オレとあいつ
小さな頃オレは母親譲りで幽霊が見えていたことでよくイジメにあっていた
オレが見る幽霊はよく夏にやっている心霊特集やホラー映画みたいな怖いのではなくどこにでもいる普通の人間たちで足もちゃんとあるし透けてもいなかった。だからこそたちが悪い
小学生のとき気になる女の子がいてその子のことを友達に話したんだ。でもその子は存在せず一日にして嘘つきのキチガイに認定された
中学に上がるとこのことを言ったらきっとまたいじめられると思い貝のように静かに頭を低くして生活した
でもやっぱりあいつらは自重しない。授業中も目が合えば近づいてくる
正直ウンザリしていた
高校に上がると徐々に見る機会が少なくなった。やっぱりオレの妄想や幻覚の類だと思い始め今までで一番充実していた。この頃彼女もでき全てが完璧だった
そしてオレはいろいろな不幸が重なって2年くらいグレて引きこもりやっとの事で社会人デビューを果たした
高校から今日まで幽霊、いや幻覚を見ることがなくもはや記憶の海の底で魚の餌にでもなっているはずだったんだ
でもあいつが現れてオレはまた苦痛の日々を強いられることとなった
去年の春のことだ
オレは仕事の都合で相棒の猫、ミー子さんと共にあるアパートに引っ越すことになった
運良くそこはペット可でコンビニやガソリンスタンドも近い。本屋もあるし娯楽にも不便はないだろう
鍵を渡され扉の前に立つ
前に下見に来たがやっぱり改めて住むと実感すると希望で胸がいっぱいになる
鍵を差し捻るとガチャンと景気のいい音をあげロックが解除される
そのとき春風が墓地の方で咲いている桜の花びらを運びオレを包んだ。それは新しい生活を祝うように感じる
ドアノブに手をかけ開く
「」
声が出なかった
想像できるだろうか?新居に入ったら“orz”って格好をして玄関にケツを向けている女がいる光景を
あいつは肩よりちょっと下まで伸びた黒髪に白いTシャツ、下はジーパンを履いておりなにやら落ち込んでいるみたいだった
オレは思わず一歩下がり管理人を見る
管理人はいいからさっさと入れよと言わんばかりに睨みつけるとオレは萎縮し渋々部屋の中と向き合う
カゴで寝ていたミー子さんが目を覚めると見えているのか威嚇のポーズをとって唸り始めた
あいつはオレたちに気がついたのかゆっくり振り返ると目があった。顔はなんていうか、芸能人にはあまり詳しくはないから誰に似ているとか例えるのは難しい。とにかく地味なヤツだった可愛いかと聞かれれば間違いなく可愛い方だろう
あいつはハッと尻餅をつくとミー子さんに顔を近づけトントンと指で突く。実際にはパントマイムみたいに突いているフリのように見えるけど
ミー子さんは得体の知れないあいつに怒り猫パンチをかますがお互い触れることもないまま終戦を迎える
あいつは静かに立ち上がると備え付けの洗濯機に入り頭だけだして(´・ω・`)な顔をしていた
オレはまた「え、入るの?」みたいな顔で管理人を見ると「いい加減にしろ!」と言わんばかりに青筋を立てながら笑顔で返してくる
オレは軽く頭を下げると部屋の中に足を踏み入れた
それから引っ越し業者が荷物を運びにきたがあいつは終始洗濯機に入りっぱなしだった
どもーうなにゃぎ兄妹です(≧∇≦)
いろいろやってんのにお前はまた何かやるのかって感じですがごめんなさい( ;´Д`)
なぜか急に恋しくなって始めちゃいました(おい
今回は兄が実際に体験したことをちょっとだけ着色して物語にした感じです。オチもなければなにもない普通の話です
なお妹もちょっと登場しますw
こんなくだらない物語でも付き合ってもらえれば幸いです