどそれ以上に高くのびている桜の木が1本ある。丁度、満開らしく空から桜の花びらがひらひらと落ちている。悠菜の言う通りキレイだ。……てか、こんなに高くのびている桜、見た事無いぞ


「あの桜、なんていうんだろ~?」


「桜って名前あるの?」


僕は変な発言をしたのか分からないが悠菜は僕の方を向き言う。


「当たり前だよ!桜だって植物なんだから名前あるにきまっているよ!」


なんか……怒っている……しょうがないじゃん!僕、植物に興味ないし……未だに野菜の名前だって全部覚えてないし……


「そ……そう……ごめん」


「い、いや……こっちこそごめんね、急に怒ったりして……」


悠菜は申し訳なさそうに両手を合わせている。


「悠菜って理科、好きなの?」


「えっ?」


「いや、なんか植物に興味ありそうだから……」


「ん~~得意って言ったら得意だし、不得意って言ったら不得意だね」


なんだよ……それ……つまり普通ってことか?


「私ね、桜が好きなの」


「んっ?」


「桜ってピンクで春になるとキレイに咲くじゃん、そしてしばらく経つと花びらが地面に落ちてやがて木に花がなくなっちゃうじゃん?それってすごいさみしいことでもあるけどすごくかっこいい散り方でもある。だから私は桜が好き」


う~~んと……正直、言うと、なに言っているかあまり分からなかった。


「桜って1年間で花が顔出すのは春だけ……か、春が終わったら来年の春に備えて準備をする……か」


僕は桜の木をみながらそう言った。


「?どうしたの?春希君?」


「んっ?いや来年の春……僕は充実した日々を送れているのかなぁ……って」


「??」


悠菜は首を傾げる。


「いや、気にしないで」


僕は丁度、一ヶ月前、決心したことを桜のおかげで思い出したのであった。




みなさんのおかげで100PV達成しました!!

本当にありがとうございます。

次は100ユニーク、そして200PVを目指していきたいと思います。

感想、アドバイス等ありましたらお気軽に書いてくれたらとても幸いです。

では次話で

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