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宮様は朝廷をどうにかしたい  作者: 羊の皮を被った仔羊
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伊賀と甲賀

慧仁親王 京都大原 1522年


「作兵衛、相手をありがとう」

「いいえ、大した事では御座いませぬ。先ほど甲賀の鵜飼殿がいらっしゃり、ご一緒に殿下をお待ちしています」

「うぬ」


 部屋に入ると、そこにはまだ20代と思われる青年と10代と思われる少年が居た。

 いつもの通り、目を見開き驚きを隠せないで居る2人に作兵衛が頷くと平伏して挨拶が始まった。


「謁見有り難く存じます。某、伊賀の服部家が頭領、服部半三に御座います」

「お初にお目にかかります。甲賀頭領鵜飼孫六に御座います」

「うぬ、慧仁だ、面を上げよ」

「はっ」

「遠い所をご苦労。半三、今日は服部家の頭領として来たのか?伊賀者の代表として来たのか、どっちだ」

「伊賀の忍びを代表して来ました」

「うぬ。では、伊賀者で戦働きが出来るのは何人だ」

「はっ、180人前後になります」

「分かった。して、甲賀はどうじゃ。戦働きが出来るのは何人だ」

「はっ、200人くらいに御座います。

「うぬ、実はな、伊賀者・甲賀者を俺の家臣にしたい。もちろん半三、孫六2人は直臣だ。考えてはくれぬか」

「して、条件は」

「鵜飼殿!」

「よいよい、そうだな、直臣の2人はまずは従五位だな。従五位左近衛権少将だ。さすがに手柄を立てねばそれ以上は無理だな。もちろん禄も出す。どうだ?」

「えっ」

「えっ、官職まで頂けるのですか?」

「うぬ、俺の直臣だ、当然だ。政が出来るなら半国くらいは下賜出来るが」

「いえ、忍びは表に出ない故の忍びに御座います。されど、他国へ使者として行く時は官職が有ると助かります」

「うぬ、では従四位上を約束しよう。今川より上だ、ハハハハハ」

「有難き幸せに御座います。粉骨砕身努めさせて頂きます」

「うぬ、励めよ。では早速頼みたいのだが、甲賀は越前・加賀、伊賀は能登・越中の一向一揆に人を送り込んで情報を集めてくれ。特に農民の代表者の情報が欲しい。後は、2人に連絡が取れる様に、俺に誰か付けてくれ」

「畏まりました」

「畏まりました」

「では取り掛かってくれ」

「「はっ」」


「一向一揆ですか」

「陛下が宣下くだされたのに、抵抗している様だからな。朝倉と長尾に手紙を出す。雅綱頼む」

「御意」


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 従五位だけでなく 従五位下 とかにした方がよいのでは?
[一言] 今川さんには乱波と蔑んでいた人間より下の官位になった気持ちを聞きたい(笑) NDK!NDK!!(笑)
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