表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名門貴族の変嬢  作者: 双葉小鳥
第二章 元、名門貴族な居候
34/104

第十五話 理解不能

 私はミリーにベッドに下ろしてもらい、その上に座って私が見たモノすべてを語った。

 でも。

 すべてだからと言っても、使用人をしてくれている皆の過去は話さなかったわ。

 だから、名前は伏せ。

『見ず知らずの人間に殺された』

 とだけ伝えたの。

 

 そしてこれを聞いたミリーは小首を傾げ、きょとんとして言った。

 

「え? じゃぁ、リースは未来を見たの?」


 ……まったく。

 この子は……なんでそうなるのかしら…………。


『……いいえ。私が見たものは過去よ』

「過去? でも、これから起きることをみたんでしょ?」

『……そうじゃなくて、起きたことを見たのよ…………』

「? わかんないよ、リース……」

『でしょうね……。あなたに説明しようとした私が馬鹿だったのね…………』

「むぅ……ひどい……」


 ついつい頭を抱えた。

 ミリーは私の反応に頬を膨らませている。

 

 …………これが、王女殿下……ね………………。


 私、変な夢でも見ているのかしら?


 なんて軽く現実逃避をしてみたけれど、これが現実だということを私が一番しているので、無駄でした。


『まぁ、とにかく。私は元気にしているんだからあなたはちゃんとやるべきことをやりなさい。良いわね?』

「ぅん。ごめんね、リース」


 寂しそうに笑うミリー。

 そんなミリーに私はついつい笑った。


『なんて顔してるの? ミリー。あなたは私のお姉ちゃんでしょう? 二歳年上じゃないの?』

「う……。そうだけど……私、リースに会えなくなるのやだ」

『…………もう。しょうがないわね、この人形に私の意思を定着させ、私との通信手段にするわ』

「出来るの……?」

『伊達に魔力適性、偏ってないわよ』

「……それ知ってるけど、リースって、ブラックな術にしか適性ないじゃん」

『もう! そうはっきりいわないの!』

「ごめん……」

『ふふ。まぁ、見てなさい』

「うん、分かった。見てるね」


 と。

 やったこともないことをやってみることになりました。


 結果。

 上手くいきました。


 うん。 

 【呪い人形】になった気がすごくするけど、私の気のせいよ。

 うん、きっと。

 …………そうよ。

 気のせいなの……。

 

 だから。

 だからね。


『人形の体が人間みたいに温かく、やわらかくなって脈を打ち始めた』


 とか。


『人形が目からビームだして、私の本体がいる屋敷と空間を無理やり繋げた』

 

 なんて事。

 起こったけど、何かの間違いよ。


 それにね。 

 無理やりつながった空間の向こうにミリーが泣きながら、迷うことなく飛び込んだの。


 ちなみに。

 意識がない私(本体)は、彼女に抱きしめられて(正しくは締め上げられて)顔色が悪くなっているようにみえるわ……。


 ……ついでに。

 テノールたちはというと。

 目元にハンカチで抑えて『お嬢様。良うございましたね……』って。

 

 全然良くないように見えるのは私だけなの?

 ねぇ。

 私(本体)が死にかけてるように見えるの。

 気のせいかしら?

 

 そして。

 私(本体ではなくて人形の方)はと言うと。

 何故か満面の笑みを浮かべたセフィニエラさんの隣。

 木漏れ日の様に美しくて長い金の髪に、優しい紫の瞳を持つ、綺麗な女性の膝の上。

 しかもなぜか笑顔です。


 ……天使…………?


 その天使さまに私はなぜ。

 髪を手櫛で整えていただいているのでしょう? 


 …………どうしましょう、理解が追いつかないわ……。


読んで下さり、誠にありがとうございます。

久しぶりに時間が出来たので、投稿しました!

また時間見て投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ