11月9日:大通りの戦闘
胸元から予備の短剣を取り出す
右目は無いから分からんが左目は見えたな
なるほど赤目、炎魔法の適性が高いと
「炎射」
「チッ、範囲攻撃か」
手から放射状の炎が撒かれ、奇襲者の姿が見えなくなる
逃げる為の打ち方じゃない、間違いなく俺を動きにくくさせるための動き……
「昇波!」
地面から突き上げるように水を出す。またしても大きな蒸発音と同時に今度は土煙も舞う
正面の選択肢は絶った、さて……どこからくる
「石鎖」
声は左から!
ここで捕らえきる!
「水蜘」
左へ短剣を投げるため腕を振る
振り切る刹那。左の更に左……後方の頭と同じ高さに影が見えて……
「ッ!土!」
左肩から無理やり土を伸ばす
しかし曖昧なイメージの魔法では飛んできた魔法を受け止めきることは出来ない
衝撃は弱まったものの、左頬に石の礫が直撃する
「ガッ……!ッてぇなぁ!」
「頑丈だな、決めきれたと思ったのだが」
「お生憎様、数日前までこの程度じゃすまない場所にいたもんでなぁ」
「……」
さっきからコイツ……何を狙っている?
俺を殺そうとしているようにも見えるがそれにしてはいちいち打ってくる魔法が雑だ
逃げたいのかと思えば今の俺を殺す為の連携……
殺せるなら俺を殺したいが……それ以上に重要なことがあると?
……確認するか
「そらッ!」
短剣を正面に投げる。奇襲者は……左に避ける
左……今の立ち位置だとあるのは俺たちが調査してた被害現場……待て
狙いは魔法陣か!
「範・逆波!」
壁を伝って巨大な水の壁を作り出す
奇襲者は気づいたのを察したのかそれを無視して通り抜けようとするが……水の壁に弾かれる
「……硬いな。なるほど、水を硬質化させる……これが貴様の異能か」
「正確にはちと違うが、大体はそうだ」
「目的に気づかれた以上ここで始末しておきたいが……潮時だな」
奇襲者の後ろに衛兵が続々と集まっているのが見える
トジが上手くやってくれたらしい
……来たな
「逃がすと思ってんのか……?」
「無理はしない方がいいぞ、それだけの魔法を使えば疲弊しているだろう?」
「そう思うんならそうなんだろう……お前ん中ではなァ!」
短剣と隠し持っていたダガー、合計して3本を三角を作るように投げる
「三・水糸!」
「悪あがきか。ご苦労な事だな軍部の犬め」
「埋水」
短剣とダガーに繋げた水糸同士の空白を埋める
敵はここだと分かりやすいように
「なんだ?全く届いていないぞ!」
奇襲者は路地裏へ向かって走り出す
「いいんだよこれで!やれ!」
「なに!?」
「鉄銃」
破裂するような射撃音が一発街に響く
奇襲者の右足に穴が空いた




