最後の番人
全世界の知恵があるという場所がある。
世界の果ての果て、宇宙の外側というのだが、そこに繋がることができる方法を、俺は見つけた。
夢のような感覚でそこに向かうと、多数の、幾重にも張られた防御機能がある。
ここまでは情報通りだったし、知っている範囲内で解けるものだった。
だが、最後の最後に、場所の入り口となる場所の前に、情報になかった人物が、何か本を読みながら座っているのを見るまでは、余裕だと思っていた。
「……お前、そこで何をしている」
パンッと読んでいたであろう本を閉じた番人は、俺の方をじっと見た。
通路の角にいた俺ではあったが、彼からはしっかりと見つかるような場所だったのかもしれない。
意を決して恐る恐るその知恵の図書館を守る者の前に出た。
「この先にある部屋に用がある者だな」
「……だったら、どうする」
「倒せ、といっても俺は弱いのはわかっている。ここに来るだけでも大したものだ。俺を殺すことも造作もないような者たちが、ここにやってきては見せろと言ってきよった。だが、開けれた者はごくごくわずかしかない」
「どうしてだ」
「俺は3つの問いを出す。お前はその3つの問いに答える。その答えに俺が納得できれば、この部屋はおのずから開かれる。だが、それに納得することができなければ、この扉は永遠に閉ざされる」
その問いというのが問題なのだろう。
「……わかった。では教えてくれ。その問いとはなんだ」
「一つ、足を使わず立つ方法を教えよ。二つ、空の袋からモノを取り出す方法を教えよ。三つ、枯れたる花より種を産み出す方法を教えよ」
まるで禅問答だ。
「どうした、答えれないか?」
ならば、と俺の言葉を聞くよりも先に、パンパンと柏手を打つ。
とたん、その部屋はグンニャリと歪んでいき、俺は夢から覚めた。
それからも俺はこの3つの問いの答えを探している。
今のところ、それは見つかっていない。




