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猫系女子とうさぎ系男子  作者:
【猫side】
1/10

うさぎと出会いました。

人間なんて、信じるのが馬鹿なんだと思う。

派手な人に気に入られれば誰にも嫌われない

とか

地味な人と一緒にいたら私まで嫌われる

とか。


結局誰もが自分のことしか考えてない。

もちろん私もその1人。

だからせめて、誰にも迷惑かけない自己中な生き方をしたかった。

誰とも関わらなくていいと思った。

―君に出会うまでは








「はー…。よく寝た…」

中庭の端にある、掃除用のホウキが入ったロッカーの上で

私は日向ぼっこをしていた。

これが私の毎日の日課。

昼休みにここでご飯を食べて、そのまま6時間目の後の掃除までサボる。

けど、今日はまだ5時間目が終わったところだった。

て、事はまだ50分ぐらい時間が余っている。

二度寝…しようかなあ…

そう思ったときだ。


爽やかな風が吹き、髪の毛が綺麗に散らばる。

それと同時に、下の方で「ひゃーっ」って声が聞こえた。

…男?

そして、2秒後ぐらいに景色が全て真っ白になった。

顔を触ってみると、どうやら白い紙が私の顔を隠したようだ。

ピラッ

四角に折りたたまれたその紙を開くと『第一学年中間考査 解答用紙』という文字が

見えた。

『第一学年』ということは同い年だ。



「待ってえええ!僕の答案~~~!」

下で叫び声が聞こえる。

…これは声の主のテストなのか。

何となくだけど、悪いことだとはわかっているけど…

私は声の主の点数を見てしまった。

『0点』

赤い、はっきりとした文字で点数は書かれていた。

一瞬100点なのか?と疑ってみたけど、

ひっくりかえしても裏返しても『0』は変わらない。


そして、同時に0点の人が誰か気になったから、名前も見てみた。

『須藤 修平すどうしゅうへい』と書かれている。

字はものすごく綺麗で、こんなに綺麗なら普通は高得点をとるような感じ。

クラスは4組…。

私の隣のクラスなのに、名前は聞いたことも見たこともなかった。

…と、いうことはかなりの真面目君か地味なのか、どっちかだろう。



「だ…誰かいますかっ?」

必死にロッカーと言う高い壁を越えてきた『須藤修平』は、

息を荒くしながらこちらを見ている。

髪はボサボサ、かけている眼鏡は微妙に傾いてる。

まるで、必死にライオンから逃げてきた

小さなうさぎのようだった。

じーっと見ていたら、目が合った。

そして、目が合った瞬間に須藤の血の気が引いていくのが分かった。



「うわ…本当に今日は最悪な日だ…」

ボソボソとそういう声が聞こえた。

須藤は真顔でそういってるから、多分独り言。



「ん、須藤修平さん、0点のテスト用紙」

膝をついて、まだ息を荒くしている須藤に私は解答用紙を渡した。

須藤はすごくビクビクしながら「あ、え、う、ん、あ…ありがとう」

といいながら、急いでその紙を取った。

…確実にビビッてるじゃん。


「須藤が最悪な日っていってる理由、当ててあげようか」

そんな須藤に嫌気がさしたから、そう言ってみた。

すると須藤は、独り言が聞こえてるとは思っていなかったようで

すごくすごく焦っている。


「①今日の『おはよう!モーニング!!』の星座占いが最下位だった②テストで0点、しかもその補習でGWは丸つぶれ③解答用紙が飛んでいって点数がバレた。しかもその解答用紙を拾ったのが、よりによって学年で一番怖いといわれてる『日高柚麻』だった。  でしょ?」

にっこりと笑って、須藤を見る。

『図星だ…』ってきっと思っているのだろう、眼鏡ごしに目をすごく大きく開いている。


「あ…あの…日高さん…何でわかるんですか…」

須藤は同学年なのに何故か敬語で聞いてきた。


「私もあんたと同じ山羊座だから」

くすっと笑いながら高みの気分で須藤を見る。


「山羊座…今日最下位ですもんね…日高さんも…今日最悪でしたか?」

まだビクビクしてる須藤が、だんだんと可愛く見えてきた。


「そうだね。二度寝しようとした瞬間に真っ白な解答用紙が飛んできたんだし」

そういうと、須藤はまたまた血の気が引いていた。

真っ青だ。ドラえもんじゃないんだからあんた…。



「あ、ほんとごめんなさい…!あの…わざとじゃないんで…!それに、運動神経…悪いだけなんで…ほんと…すいません」

泣きそうにながら須藤は言う。

これ以上からかったら可哀想かなあ?


「いいよ別に。私、寝るから」

須藤に背を向けて、私はゴロンッと寝た。


「あの…6時間目はサボるつもりですか?」

声がしたので目を開けると、すぐ目の前…人差し指一本ぐらいの距離に須藤の顔があった。


「わっ!?ちょっ!!!あんたっ///何っ!?」

「何って…サボるんですか?」

「サボるよ…いつもそうだし」

「駄目ですよ!!!さ、いきましょうよ」

ぐいっと須藤が手を引っ張る。


「意味わかんないんだけど何なのあんた。何様?」

須藤の手を跳ね除け、早口で言う。

すると須藤はしょんぼりした。

「ごめんなさい」

そしてそのまま、後ろから誰かに追われているかのように

ロッカーから降りていった。







―それが、君との出会い。

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