八回戦【元家】
〈第八回廃剣インタビュー〉
はい、廃剣インタビュー始まりました。
司会進行は俺、藤明鷹虎です。
今回は作者の友人からの質問だそうです。
っと言うことで、大我と椿と元にインタビューしたいと思います。
では、Let's interview!
大「また俺かよ・・・やっと忘れてくれたと思ったのに・・・」
鷹「文句は作者の友人に言え。」
椿元「作者の友人ありがとう!」
鷹「では、3人に質問~『3人の好みのタイプを教えて下さい!』だそうです。」
大椿「はぁ?」
元「おっ!女子特有の質問来た!じゃぁ、大我からどうぞ~」
大「興味ない。」
鷹「真面目に答えろよ。ちゃんとプライバシーは守るからさぁ~」
大「って、ないもんは無いしなぁ~まぁ、強いて言うなら~ブりっこ以外・・・かな」
鷹「本当に少ないな・・・じゃぁ次、椿~」
椿「俺?俺はねぇ~ある程度可愛くて、大人しい子がいいなぁ~」
鷹「こっちはこっちで多いな・・・じゃぁ次は元~」
元「明るくて可愛くて、犬好きで、お菓子作れて、背がちょっと小さめで、さらさらのロングの黒髪で、目がぱっちりしてて、ギューッとしたくなるような子で~それから・・・(永遠に自分の好みを談義・・・)」
鷹「もういい!分かったから黙れ!」
元「なんだよ!まだまだあるんだぜ!」
椿「理想高すぎるとなかなかモテないんだよ~」
大「実際モテてないじゃん。」
元「って、全くモテないって訳じゃないじゃん!」
鷹「煌希先輩ぐらいをモテるって言うんだよ、バカ!」
元「はうっ!じゃぁ、平助はどんなんがいいんだよ!」
鷹「ノーコメントで・・・」
大椿元「なっ!ずるいぞ!」
鷹「俺は司会だから良いんだよ!」
森「4人が喧嘩し始めたので終わりやで!」
=終了=
「大我!なんで今日の子供会出なかったの!?」
日曜日は部活がないためゆっくり、昼過ぎまで寝る。これが俺の日課。
しかし、大体が風香の怒鳴り声で起こされる・・・うつ伏せの状態のまま薄く目を開けると部屋の扉の前に風香が立っていた。何故うつぶせ状態かというと、俺の上に双子が乗りかかって遊んでるからである・・・
仰向け状態だと確実に何発か鳩尾に決められてしまうため、俺はうつ伏せに寝る癖がついてしまっているのだ。
「子供会って、中学生になったら任意なんだからいいだろ・・・ってか俺眠いから帰れ。安眠妨害で訴えるぞ。」
「安眠妨害って!ひどくない!椿も来なかったし、連絡くれたっていいじゃない!」
あぁ!五月蝿い・・・なんで義務でもない子供会なんかにでなきゃいけないんだよ・・・
それに子供会なんかビンゴしたり、お菓子食べたりするだけだろ。だったら寝てた方が良いに決まってる。ってかなんでお前に連絡しなきゃいけないんだよ・・・
双子をどかして春香を起こすように言ってから、ベッドから筋肉痛でボロボロの体を起こし、大きなあくびと伸びをして髪を掻く。風香は五月蝿い、お袋かお前は・・・時計を見ると短針がもうすぐで12を刺そうとしていた。ちょっと寝過ぎたかな?
「あぁ、五月蝿い・・・わかった、次からするから今日は帰れ。今日、元と椿と遊びに行くから。」
「えっ、じゃぁ私も行きたい!」
「はぁ?無理。」
「えぇ~!いいじゃない!私も遊びたい!」
駄々こねる風香を無視して、昨日連絡がつかなかった鷹虎には連絡しよう。
筋肉痛で痛い体を無理矢理起こし、机の上の携帯を開いて鷹虎に電話してみる。ベッドに寝ころび、長いコールを待っている間にまた眠たくなってきた。
『はぁいはぁーい、どした?』
こいつのこのやる気のない声・・・ってかこいつが携帯に出たのって初めてじゃないか?いつも留守番電話になってやがるし・・・
「あぁ鷹虎~?今日暇?みんなで煌希先輩に借りた試合のビデオ見るんだけど~」
『はぁ?またしてもいきなりだな・・・そうだな、もうちょっとしたら暇になるかも。』
そういう鷹虎の電話の後ろがなにやら騒がしかった。ってこいつどこにいるんだ?
「昨日電話したら出なかった。もうちょっとしたらってどれくらいだ?元たちの待ち合わせは3時なんだけど、それまでに間に合うか?」
『あぁ、昨日は帰ってすぐ寝た~3時?なら、まぁ余裕かな~じゃぁ』
と言って早々と電話を切られてしまった。まだ待ち合わせ場所も詳しいことも言ってないのに・・・とりあえずメールで詳しいことを送るか・・・。
っと言うことで、3時ぎりぎりまで寝よう、っと思ったが腹の虫が鳴いているのに気がつきリビングに降りることにした。
「ちょっと、大我!どこ行くの!?私も行きたい!」
風香の怒鳴り声を無視して、あくびをしながら階段を降りる。
リビングに着くとダイニングに食パンとミニサラダが置いてあった。ってか育ち盛りの中学生男子にご飯これだけって・・・。もうちょっと量を多くしてほしい。絶対チビ共と同じ扱いされてるよなぁ・・・
「ちょっと、何時にどこで待ち合わせか教えてよぉ!」
五月蝿い・・・誰もお前を呼ぶとは言ってないし。そう思っていると、ポケットに入っている携帯が鳴った。食パンをかじりながら携帯を開くと元からのメールだった。
『今日オレんちにしようぜ~今起きてさ、着替えるのめんどくさい。だから、オレんち来いよ~』
いきなりの変更・・・とりあえず鷹虎と椿に変更を伝える。なんで元はこういつも唐突なんだ!それに俺も今起きたんだが・・・
無視し続けた結果、風香は帰って行った。やっと平和が訪れた~
ん?ふと思った、なんで風香は俺の家にいたんだ?
「おぉ、大我~遅ぇ~ぞ!こっちこっち!」
眠い目を擦りながら椿と待ち合わせ場所へ少し遅れて行くと鷹虎が大きく手を振っていた。そんなに振らなくてもお前のその身長で分かるっての・・・
「っで、元の家の場所誰か知ってんの?」
椿が欠伸を噛み締めながら問う。椿は俺が待ち合わせの時間に椿の家に迎えに行ったときに起きたのだ。寝過ぎだろ・・・おかげで遅刻したし・・・
俺も椿も元と小学校が違うから家など知らない。知っているとしたら鷹虎だな。
「俺は知らん!」
って何偉そうに言ってるんだよ、駄目じゃん!どうやって元の家まで行くんだよ!
「でも、お嬢に元の家聞いてきたから大丈夫!集団下校が一緒だったらしくてさ、ここから10分ぐらいのところだって、行こうぜ~」
なんだ、ならいいや。だったらなんで一回目知らないって言ったんだよ・・・意味不明。
鷹虎はなぜか天地のことを『お嬢』と呼ぶ。
ヤクザか!?と思うが、お嬢様の意味だったらある意味ピッタリかもと思い放置している。
自転車で約10分ぐらいの住宅街に元の家はあった。
元の家は白をベースにした大きな一軒家だった。ってか、元って金持ち!?豪邸じゃん!
インターホンを押して少し待っていると、ジャージ姿の柴犬を抱いた元が玄関からではなく裏口から出てきた。
「おぉーい!そっちじゃなくてこっちから入ってくれ~!玄関からだといろいろ五月蠅いから・・・」
元は手を大きく振りながら案内した。裏口と言っても俺の八百屋の汚くて狭い裏口と違って綺麗で広かった。こいつ、良い暮らししてるんだ。
元の案内で家にあがると綺麗で広いリビングが広がっていた。こちらも白をベースにした家具や明るい照明が目に優しかった。
綺麗だけど、なんか生活感が感じられなかった。それにしても・・・広すぎる!
「リビングなんかいいからオレの部屋来いよ。」
元はリビングに衝撃を受けていた俺達をほって階段を上がっていった。元はなぜか不機嫌になっていた、なんで?
二階の一番奥に元の部屋があった。部屋は意外に綺麗だった。元のことだから絶対ベッド以外は足の踏み場もないぐらい散らかってると思ったのに・・・俺の部屋より綺麗ってなんか負けた気がする・・・
「はぁ!なんで元の部屋なのにこんなに綺麗なんだよ!」
鷹虎も俺と同じ考えだったらしい。おそらく鷹虎の部屋は汚いのだろう・・・椿はすでに顔を背けていた。
「だって、せーさんが勝手に掃除するから。」
「せーさん?」
誰だ・・・?
「世話係さんだからせーさん!俺がちっちゃい頃からいるんだ~」
世話係・・・そんなのいるのか?大我は50のダメージを受けた。
ってから名前の付け方・・・
「せーさんって名前じゃないんだ。」
やっとこっちを向いた椿が元に質問。確かに瀬藤とか瀬川さんとかのせーさんかと思ってたが、世話係だからってせーさん・・・?
「だってせーさんはコロコロ変わるし、その度名前覚えてたらパンクしちゃうんだよ~」
・・・俺達とは次元が違う!
なんだよ世話係って!?いないよ普通!俺んちに欲しいよ!チビ達の面倒見てくれ!
「元の両親って、何やってんだ?」
今までショックで黙っていた鷹虎がやっと口を開いた。しかし、元は鷹虎の質問を聞いた途端またしても機嫌が悪くなってしまった。
「2人とも医者だよ。そんな事いいから、速くビデオ観ようぜ!」
やっぱり話を反らした・・・どうやら元は親の事嫌いみたいだ。元は俺に手を差し出してビデオをよこせと合図する。
とりあえず、元の言うとおり煌希先輩から借りた試合のビデオを元に渡した。
試合は決勝戦しか映っていなかったが、その約15分でいろんなことを学んだ。試合の雰囲気、場合によっての対応術、技の種類。これをあと一週間でやるのは無理だ。でも、次の試合までには・・・
「おぉ~!今の技めっちゃ格好いい!オレあれやりたい!」
元が感嘆した技は抜き胴だった。確かに胴技は格好いいがその分難しい。反射神経と手首の返し、体の移動が速くないと容易くは使えない。ちなみに俺は苦手だ・・・
「なぁ大我、先鋒何で勝ったんだ?俺見えなかった・・・」
鷹虎がテレビを見ながら聞いてきた。さっきから先鋒を何度も観てると思ったら、そう言うことか・・・
「ん?あぁ、速くて見えにくかっただろうけど、出小手だよ。」
「「デゴテ・・・?」」
元と鷹虎が2人で首をひねる。はぁ~説明めんどくさいよ・・・ってか元は煌希先輩に説明して貰ったんじゃないのか!?
「出小手ってのは相手が面を打とうと出てきた瞬間に小手を打つことだよ。」
椿が元の柴犬、名前は玄さんを撫でながら答えた。確か、椿は出鼻技が得意だったな・・・ってか椿はもうビデオ見る気ないのか!
その時、部屋の扉がノックされた。元は首を傾げながら扉を開けると物凄く嫌そうな顔をしたのが分かった。
「いらっしゃい、元の母親です。ゆっくりしていってね~」
ジュースとお菓子を持ったこの綺麗な女性が元の母親?
黒いロングの髪を後ろで一つに束ねており、とても一児の母には見えない。DNAって分からないな・・・
俺だけではなく椿や鷹虎もボーとしてしまっていた。
「もういいから、速く出て行けよ。ってかなんで今日こんなに早いの!」
元は明らか嫌そうな雰囲気を出しながらお盆を受け取った。やっぱりこいつ反抗期?
「昨日遅番だったから今日は早く帰らせて貰ったのよ。じゃぁ皆さんごゆっくり~」
そう言って母親は部屋から出て行った。結構綺麗な人だったな~俺の母親と交換して欲しい・・・
「ったく、なら連絡しろって・・・あの自己チュー。」
ブツブツ言いながら小さなテーブルをベッドの横から取り出し広げお盆を乗せた。
「元は母さんと仲悪いの?」
椿、元に親の話は止めろ・・・機嫌が悪くなる。
「単にオレが嫌ってる。あいつらは子供をほっぽりだして仕事ばかりして、子供のオレを実験体としか見てないんだよ。グレるぜ普通~」
両親共に医者だったら忙しいだろうな・・・でも、実験体って言い過ぎでは?
元はそう言って皿にのったクッキーを囓りながらため息をついて続けた。
「だってあいつら、オレに与えるものでどんな反応をするかを実験してたんだぜ!それ知ったときオレあいつらの事嫌いになった・・・」
確かに、それは実験かもな。いや、ただの成長記録っと言うことも・・・
嫌いになった、ということは昔は好きだったということか・・・元の親は元をどう思ってるんだろう。って、何でこんな重たい話になってるんだ!誰か話を変えろ!
「2人とも医者だったら、滅多に家に帰ってこないんじゃね?1人で大変じゃないか?」
鷹虎はジュースを口にしながら元に質問した。余計に聞いてどうすんだよ!状況読め!
「だから、せーさんがいるんじゃん!飯も冷凍しといてくれるし、本来母親がする身の回りの事は全部せーさんがしてくれてるよ。」
飯が冷凍ね・・・だから元は俺の家とかに来たがったのか。暖かい家庭を夢見てたんだな・・・こいつがグレずに今ここにいるのはある意味奇跡なのかもしれない。
「こんな話どうでもいいじゃん!折角集まったんだからなんかして遊ぼうぜ~」
元は明らかに話をそらし、棚からいろいろ探り出した。
「じゃぁ、また明日学校でな!今日はサンキュー~」
5時ごろに元の家を出た。あれから、元の好きな新撰組談義と元の柴犬、玄さんの可愛さを聞かされ疲れた・・・
『新撰組は殺人集団なんか言われてるけど、実際は幕府からの命令で・・・・・・っで、近藤勇のところに集まった侍が幕府に仕えて新撰組を・・・』
『玄さんはオレが小学生の時に家の裏に捨てられてて、もうめっちゃ可愛くてさぁ~抱き上げるとモフモフなの!そんでさぁ~・・・・』
訳が分からないし、どう反応すればいいか分からないまま右から左に流していた。
椿は主に玄さんを撫でて遊んでるし、鷹虎は元の部屋の漫画を読み始めていた。こいつらも自由奔放としてるな・・・
それにしても、疲れた・・・
今回は元の家に乗り込むという話でした~
試合前の一時の休憩ですな~
次からは試合です!
ふざけられないと元がぼやいております!
乞うご期待!
では、Have a nice day!