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名門貴族の変嬢 作者:双葉小鳥

最終章 変嬢の行く末

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第一話 原因

 薄暗く埃っぽい室内。
 そこにたたずむ少女。
「ぁ痛たたた……。まったくあのクソ餓鬼ぃ……覚えてろ。ゼッテーぎゃふんと言わせてやる」
 少女は眉間に皺をよせ。
 さすさすと『晴れ上がった』、ではなく『抉れた』頬を摩り、室内を横切る。
「ん? あれ……? あんなの作ったっけ……?」
 少女は怪訝そうに淡く光る小さな木箱に目を止め。
 スッと手を伸ばし、手に取り蓋を開けると、一言。
「なぁ~んだ。つまんないの……もっとさぁ、ここいじくって……で、こうして…………っと。うん、これが面白いよねぇ~!」
 クスクスクスと楽しげに笑う。
 そんな少女の背後。
 一人の男が額に青筋を浮かべ、立っていた。
「ねぇ。何してるの? それ、僕のだよね」
「……………………ぁ、あはっ!」
「…………誤魔化されると思ってる?」
「え~……うん!」
「………………ちゃんと、元に戻してよ?」
「え、えぇっと…………。てへ! 固定しちゃった!」
「………………」
「悪気はなかったんだよ。でもね、こうした方が面白いと思うんだよ」
「それは『自分の考え』でしょ? 僕が作った世界にまで干渉しないでよ……」
「イヤほら。やっぱり子供の成長って見てみたいって言うじゃん?」
「それってね。過干渉って言うか自己中って言うんだよ? ついでに親なんて関係ないから」
「だってコレ、見事にバッドエンド回避してるしぃ? なんか死亡フラグ知ってるみたいじゃん? つまんないじゃん!」
「……。僕は今度の子には期待してたんだから、変なことしないでよ……」 
「なんで? ことごとく回避されたらつまんないじゃん。そこはさぁ……フラグに従って盛大にバッドエンドになってくれなきゃさっ!」
「…………もう見過ぎて厭きちゃったんだ……」
「えー! なんで? バッドエンドほど面白いものないよ? あの手この手でバッドエンドにするの……。たぁのしいよ~!」
 おどけて見せた少女に、男は盛大にため息をつき。
 力なく、首を左右に振った。
「もうそろそろ……ハッピーエンドが見たくなったの。ほのぼのが良かったのっ! なのに……なのに、何てことしてくれたんだよ! 馬鹿ぁっ!!!!」 
「なんで?! 私ちょっと楽しくしただけだもん!」 
「うぅ……いいもんいいもん、もう二人に言いつけてやるっ!!」
「げっ……! ま、待って! 二人って?! 勘弁してよ消滅しちゃうじゃん!!!!」
「消滅しちゃえ!!」
 そんな捨て台詞を残し、男は泣きながら立ち去った。
 慌てて少女が男を捕まえようと伸ばした手は、男の服をするりと抜け。
 男の逃亡を許してしまった。
 これにさらに慌てた少女は男が出て行った扉に飛びついた。
「あれぇ?! あ、開かない……。そ、そそそそんな馬鹿なっ!!」

 ――――がたがたがた

 扉は押しても引いても、傍に会った椅子で叩いても、びくりともしない。

「ひ、酷い! も、もうこうなったら……って。あ。良いものあったじゃん。これに逃げちゃおっと!」 

 そう楽しげ言って少女は笑い。
 木箱に手を入れ。
 吸い込まれた。


 ―――――――――

 ――――――

 絢爛豪華な室内。
 そこの奥にはこの国の王が居ます。
 王の近くにも人が居り、私の近くにはギルド長とゼグロさん、青ざめたミフィ。
 この場に居る皆。
 表情は固く、険しい。
 それほどに事は大きいということ。
 だから私はあえて重たい沈黙を破るべく、口を開くことにしました。
「お姉様はどちらの隣国に囚われているですか」
 そう問うと、場の空気が凍りつきました。
 何故……?
 しかも、なにやら私。
 場違いの質問をしたかのように冷めた目を向けられたの……。
 失礼ね。
 知らないのだから知らないと聞いただけではありませんか!
 第一。
 ミフィが教えてくれなかったのよ……。
 まぁ、聞かなかった私も悪いのだけれど…………。
「落ち込むなよ、姫さん。アタシが始末してやっから」
 にたりと微笑んだ料理長。
 ついて来たテノールと双子は彼女同様、笑みを見せました……。
「ダメよ、始末しないで。私がいけなかったのだから」
「姫さんが反省することじゃねぇよ。なぁ……?」
 有無を言わせない威圧を繰り出す彼女(達)に、場が緊張しました……。
 もう、やめてって言ってるのに…………。
「四人とも顔と雰囲気、所持してる物が物騒だから仕舞ってちょうだい。命令よ」
 ついつい呆れ。
 はっきりと告げると、四人はそろいもそろって舌打ちしてくれました……。
 はぁ……。
 どうして一人ならまだしも、四人もついてきたのかしら……。
 と言うより。 
 私はどうして彼らがついて来るのを、許してしまったのかしら…………?
 ……あぁ。
 きっとあの時の私は、激しく動揺していたのね……。
 納得だわ……。
最終章のはじまりです!
二十話行かずに終わらせようと思ってま~す!
お付き合い下さると嬉しいです……。
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