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プルすら2

「ほら水だ。近くの沢で汲んできたから飲め」


「ありがとう。とりあえず解体の人が別の危険が増えるって言っていた意味が分かったよ…」


カタノは、受け取ったコップを眺めるだけで飲むそぶりを見せずに礼を言う。


「綺麗なもんだべ?」


わざわざ体内に取り込んでから不純物を取り除いてきてやったから生水で中る事はないぜ。


「うん、異様に綺麗過ぎる気がしてね…」


「そりゃ、沢は綺麗だったし布を通して濾過してきたからな」


飲む込む時に布当てて、指先から排出したから嘘ではない。


チン〇生やしてそっから出す事も出来るけど、しなかったから汚くないはずよ?


「そうなんだ。クノイは物知りだね」


「ちょっとした豆知識なら任せとけ」


まあ、賢者や年寄りのジジさんババさんのが物知りだろうけどな。


「そういや、布ったって何を使ったんだ?」


「ガーゼやハンカチみたいなエチケットくらい持ち歩いてるに決まってるだろ。

流す所に当てて斜めに傾けるのがコツだね。ダンジョンの中だと、履いてた靴下で濾過した人もいたらしいから安心しろ」


「魔物がエチケット。魔物がエチケット…なんで!?」


「オレを拾った冒険者が野グソした後手もあらわなかったから覚えた。まさかケツ拭いた手を葉っぱになすりつけただけで終わりとかないと思うわ。使い捨てるつもりで布切れやハンカチくらいは必要だと思ってさ?」

そん時には、ウサギと一緒に縄で荷物に括られてたから良かっけど。


連れてかれたギルドで、エチケットの大切さを猛抗議したんだぜ?

ほとんどの連中が、魔物がなにいってやがんだくらいにしか思ってなかったみたいけど、居合わせたギルマスは、エチケットの普及に協力してくれてるぜ?

トイレにも藁半紙置とかおかれたしな。


高い頻度で、指を壁に擦る冒険者がいるから基本的に使わせないようになってるらしいけどな。


…それ以前は“どうしてた”のかは、教えて応えてくんなかったけどなんだろうな。


指っすか、指を過信しちゃいけませんぜ。其処まで万能じゃないっすよ。


糸でこそぐ地域もあるらしいが、せめて海綿くらいあったほうがいいぜ?


某未来映画じゃ、トイレに貝殻が2枚あるだけだったらしいが、どうつかうのか未だに理解出来ん。


いくら未来でも、いや未来ならせめてウォシュレットくらい完備しろよ。


紙がなくても、ウォシュレットあればハンカチを犠牲にするだけで済むだろ?


使い回すかは自由だが、洗えば大丈夫じゃね?


「…とにかく、水も身だしなみも清潔なのは大事なんだよ」


「それは、…ご愁傷様です」


疑いの眼差しが消えないのが気になるが、ホントに悪い物は使ってないから!!


「…いただきます」


「おう頂けや、オレのキモ(肝)ちを込めたキモ水」


「だから、飲んでる最中に意味ありげに言わないでよ。飲みにくなるし…」


「まぁ、わざわざ水汲まなくても、指先から魔法みたいに水だせるけどな」


「…そっちのが良かったかな」


「贅沢だのー、やるよ」


「ああ、ありがとう」


新たにコップに注いでやると、今度は躊躇う事なく一気に飲み干した。


しめしめ、いい感じ傾向だぜ。


結果的には一緒のもんだけど、これでカタノ相手ならいつ水を出しても疑われる事はないな。

「水が樽いっぱいに出せたら商売になるだけど、コップ二三杯が限度だから、不便でしかたない」


「種族特性みたいなもん?」


「意外に、他のスライムも似たような能力あるかもしんねえけど綺麗な水作る必要なんかないしオレだけだろ」


「マテ、それたんなる濾過機能だったりしないよな?!」


ははん。汚い水がちょっと濾過したくらいで綺麗になるもんか。


「大きな声じゃ言えないが、蒸留って技もあるのさ」


「なるほど、そうゆう便利なスキルもあるんだ」


「そゆ事さ」


そうそう、そゆ事さ。誰がどうとは言ってないが、世の中の一人くらいはもってたりすんじゃないか?


なんにしても、水が綺麗なら何でもいいでしょ。


それよか、思いの外長居してしまったから、時間の方が問題だよ。


「腹拵えが済んだなら、日が落ちる前に街に帰ろうぜ」


「まだ大丈夫そうに見えるけど」


「お馬鹿様、人間が夜明け前に農作業始めんだぜ?魔物は夜行性が多いけど日が暮れないと動きださない訳じゃないんだよ」

ペチペチとカタノの履いた長靴を叩く。


「でも、昼間に出たとか話聞かないし目撃者とか居ないだろ?」


「そりゃ、ほとんど出会った時点で食われてるからだ。ホント言ったら昼間に会う奴のが凶暴で、夜の方がまだ見た目が大人しいわ」


なんぼなんでも、腹が空いてりゃ寝てらんないからな。

朝から晩まで徘徊してるパターンもあるぜ。

パーティー単位なら相手も考えるだろうけど、相手方が独りなら人間の冒険者も襲うだろ?

飢えてりゃ余裕ないから、しとめるまで執拗に追いかけまわすくらいするもんさ。


いくら魔物でも、かなり大型の魔物とか、大量の狼に鉢合わせしない無い限り、パーティー全滅なんて悲惨な状況はメッタに聞かないからな。


メンバー入れ替えやら解散は割とあるな。一人減ったなんてのは日常茶飯事だからな。冒険者なんてアコギな商売なんだから仕方がないさ。


「ちなみに、オレがいた森なら昼間に梟がネズミ啄んでなんて珍しくないからな」


夜行性じゃ無い可能性もあるが、梟のアイデンティティ全否定するようなもんだからな。

偶然かもしれんが、腹は減ってたんだろうよ


「…分かった。他にもなんか見つけ出したかったけど諦めるよ」


「薬草いがいの依頼も受けてたのか?」


「いや、山菜とかあるかなって」


「ここは森だ。山菜が欲しけりゃ大人しく山に行け」


「そうだよね」


肩を落としてガッカリしてるが、一応山菜は山に生えるもんだ。今居る場所くらい頭の片隅にとどめといてから発言しろ。


「…タダで食べ物手にはいるかもと期待してたんだけどなぁ」


血抜きしたウサギ吊してなに言ってんの?


そういや、捕まえたウサギは食べる気配なかったな。


「…ウサギあるじゃん」


「ウサギは、食べるより売るほうがいいんだよ」


うわぁ、ストイックってゆうより真面目に余裕ないんだな…。

「なんか食べれそうなのあったらよかったんだけど仕方ないか…」


食べた時無いが、足元にだってノビルやらフキならたんと生えてんだからぞ。


フキは時期あるが、ノビルなら大丈夫だろ。


「…ノビルなら生えてぞ」


「いや、ノビルって生だと毒あるって子供の頃聞いたし…」


「生でダメなら、焼いても無駄だろ」


アクは強いから水につけるくらいしたほうがえかもだけど、焼いて毒が消える植物は多分そんなにないぞ。


桃や梅の種の中の天神さんには、ジャガイモの芽でお馴染みのソラニンと、青酸カリの成分はいってっし、熱で分解する毒は少ないんだぜ。


ジャガイモの表面が青い…緑ならそれまたソラニンかわからないが、体によくないらしいしエグいから注意な。


青い部分がある時は、調理しないで畑に植えるか、青い部分削ぎ落として食べないでおきなさい。


料理されたジャガイモが旨く無いときは、皮が緑だった可能性もあるやら要チェックよ。


「でも、宿だから火を使えないし、肉も焼いてからじゃないと…」


「あ、そうゆう問題か。外壁の近くで焚き火なら普通にあるし大丈夫だ」


「枯れ草多いし、危なくないかな」


「基本的に下は砂地だから、周りをきれいにすりゃ延焼しないよ」


そうでなきゃ、農家が昼飯に小麦畑の真ん中で焚き火したりなんかない。


用は使い方次第よ。


焚き火も最後に砂で埋めればいいしな。


宿でも森でも火事が怖いから焼く事を諦めてたのね。

しかし、コイツ真面目だな。


世の中の連中に見習わせてやりたいぜ。


「火を通して食えそうなもんなら今からパパッと集めてやるよ」


森に生きてた頃に散々摘まんだからかなり詳しいぜ。


草の味しかしなかったから生はお勧めしたくないが、下処理と火を入れたら食えそうなのあるからな。


百合根もアク抜きすりゃ食えるのあるしサクサクいくよ。


…いや、 そもそも山菜なんてアク抜きと火入れは必須じゃねぇの。竹の子ならまだしも、ゼンマイをプレーンとか最初から無理ゲーじゃねぇか。

生でいける行者ニンニクは時間的にハードル高いな。


とりあえず、ノビルとフキは引き抜いてウサギの付け合わせに焼いてやるか。


火力的にも丸焼きにして腹に色々詰めるような豪華な食事は無理。無難に串焼き位で諦めてもらおう。


しかし、料理は初めてだから不安だとか思ったものの、それ以前に、二人して火を起こす道具が無くて、また今度と言う話にになりました。


―次回!(ニャリ☆)


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