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変わるもの、変わらないもの
俺たち野良家は代々、山野家に仕えている。
俺の父親、野良 満熊も山野家頭首、山野 虎影を主とし、母さんや俺を家に残して山野家の城に行ったきりだ。顔も声も覚えていないから、悲しくも無いし、会いたいとも思わない。俺は俺の道を勝手に進む。
俺は主なんかいらない。
一話 変わるもの、変わらないもの
青、空の色。全てを包み込む色
緑、草の色。命を育んでいる色
赤、血の色。死の色、死を連想させる色
こんなにも天気が良く気持のいい日でも、俺たちの国では争い事が絶えない。
飢えを凌ぐために、略奪を始める者、ただ殺しがしたいが為に村を襲った者もいた
いろんな奴らを見て来たが、この国の連中はどいつもこいつも腐った奴等ばかりだ。
野党が村を襲っている、助けてくれ、お願いだ。
土下座までしてくる男を無視できるほど、野良 犬慶は悪い人間ではない
しかも犬慶の住んでいる村から馬を使っても3日間かかる所からわざわざ足を運んで来たのだ、7日は歩き通しだっただろう。男の足はボロボロだった