11月7日:調査1日目・結
「……んで、そのトジって奴と火魔法を比べた結果は?」
「俺の刧炎の方が火の勢いは強い、が性質が丸ごと違うように感じたらしい」
「そうなってくるとますますその場に犯人が残って魔法使い続けてた可能性のが高いんだがなぁ……」
トジと火の強さを確認した後、ダンテは今日の調査を止め基地に戻ってきていた。
「まぁそれは後でいいか。そんで?なんかいい感じの成果はあったか?」
「とりあえずは明日以降の調査場所が増えたことぐらいだな。ダリくん関連で図書館と……やっぱり例の燃え続ける扉について」
「一応、先に現場には行ってたんだろ?そん時はどうだったんだ?」
「何もなかったな……本当にただの火災現場跡って感じだった」
「謎が増えるばかりじゃねぇか……」
二人で考え続けてみたものの、結論はやはり出ないままにとなった
「これはもう明日の調査に期待するしかないか……そっちはどうだったんだ?」
「クルスのことか?正直思ってたよりは問題はないな。魔法の知識も一般レベルにはある、が……」
「どうした?」
トークルは少し言葉に詰まったらしい、何かあったのか?
「……いや、そうだな。お前はほとんど魔法使いしかいない土地って想像できるか?」
「魔法使いが集まったじゃなく?」
「魔法使いのみと言っていいほどの土地だ」
「それは……難しいな」
魔法使い、それは他者に比べ魔法の扱いと出力量に長けた才能を持つ者を指す言葉だ
人は誰しも蝋燭に付ける程度の火魔法や顔を洗う程度の水魔法を使える……当然例外が無い訳では無いが
しかし10秒で大木を覆えるほどの火魔法や家1つを凍らせきる氷魔法を使えるものはそういない
そういった魔法の才能を持つものを畏怖と尊敬を込め、魔法使いと呼ぶ
「軍学校全体で見ても1割程度なんだ、3割位なら呑み込めるかもしれんが……9割以上?」
「ああ、それがクルスの生まれ育った土地だそうだ」
「それは……凄まじいな」
「そうだろ?今日わかったクルスについての結論を纏めると、文字や魔法の基礎知識については問題はない。問題があるのは……」
「クルスの一般常識の方か……」
それはやはり問題だ
最終的に彼女を一般人にするのが俺たちで保護する理由である以上、安心に暮らせる土地と人の次に重要な要素だ
「ああ、だからよ、明日からは座学を続けるより、俺たちの調査に多少付き合ってもらいつつある種の校外学習ってことにした方がいい」
「その心は?」
「一般常識の確認とかもそうだが……そろそろクルスにここ以外の知識を教えとかないとクルスがここを家と覚えかねん!」
………………
…………
……
ダンテと情報交換をした後、トークルは一人部屋に残り考え事をしていた
「ハァ……やっぱ言っとくべきだったかねぇ……クルスの視点について……」
俺はダンテにこのことを言わずに話を終えた
理由は単純だ、これを伝えればダンテは間違いなく捜査を命を削ってでも行うだろうということだ
「知り合いが全員死んだ末の絶望による達観なのか……あの子が住んでいた里での死生観だったのか……どっちか分からんが、全てを過去と一蹴するのは14才程度の年齢で持ってちゃいけねぇ考え方だ」
……とはいえダンテに伝えれば、同情した結果命を捨てる勢いになりかねん
「クルスもアイツも……生きる目的を失ってるからなぁ……」
とはいえ今はもう夜の10時、そろそろ寝ないと明日に響く
今日の昼に頼んだもんは明日には届くだろう
今回から本編で話せないことを後書きにたまに出すことにしました
だって……説明がダンテ達の目線だと無理!
その1
この世界では基本誰でも魔法が使えるため、マッチやライターは発明されていません。
ただ魔法では維持しにくいものとして氷があります。
氷魔法は消えるとその場所に冷気を残すだけなので氷を残し続けるのは難しいんですね。
水を冷やして氷に変えるのは出来ますが一般的な出力では一欠片もできずに冷えた水ができます。
しかし氷魔法使いは部屋ごと冷やす出力で氷魔法を使えるので氷を作ることが容易になります。
なので氷魔法使いは国に雇われ、氷売りとして働いていたりします。




