表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫系女子とうさぎ系男子  作者:
【猫side】
2/10

猫、赤面。


“うさぎ”と出逢ってから私は

即効寝て、たった今起きた。

時間は…

下で掃除をする音が聞こえるから、

6時間目が終わったところか。



―それにしても。

中庭の掃除当番変わったんだなーっ

前は熱心に一言も喋らずに掃除する真面目軍団だったのに

今日から何もしないチャラ男軍団か…。


私はどんな奴等か気になったから、

ロッカーの上から下を見てみた。

するとー




「おいおい~今日マック行く?」

「俺ミスド~」

「合コンすんじゃねーの?」

「そうだったーっ!何時から?可愛い子いる?」

「いるいる~こいつとかぁー」



3,4人ぐらいのチャラ男が中庭にいる。

見た目も中身も「肉食です」って感じの奴等。

猫からしたらそんなの興味ないです…



「ちゃっ…ちゃんと掃除してくださいっ」



ぼーっとしてたら突然大声。

下の肉食軍団も口をポカン...とあけている。


だけど私は声の主に驚いた。

―さっきのうさぎ君、須藤だったから。



「何だよ須藤。てめーみたいなガリ勉は俺等の代わりに掃除しとけよ」

「そうそうっ!須藤ガリ勉のくせに前のテスト0点なんだぜ?」

「うっそwアホだこいつ!」



チャラ男は須藤を取り囲み、笑いものにしている。

あんなに笑ってアホじゃないの…?

そして須藤は何も言い返せないのか、ずっとうつむいている。

―こういう時、私はどうするべきだろうか。


バッとかっこよく降りてあいつ等を追い払う?

こっから必死に叫ぶ?

須藤をこっちに呼ぶ?


…どうすれば…。





迷ってる最中だった。

須藤の反応が面白くないのか、

チャラ男達は掃除をサボッてそのまま教室へ帰っていった。





―何も、出来なかった。









「須藤!あんたあーいう時は何か言い返すべきじゃないの」

私はどうすればいいかわからないまま、下に降りて須藤の傍にいった。



「あ、あ…日高さん」

少し俯きながら須藤はボソボソと言った。

眼鏡の奥の目は少しうるんでいる。



「はいはいーチャラ男よりも怖い奴が来てごめんなさい」

私は須藤を置いて、もう一度ロッカーへ上ろうとした。



「あ、の…一緒に掃除してくれませんか」

須藤は泣きそうな真っ赤な顔で私を見上げた。

…うさぎかよ!

いや、ほんとうさぎだこいつ…。



「はあ?何で私が掃除なんか」

何を言い出すかと思えば掃除かよ…



「だって…あの人たち高山君たちいっちゃったし…人手足りないし…」

須藤は私を上目遣いで見つめてくる。

男の上目遣いってこんなに…っ

何か照れるし…こっち見られると照れる!



「わ...わかった」

…だってあんな顔で見られたら断れない。






須藤に指示されながら、私は掃除を開始。

11月上旬だからそろそろ肌寒い…

セーターだけじゃ寒くて、

日向ぼっこのために教室においてきたコートが欲しくてたまらない。



「ね…すっどぉ...へっくしゅんっ!!!!!!」

須藤を呼ぼうとしたら、思いっきりくしゃみが出た。

須藤はぽかんとこっちを見ている。

ほんと寒いな…。


長い髪の毛を出来るだけマフラー代わりにしようとする。

…けど、上手くいかない。


「日高さんって髪の毛長いね」

…え?

今それ?




「あ、ご…ごめん。あの、僕の学ラン使う?」

須藤は学ランを脱ぎながら私に聞いてきた。

何何何!?

急に優しいとか何よ…。



「い…いいよ、いらない」

ふいっと背を向けて、掃除を続ける。

何か空気に流されてる気がする…









“自由にいる”

がモットーなのに。


“人と関わらない”

って決めてるのに。



何でこんなにドキドキしてるわけ…。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ