第7話 逆襲の風華
風華は焦りを感じていた。
光輝を巡る争いで2人に後れをとっていると。
やはり学校で大人気の友美には一目置かざるをえない。
そして美都里の天然だかなんだかわからない言動にも。
ここは積極策に出よう。
そして光輝の注目を私に向けさせると。
翌日の放課後、風華は部室に行くと光輝に声をかけた。
「光輝。鴛鴦茶って知ってる?」
「鴛鴦茶…確か香港だったかの飲みものだよね」
「そう。香港で人気のコーヒーと紅茶を混ぜた飲みもの。
作って一緒に飲まない?」
「いいねえ。レシピわかる?」
「わからない!」
「じゃあ調べようか。なになにエバミルクなるものを
入れるのか。ない場合は練乳で代用か」
「練乳買ってくる!」
風華は外に飛び出して行った。
その間光輝は鴛鴦茶について調べている。
美都里と友美は2人のやり取りをみてたが、
特に変わらず日本茶とハーブティーを飲み始めた」
風華が戻ってきた。
「光輝買ってきた。さっそく作ろう」
「うん。ありがとう。僕が買いに行ったのに。
ところで鴛鴦茶について調べてたけど
レシピがバラバラなんだよ。
つまり自分好みのバランスで作るしかないんじゃないかな」
「わかった。じゃあ試して行こうよ。私紅茶作るね」
「じゃあ僕はコーヒーを作る」
こうして2人でコーヒーと紅茶の量をなんどか変えながら
丁度良い割合を探しあてたのだ」
「甘いけど不思議な味だね。コーヒーとも紅茶とも言えない」
風華も「うん。不思議な味だね。でも美味しい」
こうしてこの日は光輝と風華の鴛鴦茶作りで終わったのだ。
家に帰ると風華はガッツポーズ。
今日は光輝とずっと作っていて楽しかった。
翌日放課後。
「光輝。紅茶の琥珀糖作ってきたんだ。
そして紅茶じゃなくてコーヒーにして
コーヒー琥珀糖も作ってみた」
光輝はいびつな形の琥珀糖を見ながら、
「どっちも美味しそうだね」と言った。
「でしょでしょ。一緒に食べよう」
2人はコーヒーと紅茶を淹れ、琥珀糖を食べたのである。
この2日にわたる風華のアピールに、美都里と友美は目を合わせた。
(あの風華がアピールしてるとは…)
光輝は風華にレシピを聞きながら自分も作りたいと言う。
風華は喜んで、レシピを教えたのであった。
帰りにこの2日静観していた美都里と友美はちょっとまずいと思った。
この分だと明日も…
翌日放課後。
「光輝。どんぐりコーヒー手に入れたよ」と風華
「光輝君。あずきコーヒー持ってきたよ」と美都里
「光輝。蕎麦コーヒー手に入れたよ」と友美
3人は顔を見合わせた。
まさかのコーヒー被り。
風華は予め手配して、美都里と友美はここぞという時の為に
取っておいたのである。
これには光輝が驚くも「みんなありがとう」と満面の笑み。
そしてそれぞれのコーヒーを飲み、1人ずつに感想とお礼を。
この光輝の人柄をみて3人は笑顔になった。
風華は家に帰るとこの3日間を思い出し
楽しくて嬉しい気持ちになった。
でも最後に同じくコーヒーを持ってきた
美都里と友美はやはりライバルなんだなと。
2人も私に負けないぐらい、光輝を好きなんだろうなって。
だったら抜け駆けせずに、正々堂々と勝負をしようと思った。
翌日は学校が休みである。
風華はスーパーへの買い物帰りに光輝とばったり会った。
「あっ光輝。なにしてんの?」
「僕は本屋に行ってたんだよ」
するとちょっとだけからかってみたくなった。
「もしかしてエロいの?」
「違うよ! お菓子作りの本。僕も琥珀糖みたいの
作ってみんなに食べてもらいたいと思って」
「そっかあ。ありがとう。私でよければいつでも
お菓子作りを教えよう」
「えっ。風華が?」
「なにおー。私だってやればできるんだから。たぶん」
「まあその時はよろしく頼むよ。それと風華。
水色のワンピース似合ってるよ」
そういうと光輝は、じゃあと言って行ってしまった。
風華はしばらく動けなかった。
だって今最高に幸せだもん。
2人に負けないぐらい、いい女になってやる!




