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第一話 世の中は不思議でいっぱい

 気づいたら、幼女になっていた。


 嘘じゃない、本当だ。世界は不思議でいっぱい。二十歳手前の童貞が幼女になってしまうことだってあるんだろう。何故なら、世界は不思議でいっぱいだから。


 「くそ、マジかよ」


 泣きそうな顔になっている水面の幼女から目を背け、俺は地面に転がった。目の前にはどこまででも青い大空が広がっている。そよ風が草木を揺らし、体を撫でる。あー、気持ちいい。素晴らしい、大自然。


 つーか、ここ何処だよ。


 あれ、おかしいな。俺は家のベッドの上で寝ていた筈なんだけどな、天井あったよなあ。まわりは近代文明らしく、建築物に囲まれて、自然とか殆どなかったよなあ。あったとしても公園ぐらいだよなあ。でも、公園は川流れてないなあ。


 あのー、ここは一体何処ですかね。


 自分が幼女になった事と全然しらない場所にいることのダブルパンチで若干、頭のなかがパニックになりかけているなか、寝転がっている俺の体の上に小鳥が降りてきた。可愛らしいなと思いきや、信じられない事に目が三つあった。


 「し、しらない鳥だ!?」


 ビックリして、思わず身動ぎしてしまったので小鳥は飛んでいってしまった。何あれ、怖いんですけど。


 「もしかして、ここは地球じゃ無いのか?」


 目が三つある小鳥とか俺はしらない。普通の小鳥は目は二つだ。だったら、ここは俺が知っている世界では無いのかも知れない。というか絶対そうだ。だって、いきなり幼女になってるし。気づいたら、森の中だし。


 「異世界TS転生?嘘だろ、最悪じゃないか!」


 自身の置かれている状況にようやく理解が追い付く。いや、追い付かない方が良かった、最悪だ。TS転生だと?ふざけるな、何で性別変わってんだよ。何で男から幼女になってんだよ!あれか、童貞は男じゃないと?そう言いたいのかコノヤロー。そもそも何で転生してるんだよ。


 「トラックに引かれた覚えは無いけどなあ」


 目覚める直前の記憶はパソコンでネットサーフィンした後、すごすごと自分のベッドに入ったところまでだ。死んだのかどうかもわからない。これで死んでなくて、強制的にTS転生させられてたら訴えるぞ。


 ああ、気分は最悪だ。


 最悪過ぎてなんの気力もわかない。だって、可愛い女の子がいたとしてもなんも出来ないし。異世界転生してからの原動力は九割下心なのだ。それが満たされなければ、当然だがエンジンはかからない。


 「何で、幼女なんだ」


 どう考えても嫌がらせとしか思えない。幼女tueeeとかなんの意味があるのだろうか。幼女にだったら別にtueeeする必要ないだろ。いや、tueeeできるかもわかりませんがね。


 その時、お腹がぐーと可愛らしい音を立てた。....昨日までは地響きみたいな音だったのにな。


 どうやら、ふてくされていても生きていけるような楽な世界では無いらしい。やる気は全くもって起こらないが、このままでは餓死してしまいそうなので食べ物を見つけるしかない。


 気だるい体を無理矢理たたせる。視線の低さにちょっと戸惑うがいずれ慣れるだろう。


 「さて、サバイバルしますか」


 ....さっきの小鳥捕まえれば良かったなあ。


 


 


 


 


 

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