10月29日:ダンテ・クスト
「畜生…なんで魔法使いが居んだよ…異能持ちとか運が無さすぎるだろ……」
そう剣を刺された男は捕縛されながら呟く
「こんな風に喋るなら中佐を狙って襲撃した訳ではなさそうかな……」
「もう俺たちゃ捕まるんだろ……」
「ですねー、あんたらの頭領が頭のおかしい強さじゃなきゃ」
「だったら教えろ、あの野郎のことを……なんなんだアイツは!」
………
……
…
「チッ、なんだあいつら失敗しやがったか」
機関車に入ると、中には図体の大きいイカつい男が居た
「なんだ、あんただけか?」
「それはこっちのセリフだ、あの雑魚共を一人で全員やったのか?」
「ああそうだ、で?あとはお前一人だけみたいだな」
「チッ、オレ様も運が悪ィ…」
「降参したら少なくとも命はとらないぞ?」
「…」
…今ドアの影を見たな
「…分かった、降参だ」
そう言って剣を床に放る
「ほら、とっとと捕まえてくれよ」
明らかに誘っている、余程殺傷力の高い武器でも持っているのか…?
なら…
…
……
………
「銃、という武器を知ってるか?」
「…?」
「ついさっきお前らが受けた遠距離武器だよ」
「…あの小さな持ち手だけみたいなやつか?」
「そうそうそれ、数年前にラビス帝国が作った遠距離武器なんだけど…あの人、一人で機構全部解析して何時でも作れるようにしたんだよ」
「ハァ?」
「魔法ってのはなかなか難しいのはお前らもわかるだろ?頭に思い浮かべた形を作り出すってものだし、口に出すのもイメージを補強する意味合いが強いし」
水蛇を思い浮かべながら彼は続ける
「でもあの人は銃という複雑な機構を持つものを何時でも作れるようにしたんだ、例えるなら何時でも同じ味のクロワッサンを作れる感じかな」
「だからあの人は、こう呼ばれてる」
………
……
…
「そうか、物分りのいい連中は好きだぞ?」
開いたドアの前に歩き始める
「やれ!」
はやいな、ドアから突き刺すってことか、なら…
「鉄板」
「なっ」
ガキン!
弾けた…が衝撃がかなりキツイな、どんな刺突力してるんだ
「テメェ魔法使いか!」
急いで剣を拾おうとする頭領、なら武器は他にない
「素手で来てんだからとっとと気づいとけ!鉄柵!」
体から伸びる鉄棒でドアの裏の敵を封じる、そして…
「炎手」
その鉄棒から火を出す
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」
「ロザ!!!」
「これであとはお前だけだ」
「テメェ!!!!!」
「鉄銃」
一発装填、狙うはその腹…
パァン!
「ウゴォ!」
「お仲間が心配ならアンタも一緒に行けばいい、もっともアンタは生き残りそうだが」
…「銃析のダンテ」と