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最後の番人

作者: 尚文産商堂
掲載日:2026/08/15

全世界の知恵があるという場所がある。

世界の果ての果て、宇宙の外側というのだが、そこに繋がることができる方法を、俺は見つけた。


夢のような感覚でそこに向かうと、多数の、幾重にも張られた防御機能がある。

ここまでは情報通りだったし、知っている範囲内で解けるものだった。

だが、最後の最後に、場所の入り口となる場所の前に、情報になかった人物が、何か本を読みながら座っているのを見るまでは、余裕だと思っていた。

「……お前、そこで何をしている」

パンッと読んでいたであろう本を閉じた番人は、俺の方をじっと見た。

通路の角にいた俺ではあったが、彼からはしっかりと見つかるような場所だったのかもしれない。

意を決して恐る恐るその知恵の図書館を守る者の前に出た。

「この先にある部屋に用がある者だな」

「……だったら、どうする」

「倒せ、といっても俺は弱いのはわかっている。ここに来るだけでも大したものだ。俺を殺すことも造作もないような者たちが、ここにやってきては見せろと言ってきよった。だが、開けれた者はごくごくわずかしかない」

「どうしてだ」

「俺は3つの問いを出す。お前はその3つの問いに答える。その答えに俺が納得できれば、この部屋はおのずから開かれる。だが、それに納得することができなければ、この扉は永遠に閉ざされる」

その問いというのが問題なのだろう。

「……わかった。では教えてくれ。その問いとはなんだ」

「一つ、足を使わず立つ方法を教えよ。二つ、空の袋からモノを取り出す方法を教えよ。三つ、枯れたる花より種を産み出す方法を教えよ」

まるで禅問答だ。

「どうした、答えれないか?」

ならば、と俺の言葉を聞くよりも先に、パンパンと柏手を打つ。

とたん、その部屋はグンニャリと歪んでいき、俺は夢から覚めた。


それからも俺はこの3つの問いの答えを探している。

今のところ、それは見つかっていない。

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