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コノハの短編集

さョナら

作者: コノハ
掲載日:2009/06/13

微グロ注意。

「ねえ、どうしたの?」

俺の幼馴染、片桐かたぎり紀乃きのが、親しげに話しかけてきた。

「何でもねえよ。」

俺は怒鳴りつけたいのを必死に抑え、そう言った。

なんで、そんなに馴れ馴れしいんだよ。ただ、ずっと同じクラスだっただけじゃねえか。

「…ずいぶん苦しそうだよ?」

心底、心配そうに、紀乃は言う。

「なんでもねえって言ってんだろ!」

俺が怒鳴りつけると、一瞬、紀乃はビクっとなって、

「…そう。なにかあったら、言ってね。私は、私だけは志乃しのの味方だから。」

取り繕うように、そう言った。

紀乃は友達に呼ばれ、どこかへ行った。

教室の自分席に座ると、ただひたすら、恐怖が襲う。

(…ああ…学校が終わる…家に、帰らなきゃいけない…)

俺は昔から、学校が好きだった。勉強も、好きだ。

だから、家に帰りたくない?

…違う。

俺は、家に、あのクソ親父のいる空間に帰るのが、恐いのだ。

学校が好きなのは、疑われることなく家から離れられるから。

勉強が好きなのは、している間は全てを忘れられるから。

俺は、家に帰りたくない。なのに、ゆっくり、でも確実に帰宅じごくの時間は迫ってきている。

ほら、喧騒の中を歩く、教師の足音が…ここからでもしっかりと、確実に聞こえる。

カツリ、カツリ、カツリ…ガラリ。

教師の姿が見えた途端、全身から、冷や汗が。寒気が。怖気が。

「では、終礼を始める。」

帰宅を告げる声とともに、俺の一日は、幸せは、終わった。















ついに、着いてしまった。

悪魔の巣窟に。

すっかりさびれた門扉を音を立てないように開き、恐る恐る、一歩を踏み出す。

木製に引き戸まで、たどりつく。

ゆっくり、引き戸にてをかける。もうすでに息は荒く、冷や汗は滝のよう。手も、震えている。

ガシャン!ドカッ!バキッ!

その音で、手の震えが一層激しくなった。

12になる、弟のゆうが、あのクソ親父にいたぶられている音。

殴る、蹴る。怒鳴りつける。

ありとあらゆる方法で、俺達はなぶられる。

扉をあけるのをためらって、なんになるのだろう。いずれは同じ目に遭うというのに。

グシャッ!ボキッ!

…え?

な、なんだ?い、今の音?聞いたこともない、音…

まさか!

ガラッと、決死の覚悟で扉を開け、居間に走る。

そこで俺が見たものは…






「…え?」





血  まみれ   の    親父   と  


  深紅に   染まった      





俺の    ――――弟。



俺はほぼ無意識に、さけんだ。

「クソ親父ィィィ!!裕に何しやがったぁ!」

それに答えることなく、親父は俺を手に持ったビール瓶で殴りつけた。

頭の奥がジン、となり、そして激痛が襲ってくる。

俺は無様に倒れた。

そこで、倒れた弟の顔が、よく見えた。

完全に光を失った、瞳。死んでいるようにしか、見えない。

「ったく、どこでそんな言葉づかい覚えてきた?女らしくしとけっていつも、言ってるだろうが!」

倒れた俺を、親父は蹴りつけた。

腹に鈍く響く痛み、そして嘔吐感。

俺はその痛みを無視し、叫ぶ。

「うるせえ!俺は絶対にてめえの言いなりになんかならねえ!てめえが女らしくしろってんなら、男のように振る舞ってやる!」

親父の返事は、頭に向けての、蹴り。

ガツン!

という音と共に、世界がゆれた。

その時、最後のタガが、外れた。

ボロボロになったはずの体は思い通りに、立った。

「殺してやる……」

鞄に手を伸ばし、中から携帯していたナイフを、取り出す。

「殺してやる…!」

「なにをするつもりだ?まさか今まで育ててくれた父親を、殺すなんてことはないよな?」

「殺してやるぜ、クソ親父ィィィィイイ!!!」

ナイフを構え、突進する。

恐怖も、痛みも乗り越えて。

ナイフは、驚くほど簡単に、親父の心臓を突きさした。















「ねえ、どうしたの?」

俺の幼馴染、片桐紀乃が親しげに話しかけてきた。

「…何でもねえよ。」

かすかに微笑んで、俺は答えた。

「…ずいぶん、楽しそうだよ?」

「…なんでもないって、言ってるだろ?」

今度も微笑んで、俺は答えた。

「そう。何かあったら言ってね。私は、志乃の味方だから。」

「…ありがとな。」

俺はやさしく、そう言った。
















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[良い点] 着目した場所 [気になる点] さよなら、のキーワードが誰に向いてるか解らない 父親ならば、さよならは違うと思う 異常さが足りないと言うより説明不足 最後、何故微笑んでいるか説明が…
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