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五回戦【勧誘】

〈第四回 廃剣インタビュー〉

はい、始まりました廃剣インタビュー。司会はこの沖林煌希がやらせていただきます(棒読み)

今回も大我と椿にインタビューをしたいと思います~


それでは、Let's interview!


大「また俺ですか・・・てか先輩めちゃくちゃ棒読みじゃないですか。」

煌「台本読んだだけだし、やる気ない~」

大「じゃぁ止めません?このコーナー・・・」

椿「それは駄目だよ~じゃぁ先輩続きをどうぞ。」


煌「じゃぁ、質問です。大我と椿はいつから友達なんですか?」


椿「大我との出会いか~あれは雪の降っていた夜の事だった~」

大「勝手に話作るなよ。単に親同士が仲良くては同じ商店街に住んでただけじゃん。」

椿「大我って本当ノリが悪いね~そこはノってくれなきゃ。」

大「そうですか・・・すみませんねぇ。」

煌「大我も椿もお互い真逆の性格だから相性が合うのかもね。じゃぁ、俺寝なきゃいけないから帰るわ。」

大「えっ!ちょっと煌希先輩!」

椿「煌希先輩もマイペースだなぁ~じゃぁ俺もドロンするわ~」

大「お前それ気に入ったんだな・・・」

椿「おう!じゃぁ俺も寝るわ~バイビィ~」



またしても、終わり方が微妙(-_-#)誰か俺に終わり方を教えて!

「なぁ風香、お前部活入ってないよな?よかったら剣道部に入ってくんない!友達誘ってさぁ~頼むよ。」


騒がしい昼休みにお弁当を食べているといきなり大我が私の前で手を合わせて話しかけてきた。

剣道部の先輩が勧誘に来たからなんとなく予想はしてたけど、大我がこんなに頼むとは思ってなかった・・・


「入ってないけど・・・剣道部?」


どうしよう・・・大我の気持ちに答えたいけど、剣道ってどんなのか知らないし、ちょっと怖い・・・昨日見た大我の腰の痣もあるし・・・

小さい頃から大我に剣道について語られたがよく分からない世界だ。


「じゃぁ、今日見学に来いよ!友達と一緒に。葵先輩にちゃんと伝えとくから。なぁ?」


そう言って大我は私と一緒に食べてる友達に微笑みかけた。

出た、営業スマイル!八百屋さんのくせにホストみたいな笑顔しちゃって・・・

ほら、友達もちょっとボーっとしちゃってるじゃない!ちゃっかり頷いちゃってるし!


「分かったわよ・・・今日見学に行ってみる。」


「まじっ!サンキュー。じゃぁ、放課後待っといて。」


そう言って大我はまたしても、営業スマイルをして去っていった。見学行くだけならまぁいいか~



そんなこんなで放課後になった。午後の授業はまったく気が入らなかった。大我は授業中爆睡してたのに、6時間目終了のチャイムが鳴った瞬間起きて、ホームルームの間に体操服に着替えていた。

ホームルームが終わって鞄に教科書などを詰めていると、大我はいつもの仏頂面で私の机の前に来た。


「武道館行くぞ~っで風香以外には誰がくんの?」


ジャージ姿の大我を見上げながら一つため息を吐く。

さっきまでの営業スマイルはどこ行っちゃたのよ。いつも私には仏頂面、小さい頃はあんなに笑ってたあの可愛い大我君はどこへ行ってしまったのよぉ~


「おい、ため息つくと幸せ逃げるぞ~年寄りくさくなるしなぁ。あっ風香はもともと年寄りくさいか!」


大我は笑いながら私を茶化して楽しんでる。こんなところだけ子供っぽいのが残っちゃって・・・本当に分からない奴。


「そんなこと言ってると、部活行かないよ!友達も誘わない!」


「っちょ!それは困るって!冗談だって、本気にすんなよ・・・速く武道館行こうぜ。」


剣道が絡むとムキになるのが大我の昔からの悪い癖、今回も剣道ネタで話をすればすぐに折れる。


そんな事を考えながら武道館へと移動する。私が誘ったのはお弁当を一緒に食べている友達4人。友達はやっぱり大我目当て、大我の隣をちゃっかりキープしながら何やら楽しそうに話してる。大我も営業スマイルのまま話を聞いている。ちょっとぐらい警戒しなさい!



「風ちゃんは大我の事好きなの?」


横を見ると斉藤君がエナメルを頭に乗せ、バランスを保ちながら歩いていた。いきなり現れていきなりの質問。しかも、それが私が大我のことを好き!?それに、風ちゃんっていつから呼んでるのよ・・・


「なっ、何言ってるのよ斉藤君!私と大我は幼馴染みで家が隣なだけで、そんなんじゃないわよ!」


「でも、風ちゃん大我が他の子と話してるとムスッてなってるよ~それに、幼馴染みで家がお隣、これってラブコメのお決まりパターンじゃない?

あと、オレのこと斉藤君じゃなくて、元でいいよ~なんか他人行儀で嫌なんだよね~もっとフレンドリーにいこうよ!」


元君はそう言ってピースサインを出して笑っている。でも、他の子と話してるとちょっとイライラしちゃう、そんな自分がどこかにいるのは確か。

ラブコメ?って、確かに幼馴染みで家も隣で仲がいい・・・でも、あの超鈍感さんがそれに気がつくのはいつのことなんだか・・・

元君って調子者で五月蠅い子って思ってたけど結構しっかり周りを見てるんだ。洞察力がすごいのかな?



そんなことしているうちに武道館に着いた。靴を脱いで武道館に入ると、今日クラスに来た先輩が胴着姿で竹刀を点検していた。

大我達が挨拶をして入ると女の先輩がニコニコしながらこっちに近づいてきた。


「わぁ~女の子が来た!大我君ありがとう!」


葵先輩と呼ばれた女の先輩は私達を見て本当に嬉しそうだった。


「俺と椿の幼なじみの春月風香です。あと、クラスの風香の友達です。じゃぁ、風香あと頼んだ。椿、元行こうぜ。」


大我は私達の紹介をして私の肩を軽く叩いたあと、さっさとどこかに行ってしまった。

それにしても、葵先輩綺麗な人だな~

伸ばしたら腰まであるだろう長い黒髪を高い位置でポニーテールにし、きりりとした目に笑ったときに見せる大人っぽい表情。なんか私と全然違う。

私は小さい頃から髪は短くしてて、帽子を被ったら男の子と間違われちゃうほどのダメダメ・・・


「え~と、風香ちゃんでいいわよね?私は山咲葵、よろしくね。剣道の経験はある?」


ちょっと落ち込んでいる私に葵先輩は話しかけてきた。


「いえ、ありません。でも、小さい頃から大我にいろんな話は聞いてきたのでちょっとした知識はあります。」


幼稚園の頃から剣道バカだった大我に帰り道になんども剣道の話を聞かされた。時々素振りも手伝っていたため、ちょっとは出来る・・・かな?


「大我君と仲が良いのね。大我君も“風香ならきっと手伝ってくれる”って言ってたし、二人とも信頼しあってるのね。」


大我が私を信頼!ちょっと嬉しい。葵先輩はびっくりした私を見てニコニコ笑っていた。やっぱり葵先輩綺麗な人。大我もこんな人が好きなのかな?


「おい、風香。もう部活始まるから座っとけよ、あと俺の荷物見といて。」


声のする方を見てみると、胴着姿の大我が私に荷物を渡しに来た。大我は教科書の入っていない軽いエナメルを私の膝に当たり前のように置いた。私は荷物置きじゃない!


「大我、胴着なんか持ってたの?」


「親父のお下がり。椿達は今先輩の借りて着てる途中。どうだ、格好いいだろ~」


どうだ、というポーズをとりながら私に意見を聞いてきた。・・・確かに格好いい。


「剣道してる人なら普通の姿でしょ~あっ、胴着の紐解けてるわよ。」


大我の胴着の紐が解けて少しはだけていた。まったく小さい頃からだらしないんだから。

素直に格好いい!と言うことの出来ない自分にイライラしながら、紐を丁寧に結んであげる。他の紐を見ると大我の縦結びの癖は直ってないみたい。


「俺どうしても縦結びになるんだよな~サンキューな。」


ニコニコ笑いながら先輩達の方へ戻っていった。大我、剣道の時は機嫌が良い・・・あんな可愛らしい笑顔久しぶりに見た。



それから大我達は体操を始め、素振りをし始めた。


「いち!にぃ!さん!し!」


いろんな素振りを何パターンもやった大我達は汗びっしょりだった。素振りだけでそんな疲れるんだ・・・

なんか怖くなってかも・・・




「元はもうちょっと肩の力を抜いた方がいいよ。右手に力入ってるから右手の力抜いて左手に力入れて。」


煌希先輩が元の手を軽く叩く。上下素振り、正面素振り、左右面素振り、早素振り(跳躍素振りとも言うらしい・・・)を終えて早くも汗をかいてきた。


元は煌希先輩に指摘されたところを丁寧に直している。そこらへんは意外に素直だ。

椿は踏み込み足が上手くいかなくて葵先輩に教えてもらっている。俺は森羅先輩に面打ちのやり方を伝授してもらう。


「ええかぁ~大我は体はがっしりしてるから面を打った後相手に体当たりをしたら、相手は吹っ飛ぶから面打った後思いっきり体当たるんや!」


森羅先輩はそう言って構えた。とりあえず、面打ちをして言われたとおり思いっきり体当たる。

しかし、俺とあまり変わらない身長なのに俺の方が弾き飛ばされた。なにがあったんだ・・・


「あららぁ~大我君。足腰がなってないなぁ~こんなんで転けとったら試合でやられてまうで~」


森羅先輩はにかにか笑いながら俺を立たせてくれた。

俺が打ったのになんで森羅先輩は微動だにせず、俺が弾き飛ばされたんだ?


「おっ、疑問を持った顔やな~よっしゃ、お前なかなか頭の回転速いな~元やったらたぶん訳も分からずに永遠に突撃しとったわぁ~

 これはな、面を打ったとき相手はどうしても手元が上がるねん。その時に胴辺りに腰から体当たると相手は不安定な状態やから簡単に弾き飛ばせるっちゅう訳や!どうや、理解したか?」


森羅先輩はジェスチャーを使いながら一つ一つ丁寧に説明してくれた。


森羅先輩の家は剣道場を営んでおり、物心ついた時から剣道をやっているらしい。

つまりいつでも家で剣道ができる。ちょっと羨ましい・・・



そんなこんなで、時計を見たらもうそろそろ下校時間だ。時間が経つのは早いな。

防具を片付け、制服に着替える。胴着を綺麗に畳みエナメルに入れようと思ったが、エナメルは風香に渡していることを思い出した。そういえば・・・


「風香、どうだった?剣道部入らないか?」


今日は風香達が来ていることを忘れていた。エナメルを回収しに風香の所へ行く。


「う~ん、どうしようかな・・・」


腕を組んで考える風香を見ていたら、横から葵先輩が出てきた。すでに制服に着替えていた先輩はいつも高く結んでいる髪を下ろしていた。本当に女は化けるもんだ。


「風香ちゃんどう?私も初心者だったの。」


「えっ!葵先輩も初心者だったんですか?じゃぁ、やってみようかなぁ~」


こいつ案外簡単に決めたな・・・それなら俺だって初心者だっつうの!風香はニコニコしながら俺にピースをした。なにがピースだよ。


エナメルに胴着を詰め込んでいるといきなり後ろから首を絞められる。とっさに腕を持って背負い投げの要領で前に投げ捨てる。こんなことするのはただ一人・・・


「いってぇ!投げなくても良いじゃんか!単なるスキンシップじゃん~」


元しかいない。こいつのスキンシップは人の首を絞めることなのか?


「じゃぁ俺もスキンシップとしてお前に四の地固め決めていいよな。」


「それは駄目!それはスキンシップとは言わない!そんなことより、今日大我の家行くからな!」


「はぁ!なんでそんなことお前が決めるんだよ!絶対だめだ!来るな!」


そんなこといきなり決められても困るし、俺んちはチビ共がいるから友達なんか呼べる訳ないだろ!


「えぇ~いいじゃんか!オレもお前の弟たちと遊びたい!オレ一人っ子だから弟とかほしかったんだよ~なぁすぐ帰るからさぁ~ちょっとぐらいいいだろ~

行かせないとオレ毎日お前の家の前までついて行っちゃうもんね!」


はぁ~本当にめんどくさい・・・お前が一人っ子だろうが兄弟がいようが俺には関係ないし、興味もない。

でも、毎日来られるのも困るし、付きまとわれるのも鬱陶しい。今日ちょっこと入れたら満足して帰るだろ。


「わかったよ、ちょっとだけだからな・・・でも、その前に春香の保育園行ってからな。」


そう言うと元は両手を挙げて喜んだ。本当に単純だけど、めんどくさい奴・・・

ため息をつきながらエナメルを背負う。今日は早いから春香が泣く心配はない。しかし、超が付くほどの人見知りの春香が元を気に入るかどうか・・・


「元が行くんだったら俺も行きたい。最近大我の家行ってないし~たまにはいいだろ?」


椿まで来るのか・・・まぁ椿は慣れてるからまだいいか~でもそんなスペースが俺の部屋にあるのだろうか・・・俺の部屋結構狭いんだけど・・・



部活を終え武道館を皆で出る。はぁ~疲れた、そして今からもっと疲れる。正門の前で先輩達と別れ、保育園へ向かう。



そんなこんなで無事保育園まで着いた。春香のいる教室を開けると春香が友達と積み木で遊んでいた。


「春~帰るぞ~ってなんで夏と冬もここにいるんだ?」


呼ぶと春香は鞄を取って俺に抱きついてきた。

その後、後ろでカードゲームをしていた双子も俺にタックルしてきた。春香までは受け止められるけど双子まで来たら流石にキツい・・・と言うことで春香だけ受け止めて双子は受け流す。双子は前のめりになって倒れる。


「いったぁ~なんで避けるの!」


「そうだよ!手擦りむいちゃったよ!」


お前らが勝手に突っ込んできて避けるなは無理だろ。お前ら加減というものを知らないから痛いんだよ・・・


「はいはい、悪かったよ。そんなことよりなんでお前らここにいるんだよ。」


普段なら家や外で友達と遊んでいるはずの双子がなぜ春香の保育園で遊んでるんだ?


「今日、帰りに兄ちゃんにお菓子買ってもらおうと思ってさぁ~」


「春の保育園にいたら兄ちゃん来るから待ってたの!」


なんという自己中な考えだ。誰がお前らなんかにお菓子を買うか!

春香を抱き上げ双子を無視して出口まで歩く。後ろで双子が叫ぶ声が聞こえたが無視。


「おっ、大我帰ってきた。えぇ~と、この子が春ちゃん?小さいなぁ~可愛いじゃん!」


元は俺にしがみついている春香を見てにこやかに笑った。さぁ、人見知りの春香に気に入られるか?

春香を見ると顔を俺の方に向け元を全く見ない。どうやらアウトだったらしい。まぁ泣きじゃくらないだけましだな・・・


「兄ちゃん、この人誰?」


後ろから冬樹がそう聞いてきた。元を指差しながら2人で俺の後ろに隠れる。どうやら元は志導弟妹には不評らしい。


「俺の友達の元だ。家に遊びに来るからな。」


「えっ!本当!やったぁ~元、遊べ!」


夏樹はそう言って元にタックル。いきなり命令形って、いったいどんな教育したらこうなるんだ・・・あれ?教育全般俺担当だったけ・・・まぁいいか。


家に着いてからも俺の部屋で元とチビ共3人は遊びまくっていた。なんやかんやで元は3人に気に入られたらしい。母親が晩御飯を食べていけと言ったが元は遠慮して帰ってしまった。あのお調子者の元の事だから絶対食べていくと思ったのに・・・意外にそこらへんはしっかりしているらしい。

しかし、椿はしっかり晩御飯を食べて帰った。こいつはもう知らない・・・

嵐のように去っていった元と椿。いったい何が楽しくて俺んちに来たんだか。その理由は不明のまま俺は眠りについた。


つまらない文ばかりすみませんm(_ _)m

またご贔屓に~

では、Have a nice day!

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