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少女

湖畔で一人なにもわからない主人公

そこへ現れる少女は一体・・

「お!もしかすると貴方はこの辺りに住んでいる方ですか?」

湖畔で立ち尽くしていた俺に、元気の良い声が聞こえてきた。

さっき見回した時は誰もいなかったのだが、自分のことを気にしすぎていて近づいているのに気がつかなかったのだろう。

見るとへんてこな帽子を被り、少女の体より大きな杖を持った少女が此方に歩いてきている。


俺はどうするべきなのだろうか?

見たところ少女に敵意は無さそうだが、もしかするとこちらを騙すための演技なのかもしれない上に、こんなところに一人でいる俺にいきなり声をかけてくるなぞ普通ではないように思える。


しかし、話してみないことには何の情報も得られず、このまま右も左もわからないまま歩くよりはマシであると判断し、会話をしてみることにした。


「いや、俺はこの近くの者じゃないよ・・少し旅をしていたんだ、君は?」自分のことを適当にごまかし、相手から情報を聞き出そうとしてみる。


すると少女は

「旅人さんでしたか!つまるところ私と同じですね!いやぁすっごい軽装備というか、なにも持っていないように見えましたのでこの辺りの人かと思っちゃいましたよ」と少女は笑顔のまま答える。俺は自分の出した設定を間違えたかと思った。


たしかにどう考えても変だった。

旅人と名乗ったのにカバン一つ持っていないというのは全くもっておかしな話である。が、しかしなんとか話を続ける為にごまかすことに全力を注いだ。


「いや、実はここに来る前に山賊に襲われてしまって持ち物を捨ててなんとか生き延びたんだよ」

これなら荷物を持っていない理由になるはずだ。

すると今度は


「え、大丈夫なのですか、お怪我はございませんか!?鬼族の男性から荷物を奪い取るほどの強力な山賊が近くにいるのですね!?それは大変です。すぐに近くの町に行ってなんとかしてもらわないと・・」

少女は本当に驚いた様子で俺の心配をすると同時に、賊への対処を考え始めた。


このままでは、なにやら大事になりそうで、いるかどうかもわからない賊に少女も近くの町の人も怯えることになりそうだと

俺はまたもやごまかすのに失敗をしたと思うのと同時に、何故だかこの少女は信頼できると思っていた。

そして、本当のことを話そうと思った。


「すまない、俺は君に嘘をついた。実は俺には記憶がなくて・・どうして今ここにいるかもわからないし、俺は自分が誰なのかもわからないんだ」


素直に自分の嘘を謝罪し、少し助けを望むような声色で少女に言葉を発する。すると少女はこちらを心配するような顔つきに変わって、喋り始めた。


「ええ!?記憶喪失!?た、たた大変!!ど、どうしよう・・」


少女は突然の俺の記憶がないという発言に驚いてしまったのか、みるからに焦り始める。その時の少女の表情は本当にこちらを心配しているようなモノであり、俺は、この少女はきっと信頼できるだろうと思ってしまった。


少女は少しすると落ち着きを取り戻したようで、コホンッと一度咳払いをすると、真剣な眼差しで喋り始めた。


「いいですか?ここから2時間も歩いたところに小さな村が、そこから半日ほど歩いたところに少し大きな町がありますから、まずはそこに行きましょう。どうか安心してください、私もついていきますから」と


初対面の俺にどうしてここまで真剣になってくれるのかと、少しわからない部分もあったが、ここは素直に少女の厚意に預かることにし、とりあえず礼を言う。


「ありがとう、本当に助かる。しかし、いいのか?謝礼なんてできないかもしれないぞ?」


しかし、少女は優しい表情のまま言葉を返してきた。

「気にする必要はありません!困っている人がいたら助けたいと思うのは当然ですし、私もそちらに向かうつもりでしたから」


その言葉と表情で俺の心は確信に少しずつ変わっていった。きっと大丈夫だ、この人は信頼できると


ぼそっと心から漏れ出たように俺はもう一度礼を言ってしまう。


「本当に・・ありがとう」


少女は笑顔のままこう言った。


「ですから、大丈夫ですよ!あ、申し遅れました。私の名前は"アイリス・シャーロット"好きなように呼んでください」

駄文ですが、一人でも読んでくれたら嬉しいと思います。

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