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名門貴族の変嬢 作者:双葉小鳥

最終章 変嬢の行く末

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★ 『第七話』 二つの正論

「そんな顔していたら誰だってわかります!」
「姫様……。貴女様ほど、わかりやすい方はいらっしゃいません」
「本当ですよ! ちょっと目を離した隙にどこかに行っちゃったりとか、本当にやめてください!! 叱られちゃいますし、何より心配するのは私たちなんですからね?!」 
「無鉄砲が過ぎます。もう少し、ご自重ご自愛くださいませ」

 二人に叱られたわ……。
 ……しかも、二人の言っていることは正論。
 だって。
 どうやら私、少し前に死んだみたいなの。
 それかもしくは私と同じ【私】が体験したモノなのかもしれないわ。
 ……詳しくは、わからないのだけれど。
 そんな感じじゃないのかしら?

「あ! お嬢様、お嬢様!!」

 明るく元気なマリアの声。
 私はその声に返事を返すと、彼女はにこりと微笑みました。

「もうすぐ終わるみたいです」
『どうして分かるの? マリア』
「え? 見えませんか?」

 きょとんとして言うマリア。
 そんな彼女が見ていた方を見てみます。
 ……相も変わらず混沌としていて、凶悪な集団が戦場を蹂躙していました…………。

『…………何が、かしら……?』
「え? ほら、向こうに降伏の書状を持った使者が来ていますよ?」

 そう言ったマリアが指を挿しました。
 だからそちらの方を見てみました、が。

 凶悪な集団しかいません。

 …………どういうことかしら?

『何も、見えないわよ……?』
「え? ほら、あそこですよ? あれです、アレ」
『……いつもの皆しか、居ないわよ?』
「えぇ?! そんなことないですって! ほら、アレ。アレですって! ほら、あの黒い馬に乗ってる黒い髪に青い瞳の鎧の男ですよ?」
『えぇっと……。そんな人、どこにもいないわ』
「? いますよ?」
『え……?』
「………………姫様。ご安心くださいませ。見えなくて当然なのですから……」

 安心するような笑みで微笑んだメイサ。 
 彼女は『姫様は常人なのですから』と付け足した。
 ……嗚呼。
 そうだったわ……。
 彼女たちって、普通の人間。
 つまり【常人】じゃなかったわね……。
 嫌ね。
 私ッたら。
 ついうっかり、忘れていたわ…………。
 いいえ。
 忘れていたかったの……。
 だって……。
 だって、正面に広がる混沌と混乱を。
 それを引き起こしている凶悪な集団を……。
 いつもとっても優しい皆だって、否応なしに認めなくては……いけなくなるでしょ…………?

 ………………………。

 ………………そうだわ!
 そうよ。
 みんな、今日は疲れているのね!
 暗殺者だとか、賊だとか、裏の人間だとかじゃなくて、ただ単に少しだけテンションが上がっているだけなのよ。
 疲れが取れたらいつもの皆に戻ってくれるわ!
 そうよ、そうなの。

 ……って。
 これはさすがに苦し過ぎるかしら…………?
 でも、こうでもしておかなくては、私の頭が現状を受け入れてくれそうもないの……。
 だからそう言うことにしておきます。
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