11月7日:そのひの確認
二日連続でこんなに書けることがあるんか……?
長屋の中は外から見るより少し綺麗だった
奥まった部屋にある長机の椅子に案内され、3人で座って話を始める
「んじゃ改めて、オレはトジ・フリスだ」
「こちらも改めて、ダンテ・クストだ」
「よろしくなクストさん。んじゃいきなりだが……あの日の事だな?」
「ああ、何か少しでもいい。情報になりそうなことなら何でも構わない」
トジは思い出すように顔を下に向けながら話し始める
「まず……オレはあの火事が起きるまではずっとここに居た。ここは近所のガキ共の溜まり場になっててな、身寄りがあるやつもないやつも混ざって集まってるもんだからオレが世話を強制的に押し付けられてる感じなんだが……」
「君が……子供の世話をしてるのか?」
少し疑問を感じたのを気づいたのか、ゴマノさんが答える
「この辺は10年程前の大暴動の影響で孤児院がどこも閉鎖しちゃっててね。軍もちょっとは動いてくれてるんだがなにぶん戦争の方もあっただろう?そのせいでまだ困窮した身寄りのない子供たちが集まって暮らしてるんだよ」
大暴動、確か俺が軍学校に入る前に起きた軍部のクーデターの影響で発生した暴動だ。それまで王政だったのが軍政になったきっかけの1つだったはず。
その影響がまだ残っているのか……
「オレもそのうちの1人だ。ただオレは半端に魔法の才能があったせいでそのまとめ役にさせられたし、それを今も続けてるんだが……」
「それは……すみません」
ダンテは少し責任を感じ、頭を下げる
「いやいや、貴方が頭を下げる必要はないですよ。それにこれは我々にも問題がありましたので……」
「まぁそれは今いい。で話の続きだが……今回焼け死んだ奴の1人……ダリってガキがたまにここに来てた」
話を聞いて回っていた時にも出てきていた子だ
「その子の知り合いにはもう既に話を聞きに行ったな。確か最近は図書館に通っていたと聞いたんだが……」
「誰に聞いたかわからんがそれであってる。パン屋の息子だってんで売れないパンをオレたちにたまにちょろまかしてくれてたんだよ。……ただ最近はそっちの聞いた通りなんでか図書館に通い始めてな、別の方法でガキ共の飯の種を探したりもしてた」
「どれぐらいから?」
「およそ1か月前だ。……ゴマノのおっさんなら理由知ってたりするか?」
「いや、私も知らん。だが何を読んでたかは図書館へ行けば分かるかもしれん」
およそ1か月前……ボヤ騒ぎの発生時期とは被っている
「少し関連がありそうだな……後日調べに向かうか」
「まぁ何か発見になったならいい。とりあえず話を続けるぞ……その日の夕方にガキ共が8人ぐらい慌てて走ってきてな、全員が口を揃えて『ダリの家が燃えてる!』って叫んだんだよ」
トジは顔を顰め、話を続ける
「あんたも焼け跡に行ったんだったら分かるだろうが、そりゃ酷い燃え方をしてた。オレが来る前に7……9人だったかが水魔法で消化を試みてたが全然ダメだった」
……思い出してきたのか、トジの手に力がこもり始めたのを感じる
「先に断言しとく、アレはしっかり計画された放火だ」
パン屋であれば竈など火を使う関係上火事、ボヤ騒ぎはありえない話では無い。しかしトジは放火、しかも準備されていたものだという
「今回の火事現場で火が強い場所が何部屋かあった。当然その部屋には燃えやすいものがあったから激しく燃えたんだろうが……1箇所だけありえない場所、いやものがあった」
「それは?」
「店の入口のドアだ」




