ダコタ村
シャーロットさんが軽く回復魔法をかけて、死なない程度に回復した山賊を引き摺りながら二人で村に向かって歩いていく
山賊を引き摺って歩くのは当然俺の方だ
が、そんな俺をみて歩きながらシャーロットさんは俺に話しかけてくる。
「やっぱり鬼族の方ってすごい力持ちなんですねぇ~!戦いの時も観ていましたよぉパワーもスピードも人間とは桁違いです!!」
自分が鬼族だという実感は未だに薄いが、なんだが褒められているようで少し嬉しい
自分の想像以上に力が強かったのも早く動けたのも矢を見切ることが出来たのも多分この身体のおかげなのだと思う。
そうこう話して歩いてると目的の村に到着した。山賊を村の近くの木に繋いで、村の中に入ることにする。(流石に犯罪者を引き摺って村の中に憚られた)
村の中に入ると偶然近くの家から出てきた若い男に声をかけられた
「ようこそ、お二人さんこのダコタ村になんのようだい?」気のよい感じの声で話しかけられた。
俺は話が長くなりそうなシャーロットさんを遮り、町へ向かっていることと山賊を捕縛したことに加え、可能なら一晩休ませて貰えないだろうかと話してみる。
近くに山賊が居たことに驚いたのか、すぐさま村長の所へ案内するので詳しく話して欲しいとのことだった。
ちなみにシャーロットさんは喋ろうとしたことを遮られて少しご立腹なのかこちらを見る視線が少し痛い
だが、そんなことを気にする余裕もなく村長の家に向かうこととなった
村長の家は他より少し大きく、離れもついている立派なものだった。
ついてすぐ若者がここで少し待っていて欲しいと言い、若者が家のなかに入ると
シャーロットさんは口を開いてこう言った「次は私に喋らせてくださいね」
それだけの言葉なのにどこか圧力を感じた。加えていうならやはり彼女は教養があるように感じるし少し立場のある人が相手なら任せるのも悪くはないだろうと思った。(でも俺は完全に丸投げするつもりだったんだけどな・・)
若者に呼ばれ、家の中に入っていく
豪邸ではないが、村を取り仕切るものの家であり、多少身分のある者が来ても違和感は無さそうだと思わせる位だと感じる。
通された部屋に入ると一人の老人がそこには居た。そして、俺たちを見ると一言「ダコタ村へようこそ、お客人」
歳を重ねてはいそうだが、まだ覇気があり村を導いていくには相応しいと感じさせる。
今度はシャーロットさんが言葉を返す。
「迅速な応対ありがとうございます。村長様、私はアイリス・シャーロットと申します。今回はいくつかのお願いをさせていただきたく思います。・・・・・」
俺は長すぎて途中から話を聞くのをやめてしまったが、内容としては俺が先程若者に言ったこととあまり変わらないように思えた。だが、強いていうなら村長と向かい合ってる時の所作、口調とやはり育ちのよさを感じさせる部分が節々にある。彼女は一体何者なんだろうか
話が終わり、山賊を繋いでおいた場所に戻った。
村の使われていない小屋に押し込めて次の騎士の巡回日に引き渡すらしい
つまり、詳しいことは国家に丸投げということだ。
シャーロットさんのしっかりとした交渉により、今晩の食事に加えて村長の家の離れを使って泊まることができるようだ
やはり彼女に任せて正解だったかもしれない、長いことを除けば
さて、色々と聞きたいことができてしまったし、今晩はゆっくりシャーロットさんから情報を聞き出すとしよう。
次回はシャーロットさんの大説明会・・