11月8日:外出
少し駆け足で玄関へ向かうと、トークルとクルスが少し話をしながら待っていた
「お、やっと来たか。お前が遅刻なんて珍しいこともあるもんだなぁダンテ」
「クフェル中将に声掛けられてたんだよ……お前知ってて言わなかっただろ」
「ん?クフェル中将?……言ってなかったっけか?」
コイツマジか……列車に乗ってる時にでも言ったと思ってたのか……?
「ただの伝え忘れかよ……ハァ、まぁお前とセネアによろしくとさ」
「了解了解……」
「ごめんねクルスさんも、ちょっと遅れて」
「大丈夫よ。それでさっきこの人から聞いたのだけど……今日は町に出るの?」
トークルに顔を向ける
指先でバツを作っている
多分調査のことは伝えていないのか?
「ああ、今日はちょっと図書館にいけることになったからね。そこである程度この場所の事とかを知ってもらおうと思って」
「わかったわ。ずっとここにいることになるのかと思ってたけど……案外外に出られるのが早かったわね」
トークルの方を見る
グッドサイン、よし
「よし、じゃあ行こうか」
………………
…………
……
思っていた通りというか、想像以上というか
クルスは色々なことに興味を示した
「あれはなんて言うの?」
「これは?」
「あの食べ物は何かしら……食べてみたいんだけど……いいかしら?」
「美味しそうな匂い……」
3割ぐらい食べ物に興味を示していたが
まぁ、そりゃ食べ盛りな時期か
……
…………
………………
「よし、着いたぞ」
ラメル公立図書館。国内でも一・二を争う面積を持つ大図書館だ
蔵書数も我が国で誇れるほどのもの……だったのだが、大暴動の影響で2割程の書籍が行方不明となってしまった悲しき歴史も残す図書館である
「……寝どまりさせてもらってたところもそうだけど、やっぱり私がいた場所と比べると規模が違いすぎるわね」
「嬢ちゃんの所にもあったのかい、図書館」
「だから……はぁ、もうそれでいいわよ。……そうね、図書館というか先祖代々の書物を集めてる場所だったけれど。広さも横の建物と変わらない程度よ」
「「思ってたより大きい」ね」
「……とりあえず先行ってくるわ、ちと待っててな」
トークルが先に中に入っていった。先に司書さんに話を伝えてある程度の協力を頼んでいるようだ
「……ねぇ、ダンテさん」
クルスが少しばつが悪そうな顔で話しかけてくる
「どうしたんだい?クルスさん」
「なにか……私に隠してることってあったりする?」
結構勘がいいな……火事の調査のことか?それは別に言ってもいいんだが
「んー……ない訳では無いね」
「そう……じゃあそれは私が絶対に必要だったりする?」
「ん?それはどういう……」
「おーいダンテェ!問題ねぇぞー!」
トークルが図書館の入口から呼んでいる。タイミングの悪いやつめ……
「呼ばれたみたい、この話は聞かなかったことにしてもらっていいかしら?」
「いや、うん……?ま、また後で聞かせてくれないか?」
「ダンテェ?どうしたー?」
「ダンテさん?行きましょう?」
「ああすまん今行く!」
……クルスは何を気にしてるんだ……?




