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僕達は天使だった
むかしむかし大昔
イカロスという男がいた。イカロスは当時『神』と呼ばれるものを一切信用せず、周りの人間から『罰当たり者』と疎まれていた。
あるときイカロスは『神』の存在を確かめようととんでもないことをしようとする。なんと、鳥の羽を集めて蝋で固め、『翼』を作り空を飛ぼうとした。
赤、白、青、黄色、緑・・・様々な色の羽を集めて作った翼を両手に持ち、イカロスはついに『神』とやらがいるであろう空へと飛び立った。人々の罵声や中傷など気にもとめず彼は天に昇った。高く高く舞ったイカロスを待ち受けていたのは『神』の怒りだった。
天から降り注ぐ灼熱の光はイカロス諸共大地を焼き、死の大地へと変えてしまった。僅かに生き残った人類は住む場所を求め宛もなくさまようこととなった。
翼を失い地上へ叩きつけられたイカロスは今際の際に
こう遺した。
『待っていろ、いつか必ず俺達はそこに辿り着く』