良くも悪くも戦国時代なのだ
慧仁親王 大坂城 1522年
軽くブレイクタイム。お茶を啜りながら暫し考える。
「問題は、誰を残して、誰を切るかだ。道州制を敷くとして、その数12〜15。残れる家はそれだけだ。実は尼子を残すか切るかだけなんだ。後は今決めた」
「尼子ですか。では、何故、尼子を切るのかお聞かせ下さい。」
「ここ数年、1番領地拡大に積極的だったのが尼子だ。つまり、民の命を1番軽く考えてるのが尼子だ」
「では、何故切れませんか?」
「代わりに任せられる人材が居ない」
「なるほど、それは痛いですね」
「いや、閃いた! 今川だ! 今川の領地替えだ! 偽公家だ、良い様に言い含めれば。そしてその内側に一条を入れよう」
「なかなか宜しい様で」
「やはり相談役は必要だな。誰かに話すだけで考えが纏まる。元長、ご苦労。助かった」
「いえ、勿体ないお言葉。それがし何も致しておりません」
「今日はありがとう。下がって良いぞ」
「それでは失礼します」
「雅綱、一回京に戻ろうか、舟で帰ってみたい。手配してくれ」
「御意に」
〜・〜
「三好殿、時間を作って上洛してくれ。陛下へ拝謁できる様に手配する」
「はっ、畏まりました」
「晴元、励めよ」
「はっ、有り難う御座います」
「では、また会おう」
大坂の天満橋から京の伏見・豊後橋、舟で12時間ぐらいだそうだ。川を登るのなんて初めてなので楽しみだ。ただ、夜間舟なので風景などは楽しめない。でも、来た時の様に馬で8時間とか幼児の身には辛すぎた。伏見から御所までも、まあまあ距離は有るからね。
では、朝餉を食べて、お昼寝をしておこうかな。
〜・〜
忘れてた。2月だった。夜の川の上がこんなに寒いとは。やっぱり思いつきで行動するのは良くないな。
朝の6時前に伏見に着いた。まだ、夜も明けていない。ここからは雅綱におんぶされて馬上となる。まだ眠いから、寝ちゃいそう。
〜・〜
気がつくと、御所の自分の部屋に居た。有り難う雅綱。快適だったよ。
さて、一旦落ち着こう。
知らない内に自分が焦っているのに気がついた。周囲のリアクションが余りにも遅いのだ。しかし、大坂から京に戻るのに1日かかる時代なんだ。物事が動き出すまで、そりゃ時間がかかるよな。
まだ2歳。焦らずやって行こう。
ん〜。俺って何が原因で9歳で死んだんだろう……焦るべきなのかな?




