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chance!!  作者: カナ倉
2/6

2:現実と夢

「ここはどこ?」


「あら、たてる?がんばってたってごらん」


「先生?」


そうか、あの時保育園の事を思い出してたから、こんな夢をみてるんだ。でもいつ考えても、この時は恥ずかしさよりも楽しさの方が大きかったかな?

それより、なんか膝痛い。

ふっと足元に目をやると、自分の膝からにじみ出るようにドス黒い血が流れ出ていた。

それとともに体は小さくなっていて、まるで保育園生のようになっていて…。


えぇっと…これは?夢だと思いたいけど、リアルに痛い。あ、そーいえば。最近の夢は進化して、リアルになったんだ。そうかそうか。



………何か悲しくなってきたからやめよう。



ま、これはどっちみち夢だしぃぃ…。今は必死に走るとしよう。うん。決意を固めると、


すぐにパァン、と音が鳴った。


そして、今更気付く。

体力は、今の私のままだと言う事に。


結果、転んだくせに一番でゴールへ。しかも保育園生とは思えない速さで。


みんな唖然。


そりゃそうだ。でも現実じゃないし。私に都合よく動かされてる、私の夢。


「いっ…一位は伊紗乃ちゃんです!」


先生の声がうわずる。ははっ、この先生意地悪で有名だったし…まぁ、ザマァって所で。


やはり思考回路も今のままのようで。


(だから、何べん言えば分かるのかのぉ。これは夢じゃのうて、現実じゃ)


あ、あのジイサンの声。何々?私、ジイサンになんか悪い事した?

ってか、さっきから何なの?現実、現実ってさぁ。いいじゃん、今くらい現実逃避させてよ、意地悪。


(人生やり直してるのに現実逃避してどうするかぇ?ま、とりあえず、頭を整理すると良い)



結局、あのジイサンは何?これは本当に現実なの、それとも夢?


「あぁ、もうわっけわかんね。とりあえず、頭整理しないと」


ジイサンは現実って連呼してた。けど、あのジイサンが嘘ついてるかもだし。私に恨みを持ったジイサンの幽霊かもだし。いろいろ考えられる訳だけど。


(まだぐじぐじしてるのかの。情けないのぉぉ。時間は無いのじゃぞ。

それに、幽霊って…ワシ、ワルモン?)


疑問系かよ。ってか時間無いって?


(まだ状況が把握できて無いようじゃな。この時、何が起きたか…じっくり考えてみぃ)


ふぉふぉふぉ、と笑った自称神様ジイサン、略して自ィじぃかみは引っ込んだ。

…何が起きたか…それはなんとなく検討がついた。

けどこれが現実だったら、本当にやり直す事が出来るのかなぁ?

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