腐ったリンゴ
テーマ
腐ったリンゴは隣のリンゴを腐らせる
語源
このことわざ自体の由来は「The rotten apple injures its neighbors」という意味の14世紀のラテン語のことわざだそうです。
日本は協調性がある民族だと思うけれど、時として穏便に済ませよう、波風を立てないようにと推移を見すぎて状況を悪化させてしまうこともある。
今回の話、具体的な内容は本文では出てこないけれど、パワハラの初期段階のようなイメージで考えています。
■人物
・S
写真家(芸術系)。世界を旅している。
以前、智子が留学していた学校のクラスメイト、友人、親友。
現在、日本に滞在、智子宅に居候中。
20代半ば、ドイツ人。
・智子
出版関係に勤務。20代半ば。
大学時代アルバム委員。その関係で大学時代の友人・知人が多い。
■
日本の民話という本を返しに来るS
S:「とも、 本、ありがとう。」
気付くまでに少し間があり、
T:「(あぁ)うん、 どう?面白い話あった?」
S:「はい、どれも面白かったです。特にわたしは「山犬」の話が好きです。」
T:「そう、、、それはよかった。」
S:「とも?」 「何かありましたか?」
少し迷ったような表情の智子、
T:「ちょっと相談していい?」
うなずくS
(相談シーン、全ては使わない)
T:「私の後輩で大学の演劇部の子がいるのだけど、
その演劇部で少し問題が起こっているらしくて、
彼女になんてアドバイスしたらいいか?、、、」
(説明しているようなシーン、BGMのみ数秒)
S:「そうですか、ワガママな人がいて困っているんですね。」
T:「そうみたい。私もその子も知っているけど、演劇部に積極的に関わっている、舞台運営に貢献しているなってくらいしか知らなくて、そんな感じの人だとは思わなかった。」
少し考えている表情のS。
S:「とも、、、ドイツには
『腐ったリンゴは隣のリンゴも腐らせる』ということわざがあります。」
S:「部に、その組織にどれだけ貢献していても、ワガママが許され、増長していけば、
他の人も同じような行動をする。
そしてそういう組織ではパワハラやいじめが起こってしまうのではないですか?」
T:「確かに何もしないで解決することではないよね。」
T:「日本人は『波風を立てない』って言葉もあるけど、保守的であまり積極的な行動
を躊躇してしまうところはあるかもね。」
S:「私は日本が好きです。でも、いいところもあるし、悪いところもあります。
ドイツの考えが正しいとは思いません。
けれど、いろんな考え方を持っていることは大事なことだと思います。
状況によって、どのようなに考えるかが大事だと思います。」
T:「うん、、そうだよね、状況を判断して、どのように対処するか?」
T:「私もよく写真撮るけど、写真を撮っていて、何にでもいろんな面ってあるなって、
感じる。
コインなら表と裏、サイコロなら6個の面。」
T:「それは人も同じかもね。私にとっては悪い人に見えなかった。
けれど、後輩たちには私たちに見せていない悪い面を見せていたのかもしれないね。」
S:「そういうこともあり得ると思います。」
T:「腐ったリンゴを放置しても改善はしない、私も後輩にアドバイスするだけじゃなく、
一緒に解決するように行動してみる。」
T:「ありがとう。」