11月6日:軍と人と思うこと
2人は少し頭を抱えた
「あ〜……まぁそりゃそうくるよなぁ」
「邪魔をする気はないわ、確かに里を襲った奴は許せないし……殺したいほど憎いけど……」
「けど?」
「今の私には居場所がないし、あの村以外での暮らし方も分からない」
「……嬢ちゃんは被害者だ、境遇のことも考えれば軍部が色々便宜を図ってくれる」
「……それでもあなたたちの方がいいと思うの」
「ふぅ……分かった、少し待っててくれ」
2人は目を合わせて部屋から少し離れ、廊下の影で話を続ける
「どうする?」
「……俺はあの子を連れていってもいいと思ってる」
トークルは目を見開く、意外な反応だったらしい
「そりゃどうしてだ?」
「今のあの子には知り合いと居場所と……生きる意味が無い。軍部に預けた場合で考えてみたがあの魔法の強さだ、確実に軍に入る……入れられるだろう」
「……まぁそうなるだろうな、軍学校に入ればトップ層は確実、首席まで有り得る出力ではある」
「そうなったら生きる意味を見失っているあの子の幸せは本来得られたものじゃ無くなる」
「俺だってそれは望まん、だが……」
少し言葉に詰まったのか口を閉じ、意を決したのか口を開ける
「……だが一つ聞かせろダンテ、お前はあの子まで復讐に巻き込もうとは考えてねぇよな」
トークルは少し殺意も混じったかのような目で問う
あの子まで巻き込むなら自分は付き合わんと言うように
それに対して俺も正面から答える
「ないさ、ただ……流石に今回の件にはどうしても触れなきゃならん、証人だからな」
沈黙が廊下に木霊する
「……はぁ、分かったよ。実際、今回の犯人がお前の復讐相手かは分からんしな」
トークルは少し不満を残しつつも納得してくれたらしい
これで結論は出た、部屋に戻ろうと足を進めた瞬間トークルは釘を刺すように
「ただこれだけは決めとくぞ。今回の件が終わってようとなかろうと、どこかであの子の新しい居場所が出来次第俺たちは手を引くこと、それは最低条件だ」
そう言い残した




