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名門貴族の変嬢  作者: 双葉小鳥
【true end】のその先 2
101/104

女性が……。

 と、まぁ。

 そんな感じで自己嫌悪に沈んでいました。

 

「? こんな所に人形……?」


 と。

 直ぐ近くで女性の声。

 その声に私は、人形でも近くに落ちていたのだろうと思い。

 少しだけ顔を上げた。


「え……うご……?」


 藍色のロングでタイトなスカートと、袖が膨らんで、胸元には大量のフリルが飾られた長袖の白いブラウス。

 ブラウスの胸元には緑色のブローチを飾って。

 結い上げられた髪は銀の、深緑の瞳の女性。

 手には、日陰を作っているおしゃれな白い日傘。

 顔はお人形のように綺麗で。

 私はしっかりと見上げてしまっていることすら忘れて、ついついぼおっと見とれた……。

 

『きれい……』

「え……?」



 不思議そうにきょとんとしている女性。

 私は自分が声を発したことに気づくことなく、見惚れていた。

 そうしていたら。

 急に視界が高くなった。



『? あれ……?』

「貴女、生きているの……?」


 お人形のように綺麗な方のお顔が直ぐ近くに……って!



『ほわぁぁああああ?!』

「?! な、何? どうしたの……?」


 驚愕のあまり叫んでしまった私に驚いた女性。

 彼女はきょろきょろと周囲を確認し、不思議そうに小首を傾げ、私に問う。

 だから、どうしたら良いのか分からくて私の小首をかしげた。


「? ふふ。可愛い。まねっこしてるの……?」 

『いいえ、違います。ただ、突然叫んでごめんなさい』

「え? あぁ、私のほうこそ、びっくりさせちゃってごめんね?」

『え……あ、気にしないでください』

「でも……」

『大丈夫です。何でもないので』

「そう?」

『はい』

 

 私はそう言って、心配そうな女性に笑みを向けると、女性も微笑んでくれた。

 

「そうだ。隣、良い?」

『……この状態で隣と言われましても、何もありませんが…………』


 そう。

 私は今、女性に両脇から抱えられて宙ぶらりんなの……。

 


「あ。ごめんね。じゃぁ、一緒にお話ししてくれる?」

『え? お話ですか……? 私でよければ喜んで』

「嬉しい。で、話なんだけど――――」


 と。

 なごやかなお話しタイムと思いきや、左から藍色のバチバチ言ってる丸い球体状の魔力の塊が……。

 私がそれを発見するより早く、女性は躱すべく。

 行動を起こしていました。

 ……でもその際に、舌打ちが聞こえたような気がするけれど、気のせいね。

 もう。

 だぁれ?

 (町だけれど、田舎というよりド田舎な感じの)町でこんなぶっそうなものを放つ人は……!

 危ないわ!

  

「ちょっと!! そこの変態女装癖! なに私の妹になれなれしくっ……」

『お姉様? さきほどのは、お姉様ですの?』


 理由次第では怒りますよ?

 もう!  

 危ないじゃないですか!


「リース! 今すぐそいつから離れて!!」

『お姉様……。私の質問に答えて下さいませ』

「もう! そんなの良いから!! ソイツから離れなさいリース!」

『はぁ……。お姉様。この方が何をなされたというのですか?』


 まったく。

 突然の襲撃だなんて、失礼極まりないわ!


「そうだよ。婚約者に向かって、この仕打ちはあんまりだろう?」

『そうですわ。お姉様。婚や――――え……? 婚約者?!』

「ん? 嗚呼そうだよ」

「違うわ! 私はこんなの要らないわっ!!」

『え? だって貴女は―――』


 『女性ですよね?』

 お姉様の叫びを無視し、そう問いかけようとした私の言葉は、女性の姿を見た瞬間に消えました。

 だって。

 私を宙ぶらりんにしていた女性はいつの間にか。

 ボタンが第二ボタンまで外れた白いカッターシャツに、黒のベルトがついた藍のスラックスをはいて。

 襟足の長い銀髪に、何かを含んだような深緑の瞳の男に変わっていたんですもの……。

 

 ……先ほどの、女性はどこへ…………?


喉にたんが絡まって咳が出るけど、インフルからの解放を喜んで!

あ。

インフルでお家に監禁されてる方。お大事に。ゆっくり休んで下さい。

インフルがまたお家に来ていない方と、来ているけれどまた大丈夫な方。(意味ないかもですけど)予防をばっちりして下さいね!

じゃないと痛い目に遭いますよ! お身体を大切に!

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