11月9日:調査継続・新規の被害
「ん……?あっ、リヒデンさん!」
「よぉトジくん、今から大丈夫かい?」
トークルは情報共有や調査の手伝いを依頼するため、トジの元へ向かった。
当然快く承諾してくれたので、一先ず炎の扉の話を確認するため例の被害現場へ向かっていた
「とりあえずダリくんの借りてた本がこれだったんだが……なんか分かるか?」
例の本を出す
「はい?これがっすか?」
「俺たちと同じ反応ってことはやっぱ思い当たることはなんもない感じ?」
「そうっすね……突然目覚めた可能性はまぁ正直否定できないですけど。アイツパン作りを極める!とか言ってたんで竈から作ろうとした可能性はまぁ……はい」
日曜大工の本を借りる可能性はまぁ無いとは言いきれない程度か……やっぱこれはハズレか……?
「ああそういや、本絡みで昨日のことも話しとくべきか……図書館で会った時に行ったらしいガキ共探してるって話したじゃないっすか」
「ああ、確か図書館に絶対来ないような子まで居たって話だったか」
あの図書館は4階まであるかなり大きめな図書館だが、それ故本の分け方も丁寧だ。ある程度集まっていることだろうし、流石に何人かは見つけられて情報を……
「誰一人として見かけなかったです」
「あ?」
「本当に、図書館に行ってるって聞いた奴らは誰一人も見かけなかったっす」
「その子たちは今日は?」
「見かけてないっす。今朝集まってた奴らも同じでした」
子供たちが集団で行方不明……?
「その子たちの身元は分かったりするか?」
「多分偶然じゃないと思うんすけど……揃って保護者が居ません」
「マジかよ」
トークルは頭を抱える。
それはそれで大事件だ
身元不明の子供たちが集団で行方不明……しかも同じ場所に行ったと言った直後に……
報告してこっちの件も調査の話を上げなきゃなら……いや、まて、まさか…
同じ犯人か……?
「リヒデンさん考えてるところすんません。ここがダリの住んでたパン屋の跡地です」
「ん。おお、ここが……」
ダンテから聞いた通りではあったが本当にもう何も無い……
「本当に修復不可能どころか雨宿りすら出来ない焼け跡だな」
「ええ……たしか扉の位置は……ここだったか」
トジは正面から少し右の位置を指差す
「……確かに扉があったっぽい枠があるな」
「炎の扉もここにあったんすよ、ここの窓枠と比べてもらったら分かると思うんすけど焦げ跡が酷いんすよ」
トークルも見て納得する
窓枠の方は塗装が禿げている程度ですんだ部分もあるが、扉の方は全て黒に染まってしまっていた
「少なくとも扉の炎が強かったってのは確かみたいだな……」
「なんか分かります?」
「流石に俺も聞いたことがない事例だ、もうちょっと確認する……ん?」
なんだ?扉のあった床板に刺さって……曲がった釘?
「トジくん?ここのパン屋って入口でよくコケたりしてる人居なかった?」
「?なんすか?居なかったっすけど……」
「これ見てくれ」
トジくんにも釘をみてもらう
「うわ、そんな所に刺さりきってない釘なんてあったんすか?」
「ああ、でもこんな引っかかりやすそうな釘なんて誰か一人ぐらい転んで気づくだろ?ってことは……」
トークルは床板を引っ張る
すると、他の固定していた釘もしっかり刺さっていなかったのか直ぐに取れてしまった
「やっぱすぐ取れたな、さて下には何が……」
トークルは目を見開く、そこにあったものに見覚えがあったからだ
あの場所で何度も見て……そして……
「そういうことかよクソッ!」
「なんかあったんすか!?」
トジは勢いよく聞いてくる
「ああ……ただこれがあるとなると不味いな……」
トークルは床板の下から、変な紋章が刻まれた分厚い布を取り出す
「コイツは……魔法陣と呼ばれるものだ」




