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この世界が私の居場所 ~明るく楽しむ異世界生活~  作者: 彩音
第一部 始まり。そして旅立ち。
8/56

08.魔法実践

第一部はどうしても説明回っぽくなってしまいがちですね。

ただの言葉じゃなく物語として通じるようものにしてるつもりですがどうでしょう?

 おはようございます。

 昨夜はアメリアが暴君でした。

 そのおかげで体が少し怠いです。

 シンシア師匠、ジト目で見ないでください。

 全部全部悪いのはアメリアです。私は被害者なんです。ええ。


 


 さて、今日は魔法の実践。庭に出てそこで訓練。

 本来は魔力感知と魔力操作から入るらしいけど、私の場合この世界に来たときから自分の中に何かあることは分かったし。

<具体的には世界渡りの空間で頭痛に見舞われたとき>

 それにアメリアとの主従契約(テイム)のときとか同じくアメリアの食後のデザートのときとかでもそれを感知してるからもう魔力感知については大丈夫。

 そして魔力操作はその手のアニメや漫画、小説などが溢れる文化の中で過ごして来たから、私はヲタクだしね。その知識を駆使して簡単にクリア。

 これによりいきなり魔法の実践を行うことになった。

 シンシア師匠曰く魔法には大きく分けて戦闘用と生活用の二種があるらしい。

 まずどちらを習得したいかと聞かれたので即座に生活魔法と応えた。

 どうしても習得したい恋に恋がれた魔法があるのだ。

 それは水属性に属する洗浄魔法(クリーン)

 体の汚れや掃除などに使う魔法。

 異世界転移・転生物の小説なんかの中でも割と定番だと思う。

 それがこの世界でも存在する。

 女性であれば使いたいに決まってるよね!!

 覚えたい魔法第1位か2位じゃないかと思う。うん。

 

 シンシア師匠の説明。

 魔法はイメージが大事とかそういう感じのを聞いていよいよ実際に行使のとき。


 これまでシンシア師匠に洗浄魔法(クリーン)をかけてもらって来たけど、本人には言えないけどもちょっといまいちだった。

 これはたぶん生活習慣と知識にあると思う。

 こっちにもお風呂と石鹸はある。あるけど石鹸、ぶよぶよで汚れもいまいち落ちない。

 シンシア師匠の場合はそれが基準になってるから洗浄魔法(クリーン)をかけてもらっても近代地球の文明の中で育ってきた私には物足りなかった。

 シャンプーとかトリートメントなんて存在してないみたいだし。

 髪もこのぶよぶよ石鹸をお湯に溶いて使うんだ・・・。

 

 魔法行使。過程と結果の両方のイメージが必要。

 目を瞑ってまず過程のイメージを練る。

 洗剤と柔軟剤で服と下着を洗うイメージ。

 ボディソープで体を洗うイメージ。

 シャンプーで髪を洗うイメージ。

 トリートメントで髪を包んで潤いを得るイメージ。

 化粧水で顔に潤いを得るイメージ。

 風魔法も同時に使用して香りも得る。

 洗剤と柔軟剤は清潔な石鹸の香りをイメージ。

 ボディソープは肌に優しいハーブ系の香りをイメージ。

 シャンプーとトリートメントは市販のではなく少々お高いブランド品のフローラルな香りをイメージ。

 結果。垢、汗の除去、保湿、目に見えない菌の除去、古い角質・皮脂の除去、髪のダメージ補修、栄養成分補充、女性らしい香りなど。

 肌はすべすべで髪は艶をもって滑らかになる。

 これで魔法行使準備完了。


洗浄魔法(クリーン)


 詠唱すると体が途端にさっぱりする。

 実際にお湯に浸かったわけではないので疲れはそのままだけど体はお風呂上りの感じそのもの。

 初めてだけど上手くいったらしい。

 魔法が上手くいったことと体が綺麗になったことの両方が嬉しくてついつい顔が綻ぶ。

 1人でニヤニヤ。しているとシンシア師匠の気配を感じる。


「ユーリ、あんた何したんだい?」

「これは元の私の世界のお風呂事情をイメージしまして」

「ほお。ユーリの元の世界は魔法がないのに魔法みたいなことが出来る世界だったんだねぇ」

「・・・まぁ。ところで師匠もどうですか?」

「あたしにその香りはちょっとね。若いからこそ似合うんだろうよ。無臭でも洗浄魔法(クリーン)は可能かい?」

「やってみますね」


 洗浄魔法(クリーン)から風魔法を排除。

 水魔法から香り成分的なものも排除して無臭洗浄でシンシア師匠に魔法を使う。


洗浄魔法(クリーン)

「んっ。ほぉ、一瞬変な感じがしたけど、これはいい感じだねぇ」

「お褒めに預かり恐悦至極です」

「ふむ。しかし大したもんだねぇ。この分だと他の魔法もすぐに覚えちまいそうだ」

「えっと生活魔法に関しては自信あるんですけど、戦闘魔法に関しては不安があります」

「そう言えばユーリは比較的平和な世界で生きてきたんだったねぇ。だがこっちでは戦うための力は必須だよ。ユーリの生きてきた世界より命が軽いんだ。死にたくなければ力を身につけないとね」

「・・・それは、はい」

「で、どうする?」

「ご指導お願いします!!」

「その意気だ」


 シンシア師匠が対盗賊・魔物用の戦闘魔法を幾つかお手本に見せてくれる。

 実際に体験してるだけあって素人目にも、もしその魔法が魔物なんかに使われたら有効打になるだろうなぁっていうのがよく分かる。

 さっきの洗浄魔法(クリーン)で思ったけど、やっぱり体験のあるなしは大きい。

 私の場合、爆弾とか核とか銃とか知ってるし、ゲームの中で魔法は幾らでも見たことあるけど体験がないから詳しい結果がイメージしにくい。


「う~ん」


 自分が使える魔法の属性を元に色々考えてみる。

 土・・・落とし穴、その落とし穴に岩の剣山、岩飛ばし・・・。

 水・・・高圧洗浄でダイアモンドも切断したりするよね・・・あ! 酸とかどうだろ。

 風・・・かまいたちに台風、竜巻。


 私が悩んでいる間にシンシア師匠は的を錬金術で作り上げる。

 なんでもいいからそれに当てろということらしい。

 悩んだ末、科学の実験で扱ったことのあるあれを使うことにした。

 イメージしやすいし。


酸の雨(アシッドレイン)


 ジュウウウウウ。

 と音がして的が溶ける。

 成功。小さくガッツポーズをするがシンシア師匠の反応は鈍い。


「・・・ダメでした?」

「いや、ダメじゃないけどねぇ」

「?」

「ユーリ、意外とえぐいんだねぇ。性格」

「違! これが一番イメージしやすかったんですよ!!」

「・・・・・ほぉ」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、なんか余計に深みにはまった感じになってるぅぅぅぅぅ!!」

「まぁ、いいんじゃないか。強力だし」

「は、はぁ・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」


 初めての魔法は生活魔法はともかく戦闘魔法はなんだか苦い思い出となってしまった。

 でも私はシンシア師匠をドン引きさせた魔法をこれから先も多分使うね。

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