11月7日:トークルの魔法講座①
ラメル軍基地、訓練場
「と、言うわけでだ嬢ちゃん。今から魔法のお勉強タイムだ」
「何がという訳でよ、後そろそろ嬢ちゃん呼びはやめてくれないかしら!」
今日彼女が起きてからトークルが嬢ちゃん呼びをし続けて10回程のことであった
何より彼女は先程からコロコロやることを変えられており、少しイラついている
「へいへい、分かったよクルスちゃん」
「だからちゃん付けも……はぁ、もういいわよ。で?なんで国語からいきなり魔法の勉強になるのよ」
「いやな、とりあえずさっき文字書いてもらったろ?そしたら今俺たちが使ってるものと大差がなくてな」
「だから国語は問題ないと思ったわけね……」
正確には少々古めかしいものだったのだが、トークルは支障はないだろうと判断した
「ああ、残りの細々した名称とか慣用句とかは都度聞いてくれりゃいいって感じるぐらいには問題なさそうだからな」
「そう……じゃあそうさせてもらうわ」
「おう、存分に聞いてくれよな……って訳で次は魔法の勉強の始まりだ!」
トークルはパチパチと手を叩いて始める、明らかに通りすがりの兵士が奇異な目で見ているのをクルスは感じていた
「じゃあクルスちゃん!まずは知ってる知識を教えてくれるか?」
気づいてないのかガン無視なのかトークルはクルスに話を振る
「さっきもだったけどそのテンションの高さはなんなの……?ええと……
①火・水・氷・土・雷の5属性が存在する
②魔法は身体(着ている衣類や持っているものも含む)から発生する
③魔法の適性や生成量は個人によって変わる
④魔法で生み出されたもの自体は全て15秒程度で消失する
⑤魔法で出来た影響(燃え移る等)は残る
⑥稀に5属性の内1つに異常な能力、異能が付与される人がいる
……こんなところかしら?」
トークルは少し教えることが少なくて驚いたような楽になったような顔をする
「思ったより魔法もちゃんと理解してるな……いや昨日のあの戦い方の時点で察するべきだったか?」
「里だと魔法を全然使えない人の方が少なかったからこのぐらいは知ってるわよ」
「えっ」
トークルは目を見開いて驚く
「えーっと……どのぐらい……?」
「使えない人を数えた方が早いわ、えーっとそうね……里の人が86人で……使えなかったのが……ペルポとオスアと……」
少し不味いと思ったトークルは手を伸ばして制止する
「ちょ、ちょっと気になるが待ってくれ」
「え?どうして?」
「……里の事を思い出しても平気か?」
戦争を味わったダンテでさえ家族と幼なじみを失ってあの疲弊具合だ、それがまだ少女と言える年齢で、しかもダンテの被害より明らかに大きな被害とあれば尚更疲弊してもおかしくはない
しかしクルスは少し悲しげな顔をしただけで
「だって……もう終わっちゃったことだから」
彼女はソレを過去と言い放った




