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ベルリンの壁 東と西 もう一人の私 双子の妹は何処に?

冬の季節 アドベントの中で 私はいつも思う

アドベントの中で 雪の降る中 街のクリスマスの飾り付けは美しく

何処からか誰かが引くアコーデイオンのクリスマスの曲が彩りを加えていたのだ。


私の半身、同じ顔をした双子の妹は何処にいる?


ドイツは第二次大戦後、二つに分断


西ドイツと東ドイツ ベルリンには分断された大きな壁‥東から西に逃亡すれば

失敗すれば銃で撃たれる事も‥処刑も‥


母は双子のもう一人の私、妹を連れ去った

本当は私も連れて行きたったらしいけど‥‥


多分、母の本心ではなかったけど 戦争での大混乱、立場の事情 


母が心ならずも 敵に協力した罪で裁かれる可能性に 

夫、父親の不遇、戦争で失った父の会社 そうして暮らしに母は絶望していたのだった。


長い月日が過ぎても 私の愛しい半身、 双子の妹の行方は知れずに


楽しかった日々 春にはイースター、夏には避暑地でのボート遊び

同じ寄宿学校 冬にはアドベントの訪れとともにクリスマスのお菓子を準備して

鏡に映したのような二人の顔 違いは妹の泣きほくろ‥目元の下にある黒子だけ



妹たちが去り

私の少女時代が過ぎ、私は恋人と結婚 子供が生まれ‥


鏡を見れば映る姿は私の姿‥妹は‥どうしているのだろう?

妹の姿は同じだろうか?東ドイツは西より、規律が厳しく、生活も

食料も必要なものも不足がちで配給制だとも

繊細な子だったから やつれて病にでもなっていたら・・


そうして、また月日が過ぎて、壁は崩壊 私にとっては世界は新しくなって

孫の笑顔に癒される日々に‥


或る時、偶然得たのは妹からのふみ愛しい私の妹よ

ほんの偶然


部屋にはクリスマスの音楽がレコードから奏でられてゆく

もみの樹 クリスマスツリーの飾りが微かな音を立てる


涙がそっと流れ落ちて‥深々とまたアドベントの季節の中で雪が降っていた。




ふたご座満月 前後の時間 12月吉日 初稿

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