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七回戦【酸欠】

〈第七回廃剣インタビュー〉

はい、こんにちわぁ~第七回廃剣インタビュー始まりましたぁ~今回の司会は天地月明がやらしてもらいますぅ~

今回は私達がお世話になっている煌希先輩と葵先輩にインタビューしたいと思いますぅ~


では、Let's interview~


月「こんにちわぁ~」

葵「あら、つきちゃん~」

煌「つきちゃん?」

葵「そう、月明だからつきちゃん!」

煌「単細胞、単純バカ。」

葵「五月蝿い!」


月「ここで質問です。葵先輩と煌希先輩、仲良いですねぇ~」


煌「質問になってねぇし・・・」

葵「まぁ、煌希と森羅は小学校同じだったし、町内会一緒だったから幼なじみみたいな感じかなぁ~」

月「そうなんですかぁ~仲良くていいですねぇ~」

煌「単なる腐れ縁だよ、腐れ縁~」

葵「ほんと、あんたと森羅のせいで私も迷惑してるんだから!」

煌「森羅は分かるが、俺が何かしたか?」

葵「授業中寝てるでしょ、携帯持ってくるし、サッカーしてて相手怪我させるでしょ、遅刻常習犯だし、先生にタメ語で話全く聞かないし、それに・・・」

煌「わかった・・・もう言わなくていい・・・」


月「意外に煌希先輩が不真面目と言う事実がわかりましたぁ~言い出したらきりがないらしいので、インタビューは終了しますぅ~」



大「ところで、廃剣インタビューって、今回は第六回じゃないのか?」

元「なんか作者が回数がずれて面倒くさいから、一緒にしたらしいよ~」

椿「駄目な作者だね。計画性なさすぎ・・・」

=終了=


はい、すみません(-_-#)

全く計画性ないです・・・

それから、地獄のような特訓が始まった・・・

試合の事が話されてから3日、基礎が出来ている俺は永遠に森羅先輩と自稽古と掛かり稽古をやり続ける。おかげでこの3日筋肉痛で体中が痛い。授業中は主に寝る、昼休みは飯食って寝る・・・


「ほら、腕下がってるで!もっと前に足踏み込まなあかん!声が出てない!抜けるときに体が曲がったらあかん!真っ直ぐや、真っ直ぐ!そんなところ打ったて一本にならんで!また腕下がった!あぁ、転けたあかん!はよ立て!」


森羅先輩の掛かり稽古は思った以上にきつかった。

打った後の残心はコートの端まで走っていき、打ちが甘かったら先輩が竹刀で背中を思いっきり押される。足腰が弱かったり体勢が崩れてると転ける。転けてからもすぐに立たないと竹刀で転がされる。

声が出てなければ腰を押される。残心を真っ直ぐに抜けないと腕を引っ張られ真っ直ぐに修正される。

それを3分間やり続ける。掛かり稽古が終わると少し休憩を挟んですぐ自稽古に入る。自稽古は3分区切りに三回連続。3分は短いと思われるがやっている方からすれば相当きつい・・・



「大我~大丈夫~?」


半分酸欠状態で休憩している俺にのんびりとした口調の椿が話しかけてきた。このお気楽野郎・・・

椿と元、鷹虎、風香、月明は基礎がまだ出来ない5人は葵先輩と煌希先輩が指導している。

でも、煌希先輩も無口だし、葵先輩は緩いからか俺より楽そうに見える。こっちは吐きそうになりそうながら稽古してるのに・・・元と椿は防具を着けてお互いに切り返しや基本の面打ちなどをしている。


「あぁ、死ぬ・・・腕も足もがくがくだし、もう歩けないかも・・・」


「かもってことはまだいけるな。次自稽古行くで~」


森羅先輩はそう言って竹刀を構えた。確かにかもって言ったけど、かもどころじゃない・・・絶対無理!


「えっ!また・・・ですかぁ!俺まだ・・・息が・・・もうちょっと休憩を・・・」


まだ息も上がったままなのに、こんな状態で自稽古したら死ぬ・・・っていうか森羅先輩なんであんなに元気なんだ?息上がってもすぐに回復するし、打ちも的確に当てていく。


「しゃぁないな~あと5分やるからその間に回復しいや~道場はもっときつい練習してるで~あっ、そうや~煌希~ちょい来てくれへん?」


森羅先輩は鷹虎の腕を直している途中の煌希先輩を呼び出す。煌希先輩は鷹虎に何か言ってからこちらに歩いてきた。


「なんだ?っていうか大我の練習きつくないか?一応初心者なんだから、もうちょっと丁寧にしろよ。」


煌希先輩、優しい・・・でも、そう言われると逆にやり切ってみたいいう気持ちになる。確かに森羅先輩の指導はきついけど、ためになる事ばかりだ。


「あと3週間でやるならこれくらいしな間に合わへん。俺と煌希の次の砦やもん、頑張ってもらわな~っというわけで、俺とばかり稽古しててもワンパターンでおもろないから次は煌希が稽古したって~」


そう言って森羅先輩は座って面を外してしまった。

俺に期待してくれてるのは嬉しいけど、もう体が言うことを効かない・・・荒い息を整えながら煌希先輩を見上げる。煌希先輩は俺を見ながらばつの悪そうな顔で俺を見てから小さなため息をついた。


「はぁ、しょうがない。ただし一回だけな。俺も向こう見なきゃ駄目だし。大我、よろしく。」


面を外した森羅先輩の頭を小突きながら面を付け始めた。

煌希先輩は上から面紐をつけるので少し時間がかかる。その間にフラフラの足でしっかり立ち、戦いに備える。立った際に頭に鈍い痛みが走ったが無視した。


ふと見ると俺も面紐が緩くなっていることに気が付いた。

座って一度結び目を解き、面を外さずに紐だけ締め直す。俺は下の面紐だからそこらへんは楽だ。

上からだと面の面金の上から下へ二回結ばなければならないが、下からだと逆に上で一回結ぶだけでいける。

それに、下面だと結び目を解かずに上にスライドさせて外せば次から出来上がった輪っかを上からかぶるだけで面がつけられる。

しっかりと結び直し、立ち上がる。煌希先輩もアキレス腱を伸ばしたり軽くストレッチをしながら試合コートへ向かう。

剣道のコートは一辺が9mから11mの正方形中央に罰点印がありそこから少し離れた場所に開始線が引いてある。

開始線でお互い剣を抜き蹲踞をして構える。

審判の始めの合図で一斉に立ち上がりそこから3分の短いようで長い試合が始まる。


その後は正直記憶がない。

試合はぼろ負け。煌希先輩は森羅先輩ほど怒濤の攻撃はなかったが、俺の隙を透かさず突いてくる。

その攻撃をかわすので自分の打ちに集中できない。

そして、3分間の試合が終わった瞬間俺は酸欠で倒れた。



「大我、まだ吐きそう?」


外で風に当たりながら休憩している俺に風香が話しかける。倒れたあとも吐きそうで蒸し暑い道場にいるのがしんどかったため外に出た。吐き気を抑えながら静かに頷く。


「先輩が汗が乾くと風邪引くって。はい。」


風香はそう言ってジャージを肩にかけてくれた。“ありがとう”と言いながら袖を通すと、風香は少し笑ってから道場へ入っていった。煌希先輩のジャージだからか少し大きくて、袖が余ってしまった。

はぁ~酸欠で倒れるなんて、なんか格好悪い・・・


「大我大丈夫かぁ~?今日はちょっときつかったかもしれんなぁ。昨日の練習をこなせたから出来るかと思ってんけど、まだ速かった見たいやな・・・堪忍な・・・」


森羅先輩は頭を掻きながら謝った。“いえ”っと言おうと思ったが吐きそうだったから首を横に振るだけにした。

森羅先輩が出来ると思ってくれたのに、期待に応えられなかったのが悔しかった。そろそろ練習が終わるらしく切り返しの音が道場に響き渡っていた。俺も切り返しをしようと思ったんだが、立とうと思うとまだふらついた。


「大我は切り返しせんでええよ~とりあえず中入ってゆっくりしとき~」


そう言って森羅先輩は道場の中に入ってしまった。

ふらつく足に力を入れ道場に入る。中を見るとみんなが切り返しをしていた。そんな中を通って道場の壁際に行き壁にもたれかかりながら静かに座る。もうちょっとしたら礼をして終わる、それまで待っておこう・・・



「ったく、酸欠起すなんて鍛え方が足りないんだよ。確かにお前の練習はきつかったけど、もっと鍛えなきゃ。」


制服に着替えながら鷹虎に言われた。確かにお前みたいな体力バカに言われたら言い返せない。

でも、もう酸欠の事は恥ずかしいから触れないで欲しい・・・それにお前たちの練習と一緒にするな!


「それは悪かったな。じゃぁ、酸欠で倒れるような俺に教わりたくないだろ。もう朝練手伝ってやらねぇ。」


鷹虎は元に負けたくないらしく、遅れてる分を朝練をして追い上げている。それに俺は無理矢理手伝わされている。おかげで春香の送り出しを母親に頼んでしまっている。なんか申し訳ない・・・


「あぁ、嘘うそ!あんなけの練習したらそりゃ酸欠にもなるぜ!いや、むしろあんな長い間酸欠にならなかった大我はすげぇよ!」


このおかげで最近鷹虎は俺に頭が上がらない。これはこれで良いものだ。制服に着替え終わり、胴着を綺麗に畳んでからエナメルにつっこむ。そういえば・・・


「煌希先輩、試合申し込んだって言ってましたけど、オーダーはどうなってるんですか?」


大概の試合は試合申し込みの時点でオーダーを提出することが多い。しない大会もあるけど、その場合は事前にオーダーを決めておくのが普通だ。


「それが、森のおっさんに聞いても教えてくれなくて・・・なにか考えている様だけど、何を考えてるんだか全くの不明だよ。」


「まだ決まってないってことは申し込みの時に提出しなかったんですか?」


「あぁ、今回は試合って言っても地域の小さな大会だからな。まだオーダーは提出しなくても良いんだ。

でも、この試合で名を広げておけば後の地区大会で審判に名前が知られていることになる、そうなると有利だろ?まぁ、おそらく森羅が大将で俺が副将だろうけどな・・・」


なるほど、小さな試合にも結構地区大会の審判が来てる、審判に名を知られていると試合では有利って父さんが言ってた様な気がする。

そうか、小さな試合だからといって気を抜いちゃ駄目なんだな。だから、こんなに必死で練習してるんだ~


「なぁ、そのオーダーって何?」


「タイショウ?フクショウ?」


パンツ一丁の状態の元とブレザーのボタンを止めている椿がこっちに聞いてきた。

元、とりあえず服を着てくれ・・・


「オーダーってのは試合の出る順番のことで、5人制で一人目から先鋒せんぽう次鋒じほう中堅ちゅうけん副将ふくしょう大将たいしょうの順番で並んでるんだ。」


剣道っというより武道に共通した順番。初めは結構覚えるのに苦労した・・・

この順番に順位はついていない。確かに大将と聞いたら一番と思うだろうが、そういうわけではない。五人のどこだろうがそれぞれの特性や性質があり、それにあった人がやるのが一番だ。大将柄の奴もいれば、元のように先鋒柄の奴だっている。


「なるほど、じゃぁ俺はどうなるのかな?先鋒、次鋒、中堅のどれかだろ?どれかな~」


椿はそう言いながらニコニコしながら俺に聞いてきた。

俺が知るか・・・俺だってどこに入るかわからないし、メンバーに入るかどうかもわからない・・・

ん?確か俺たちは6人、試合に出れるのは5人・・・一人補欠になるってこと?誰が抜けることになるんだ?


「あの~そのオーダーはいつ出るんですか?」


鷹虎は小さく手をあげながら先輩に質問した。しかし、煌希先輩は罰が悪そうに頭を掻きながら苦笑い。


「先生の気まぐれだから、分からない・・・最悪当日の試合の直前に言われることもある。」


マジか・・・じゃぁどうやって自分のプレイスタイルを考えればいいんだ?っていうか、森先生ルーズ過ぎるでしょ!っていうか、俺は絶対先鋒は嫌だ・・・次鋒らへんが望ましい。


「まぁ、とりあえず勝てば良いんだろ?勝ってやろうぜ!」


やっとズボンを着だした元がそう叫んで拳を俺達に見せつける。こいつ本当に楽天的だな・・・もうちょっと悩もうぜ。だから、お前はさっさと上着を着ろ!

いつの間にか男子6人で陣を組んで話している感じになってしまっていた。俯いていた顔を上げてみると煌希先輩と森羅先輩の後ろに少し怖い顔をした葵先輩が立っていた。

楽しげに話す煌希先輩と森羅先輩の頭を掴んでにっこりとした。


「男子はそんなこと話してる間にさっさと服を着て、帰る用意しなさい!もう道場閉まるわよ!」


葵先輩はそう言って思いっきり二人の頭を叩く。いきなり叩かれた二人は頭を押さえながら静かに頷いた。元は早々とYシャツを着てブレザーを羽織った。葵先輩、恐るべし・・・



道場を出てからみんなで防具屋に行くことになった。

3日前に胴着の採寸に行って3日後に来てくれと言われたので今日来ることになった。5人分の胴着を3日で出来るのか?と思ったが昨日出来たという連絡あったらしい。

この防具屋は新羅先輩の行き付けらしく、面積の割には防具や竹刀、胴着、手拭いなどがたくさん置いてあり少し狭かった。ここの店主は新羅先輩の父親の知り合いで高校時代の友人だとか・・・


「銀次のおっちゃん!胴着貰いに来たで~あれ?どこ行ったんや?おっちゃんってば!みんなちょいと待っといてな~」


新羅先輩はそう叫びながら防具屋の奥の座敷に上がっていってしまった。勝手に上がってもいいのか?

とりあえず、待っとけ言われたので防具の棚の間に座って待つことにした。この店は狭く天井が低い為、背の高い鷹虎は少しかがみながら窮屈そうに待っていた。背が高いというのも考え物だな~

それから数分待っていると、中から森羅と共に道源どうげん 銀次ぎんじさんがあくびをしながら出てきた。


「いやぁ~皆さんすまんなぁ~少し居眠っていた。ほれ、これが5人分の胴着だ。まだ初めで固いかもしれないが、時期慣れるだろう。っで、森羅は何か買いに来たのか?」


「いや~竹刀ボロボロになっちゃって・・・今日は二本直して~」


おじさんは袋に入った胴着を煌希先輩に渡した後、森羅先輩の竹刀を手に取り付箋を貼って棚に置いた。ここでは竹刀修理もしてくれるらしい。森羅先輩は毎回ここでやってもらっている、お金持ちの考えることはわからない・・・


そのまま、防具屋を出た。元たちは胴着を貰ってウキウキしていた。

よく考えれば、俺は胴着も買わないし竹刀も買わない・・・なのに、なんで俺はここまで来たんだ?学校を出て帰れば良かったのに。はぁ~無駄な時間を食ってしまった。時計を見ると6時30分を回っていた。ここから家までこのペースで歩いて約20分かかる。帰るのは7時近くになりそうだな・・・速く帰って寝たい。

そのまま、俺は椿と共に家に帰った。

そして、玄関で倒れるように寝た。

練習風景が書きにくい・・・

剣道のイメージが無い人は分かりにくいかもですが、次から頑張ります(≧ε≦)


俺は地震なんかに負けない!

まぁ大阪だからあまり影響ないけど(-"-;)


次回は試合に向けて作戦会議+元の話~

元ファンは乞うご期待!


では、Have a nice day!


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