10月29日:腕に剣と弾を
「鉄銃」
そう唱える、左手から鉄が生えてくる、細かく形が作られて、そうして1つの銃を握りしめる
弾を一つ装填し、走ってくる男の剣を持つ右腕を撃つ
「がァっ!?」
ヒット、腕はまだまだ落ちていないみたいだ
「コイツ!」
魔法の残存時間はおおよそ15秒、このうちに3人は無力化しておきたい、弾を2発込めて剣をおとした男のふくらはぎに一発
「オァァ!?」
「そして…」
ドアの前に居る人質をとっている男を狙う
「ヒッ!」
もう1人の敵は椅子の影に隠れている、助かるよ
狙うのは女性を抱えている重なっていない部分の肘……
パァン!
「イデェェェェ!!!」
ヒット!いいねぇいいねぇ!
だが時間切れで銃はそろそろ消えてしまう、即座に横の男が落とした剣を拾いつつ走る
「く、来るなら来やがれ!」
流石に走ってくるのに気づかれたか、椅子の影から出てきている。
だがこの剣は要らない、邪魔になりかねない道中の男の左腕に返却だ
「ギャァァ!!!!」
「なっ」
流石に肉弾戦は想定外だったらしい、へっぴり腰になって剣を降ろしかけてしまった残り1人に右手を握りしめる。
「鉄腕」
腕を覆うように、鉄製のグローブが形作られていく
「フンッ!」
「オゴォ」
顎を殴ったから暫くは立てないだろう、もし死んでしまってもそれは自業自得だ
後は人質を取っていた男を鉄腕が残っているうちに殴って…
「水蛇!」
扉が吹き飛ぶ、一緒に最後に残っていた男も吹き飛ばされた
人質が自分から離れていてくれて本当に良かった
「皆さん大丈夫ですか!?」
「あと少しで人質が大丈夫じゃなくなるところだったぞ、大尉ッ!」
左手で殴る、おっと銃が消えているか確認してなかったな、消えていてよかった
「いてっ、って中佐!」
「ちゃんと確認してからと前にも言っただろう」
「それはその通りです…」
一般市民を巻き込みかけたからか、普段より反省しているようだ
「はぁ…まぁそれは今する話じゃないな、そっちはどうだった?大尉」
「はっ!私は最後尾の4号車に居たのですが、2名からの襲撃を受けこれを撃退、2、3号車はそれぞれ1人しか居らず、それも撃退、そして今1号車に着いたところです」
首を狙ってくるのもいれば怯えて剣を下ろしてしまう…こうも腕に差のある連中がトレインジャックを実行するのに8人とは考えにくい…
「ふむ…なら運転車両にもう1グループありそうだな」
「私もそう思います」
「運転車両は大尉の威力だと最悪事故に繋がる、ここは私が行こう、犯人共の捕縛は任せた」
「了解しました!」
残りの弾数は2発…もう少し持ってきておくべきだったか