六回戦【虎と月】
〈第五回廃剣インタビュー〉
はい、第五回目廃剣インタビュー始まりました!今回の司会は私、山咲葵が務めさせていただきます!
今回は大我君が逃げ出して今椿君が捕まえているので斉藤元君にインタビューしたいと思います!
では、Let's interview!
元「いやっふぅー!やっとオレの出番が来たな!」
葵「元君はいつも元気だね~良いことだね~」
煌「ただ五月蝿いだけじゃないのか?」
元「えっ!煌希先輩それないですって!」
葵「では、元君に質問!休日はいつめどうしてますか?」
元「ん?休日かぁ~だいたい昼まで寝てる。その後昼飯食って部屋でゲームか外で友達と遊ぶ。あっ、でも時々近所のおばさんの家に行く~」
葵「自由奔放と過ごしてるねぇ~」
煌「だらしないだけだろ?」
元「ちょっ!さっきから煌希先輩酷くないですか!」
煌「出たくもないこんなコーナーに出されてんだ、どこに八つ当たりすればいいんだよ。」
元「だからってオレ!」
椿「大我捕まえました~」
大「離せ!毎回俺出てるんだから一回ぐらい出なくても良いだろ!」
元「駄目だよ~大我は常連さんなんだからさぁ~」
大「こんな常連嫌だ!」
椿「まぁまぁ、ほらカボチャチップス食べる?」
大「あっ、いる。(キラキラ)」
元「大我の弱点ゲットですね!」
煌「このコーナーも良いとこあるじゃん。」
葵「えぇ~なんかグダグダになったから終了します~」
=終了=
「大我~今日から稽古入って良いって!あと明日放課後防具屋さんで胴着買いに行くんだって!」
元がそう言いながら俺を叩き起こす。眠たい目をこすりながら時計を見るとあと10分で5時間目が始まるという時間だった。
早弁をしてしまって弁当がなくなったため、昼休みは主に睡眠時間にしている。それをいつもこいつが邪魔する・・・
まぁ、今日みたいなまともな内容ならまだいいが『リフティングが100続いた!』とか『購買のおばちゃんが牛乳くれた!』などなんともどうでもいい内容の時は殺してやろうかと思う。
「そうか、よかったな・・・じゃぁ俺は寝る。」
ブレザーを頭に被せて机に伏せて寝る。どうせ5時間目は国語だ、国語は寝るためにある。あとで雷にノート見せてもらえば問題なし。
「って、喜ばないのかよ!先輩たちと稽古出来るんだぜ!それに自分の胴着買えるんだぜ!」
元は俺の頭のブレザーを取り上げ頭を激しく叩く。
痛い、眩しい、五月蝿い・・・枕にしていた自分の腕を元の腹めがけて発射させると見事にクリーンヒット。心の中で小さなガッツポーズ。
「俺は自分の胴着持ってるし。確かに稽古は楽しみだけどまだ俺らは先輩の相手にならないよ。それに、いつか稽古のしんどさを味わうよ・・・」
こいつの五月蝿い声で目が覚めてしまった・・・体を起こして大きく伸びをする。
確かに稽古が出来るのは嬉しい。だが、稽古の辛さは父親からたくさん聞いた。だからちょっと不安もある。
それにしても、こいつはなんでこんなに声がでかいんだ。まぁ、剣道には利点だけど日常生活ではうざい・・・
「そりゃ敵わないのは分かってるけど・・・でもやっぱり嬉しいじゃん!平助もそう思うよな~」
そう言って横で必死に宿題を写してる藤明 鷹虎に話しかける。
ん、宿題・・・?俺は机の中のノートを確かめる。
「あ゛ぁ!俺は平助じゃねぇ!鷹虎って言ってんだろがぁ!」
「だって新撰組の藤堂平助の幼少時代の名前が宜虎って言うんだもん~だから平助!良い名前だろ~」
元はそう言って鷹虎の首を絞める。最近わかったことだが元はテンションが上がると首を絞める癖がある。全くもって迷惑な癖だ。
鷹虎を不憫に思いながら俺も宿題をやっていない事に気付き鷹虎の答えを写す。間に合うか・・・
「勝手に人のあだ名決めといて何が良い名前だ!じゃぁお前のあだ名、チビ猿な!」
「はぁ!猿とはなんだ!ってかどこらへんが猿なんだよ!それにチビって言うなぁ!」
「常にキーキー叫んでる所が猿!俺の肩にも足らない身長だからチビって言ってんだよ!140cmないんじゃないか?」
鷹虎は本格的に喧嘩腰になったため鷹虎のノート、元い雷のノートが空いた。それをすかさずいただいて写す。
全くもって低レベルな争いだ・・・そして鷹虎のネーミングセンスの無さに吹き出した。
鷹虎は元の頭を軽く叩くと歯を出して笑った。
地毛の少し赤色が混じった短髪に明らかヤンキーだろっていう感じの面立ちに目つきはめちゃくちゃ悪い。そして中1なのに180cmの身長、化け物並みの力。
鷹虎は三日前に剣道部に入ってきた新入部員だ。この身長を活かしたプレイを期待している。
「失礼な!151cmだもんね!そんなん平助が高すぎるんだよ!」
151cmというなんとも小柄な元が鷹虎に飛びかかるが鷹虎が腕を伸ばせば元なんか簡単に止められる。見ているだけで悲しくなってくるこの状況。
極端にでかい奴と極端に小さい奴の対決、傍観者からしたらこれほどおもしろい対決はない。やっとの事で宿題を写し終わり大きな伸びをする。
とうとう二人は喧嘩に発展しお互い持っているプロレス技をかけ始める。見ているこっちは大爆笑。外のサッカーから帰ってきた雷が二人の対決をプロレスアナウンサーの様に実況中継をしだした。
鷹虎は仰向けに寝ている元の腿の外側から、自分の足で巻き込むように挟み、その状態で自分の両手で元の両手を持ち、そのまま後方に自ら倒れこみマットに寝るようにして、元の体を吊り上げる。簡単に言えば仰向けのまま逆パカの状態、背骨が相当痛いだろう。
「おぉっと!平助が元に“吊り天井固め”を仕掛けた!元選手苦しい、痛い!耐える!」
「雷!てめぇまで平助って呼ぶんじゃねぇよ!っ痛!」
鷹虎が雷に文句を言っている間に元が鷹虎の手を抓った。そこからは元の逆襲、鷹虎をうつ伏せに寝かしつけ腰の辺りに座り鷹虎の顎を両手で掴み上に上げる。一般に言う逆エビ状態。
「おぉと!元選手鷹虎選手の技を避けて“逆エビ”を仕掛けたぁ!鷹虎選手、これは痛い!」
「いだあ゛あ゛あ゛!痛いってぇ!」
「参ったかぁ!?チビでも強いんだ!」
俺を含めた見てる周りの男子は二人と雷を見て大爆笑。腹抱えて涙しながら笑っていると先生が教室に入ってきた。それから男子全員説教。説教の間も鷹虎と元は足の踏み合いをしていた。懲りないなこいつら。
「あんな怒んなくても良いよな~平助が悪いんだぜ!」
「はぁ?先に喧嘩売ってきたのはお前だろ?」
部活に向かう中も二人はそんな言い合いをしていた。椿に何があったかを話すと爆笑。笑い上戸な椿は一度笑い出すとなかなか止まない、さっきからずっと笑ってる。
そんな三人を置いてさっさと道場へ向かう。靴を脱いで道場に入ると今日は一番乗りだった。いつもは煌希先輩がいるのに今日はまだ来ていないようだ。
とりあえず俺は胴着に着替えてあと三人は体操着に着替え素振りをする。鷹虎は元と椿より少し遅れて入ったため必死に追い上げてきている。
鷹虎が入部した理由は空手部が無くなっていたから。何か武道に入りたかったらしいが空手部、柔道部、合気道部はこの2・3年で廃部していた為剣道部に入部したらしい。しかし、鷹虎もなかなか筋が良い。高い身長に長い腕、なかなかの選手になりそうだ。
「へぇ~平助小学校ではバスケやってたんだぁ~」
「おう・・・でも・・・バスケつまらな・・・いし・・・きついか・・・ら止めた。」
素振りしながら話しているせいで途切れ途切れに喋る。というより、もう平助で了承しちゃってんのか?
なるほど、バスケか・・・確かにその身長だったらバスケでも有利だろうな。でも、止めた理由がつまらないってなんだよ・・・そんな事を思いながらずれた鷹虎の左手を竹刀で軽く叩く。鷹虎は少し嫌な顔をしながらも直す。
そんな時、騒がしい音を立てながら煌希先輩と葵先輩が武道館に入ってきた。二人共息を切らしながら前かがみになる。
「先輩達どうしたんすかぁ?そんなに急いで~」
元は竹刀を首の後ろに掛けながら先輩達に近づく。煌希先輩も葵先輩も息を整えながらゆっくり顔をあげる。
「森のおっさんが試合に申し込みやがった!しかも5人戦で!」
なんだ、試合かぁ~
ってえぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
試合って無理だろ!初心者4人だぞ!森先生何考えてんだ!
俺と椿が声にならないほど驚いていると後ろからなにやら信じられない言葉が聞こえた。
「よっしゃぁ!試合だ!」
「わぁ~い!燃えてきた!」
振り返ると元と鷹虎が二人でハイタッチをしていた。おい、待てよ・・・お前達状況を見ろ!竹刀を握って2週間弱の初心者4人に何が出来る!
開いた口が塞がらない俺と椿がバカ二人を見ているとゆっくりと森羅先輩が道場に入ってきた。
「よぉ~大変なことになったなぁ~まぁうちは大丈夫やと思うけどなぁ~あと1ヶ月あるし、それまでに詰め込めばいけるんちゃう?」
「何のんきな事言ってるのよ!男子は5人揃ってるんだから良いわよ!女子は三人しかいないのよ!」
葵先輩・・・突っ込むとこそこ!試合をするという事自体に突っ込んでください・・・
女子三人というのは葵先輩と風香とあと一人、5組の女子が入ったのだ。名前は確か・・・
「あのぉ~どうしたんですかぁ~なにやら声が・・・」
噂をすれば影。天地 月明が道場に顔を出した。
長めの黒髪に大人しい風貌、ほんわかとした雰囲気を醸し出しお嬢様のような少女。天地はなぜ剣道部?というほど可愛らしくて大人しい子だ。
天地は風香の友達で風香に誘われて入部してきた。風香の選択ミスだと思ったが、天地は元々弓道をやっとおり止めたばかりらしい。
事情を聞いた天地はビックリしてパニックになり、手を上下に振っている。
「えぇ~!そんなぁ試合なんて、私できませんよぉ~まだ竹刀もまともに振れないのに~」
天地は一生懸命葵先輩に講義。うん、一般人がいた。このバカ二人がおかしいんだ。俺はいたって正常だ。
「大丈夫やって、今からの一ヶ月で詰め込めばそれなりの試合は出来るようになるわぁ~皆なかなか筋はええし~」
森羅先輩は手を後頭部で組み軽く言った。確かに森羅先輩は教えるの上手いし、道場の跡取り息子だけど、そこまでの指導ができるのか?一ヶ月で試合出来るぐらい上達するのだろうか・・・?地獄の1ヶ月になりそうな予感・・・
なんかめっちゃキャラ増えた…
でも、これで団体戦に出れる!次から本格的な練習に入ります(^v^)v
では、Have a nice day!




