四回戦【兄離れは難しい】
〈第三回 廃剣インタビュー〉
はい~第三回廃剣インタビューが始まりました!今回の司会はこの春月風香がいたします!
では、早速インタビューをしたいと思います~今回は常連さんの大我とその弟、夏樹君と冬樹君をお呼びいたしました!
では、Let's interview!
大「なにが常連だ、こんなんの常連になりたくない!ってかまた俺かよ!他にいるだろ、椿とか元とか!」
風「だって一番取っ付きやすいんだもん~それに、謎多そうだし、秘密主義っぽいし~」
夏「兄ちゃん~ヒミツシュギって何?」
大「辞書でひけ。」
冬「兄ちゃんいつもそう言って逃げる~」
大「逃げてない。お前らに勉強させてるの。」
風「そんな大我君に質問です!そっくり双子さんの夏君と冬君をどうやって見分けてるんですか?」
大「え?・・・適当?」
夏冬「ひどっ!」
大「そう言われてもなぁ~まぁ強いて言うなら五月蝿い方が夏で、言い草がムカつく方が冬かな。」
夏「五月蝿いってなに!」
冬「ムカつくってなに!」
夏冬「っていうかそういう風に見分けてるの!」
大「でも、だいたいは勘か雰囲気だぜ。」
風「雰囲気で見分けられるってすごいね・・・私は全然見分けられない。」
大「まぁ、見た目なら冬が垂れ目で夏がつり目かの違いがあるな。」
風「そういうのを聞きたかったのよ!」
夏「僕つり目じゃないよ!」
冬「僕垂れ目じゃないよ!」
大「はぁ?てめぇら鏡で自分の顔ちゃんと見て見ろよ。文句を言うのはそれからにしろ!この悪餓鬼ツインズ!」
夏「兄ちゃんのバーカ!オタンコナス!」
冬「兄ちゃんのアーホ!お前の母ちゃんでべそ!」
大「母さん一緒だろうが!」
風「3人が喧嘩し出したので巻き込まれないうちに終了します~」
=終了=
今回はちょっと長かった・・・しかもくだらない話だし(-_-#)
良いネタ募集中です!書き込み待ってます~
暗くなりかけている道を必死に走る。エナメルが重くていつもみたいに走れない。
腕時計を見ると6時5分を指している。ヤバい、春香が泣く・・・
保育園についた時には息があがりきっていた。園庭にもう誰もおらず、唯一明かりのついている春香の教室の扉を開けると、春香と先生が積み木で遊んでいた。春香は俺が入ったとたん泣きながら俺に飛びついてきた。
「ほら、ちゃんと大我君迎えに来てくれた。よかったね春ちゃん。」
春香の面倒を見てくれていたのは、元俺の担任だった先生。
この先生は夏樹と冬樹の担任でもあったし、春香の担任でもある。志導家はみんなこの先生のお世話になっている。
「先生、ありがとうございました。春香、遅れてごめんな。帰ろうか。」
先生にお礼を言ってから春香の手を引こうとするが、春香は一向に俺から離れようとしない。またしても春香のわがままが始まった。これはなかなか引いてはくれないだろう・・・一つため息をついてから春香を抱き上げ、先生にもう一度お礼を言い、泣きじゃくる春香を抱き抱えながら保育園を後にした。
なかなか泣き止まない春香を宥めながら夜道をゆっくり歩く。春香も兄離れが出来ないと駄目なのに、どうも上手くいかない。俺は甘やかしすぎてるのか?どうなんだろうか・・・
そんなことを考えながら歩いていると商店街に着き、家に入る前に風香を呼ぶことを思いだし隣の店に寄る。チャイムを押して少しすると髪に寝癖をつけた風香が出てきた。
「ごめんなさい、寝ちゃってた・・・今用意するから!」
ドタバタと風香は中に入っていって2・3分したら戻ってきた。家に鍵をかけて俺の家まで行くその間も春香はずっと俺にしがみついて離れない。
「ねぇ大我、春ちゃんどうしたの?」
家の前に着くなり風香は聞いてきた。春香を抱いていたのでドアが開けられないので風香に開けてもらうことにした。
「今日俺が行くの遅かったから泣いたんだよ。なぁ春香。」
春香の顔を覗いて見ると春香はそっぽを向いて頬を膨らませた。そんな春香を抱いて玄関に入るとすぐ母親が出てきて風香を出迎えた。
「あぁ風香ちゃん!いらっしゃい~ほら、上がって!」
風香とは幼い頃はよく一緒に遊んでたけど、小学校高学年になったらそれも減っていった。春香や夏樹、冬樹の事もあったし、風香も女子と俺は男子と遊ぶ事が増えたからだ。だからか、母親は風香が家に来るとやたら喜ぶ。
とりあえず、いじけている春香を母親に預け、春香の涙と鼻水でベチョベチョになった制服を洗濯機に放り込んでから二階の自室に戻る。カバンを床に投げ捨てベッドに倒れ込む。
今日は疲れた・・・初めて部活をやってもうへとへとだ。一階で双子が騒いでる声が遠くになっていき、まぶたが自然に降りていく。
目が覚めて、ゆっくり目を開くと俺はちゃんとベッドに入って寝ていた。あれ?俺、いつ寝たんだっけ・・・どれくらい時間が経ったか分からないが、どうやら俺は寝てしまっていたらしい。
体を起こして部屋を出、一階に降りると風香を含んだ家族は食事をしていた。ずっと暗い部屋にいたからか光が眩しくて目を細めて皆を見る。よく見ると、父さんがいない。そういえば、今日は町内会の集まりがあるって言ってたな。
「あら、大我。やっと起きたのね~あなた何度起こしても起きないから先に食べちゃってたわよ。相当疲れてたのね、珍しく熟睡してたわよ。」
母親は俺の存在に気が付くと茶碗にご飯を装ってくれた。ふとリビングの時計を見ると一時間も経っていた。眠たい目を擦りながら席につき、目の前のご飯にかぶりつく。眠気もあるが今は空腹が勝っている。たった1日部活をやっただけでこれだけの疲労感、そしてこの充実感。やっぱり部活は楽しい。
「風香んとこの両親いつ帰ってくんの?」
おばさんが入れてくれたお茶を飲んでいる時、いきなり大我にそう聞かれた。大我は口いっぱいにご飯を入れて私を見てくる。
「明日の昼頃か夕方かなぁ~明日の朝連絡が入るはずだから、それまで分からない。」
両親は親戚の家の引っ越しの手伝いに行ってしまったから、今日明日はいない。だから、晩御飯だけ大我の家にお世話になっている。
大我は私の返答を聞いて“ふ~ん”と言ってからまたご飯をむさぼり始めた。さっきまでは可愛く寝てたのに、起きたらこれだもんな~
「じゃぁ風香ちゃん今日泊まっていきなさいよ~お布団は大我の部屋にひいとくから~」
おばさんがそう言うと大我は口の中の食べ物を喉に詰まらせた。近くの水を一気に流し込み深い息をつく。双子ちゃんはそんな大我を見て大爆笑。
「母さん!あのなぁ、幼稚園の時じゃあるまいし!こいつは春香と寝ればいいんだよ、双子は俺の部屋で寝かせるから。」
そう言って大我は双子に拳骨を喰らわせてからまたご飯を食べ始めた。
確かに、私たちはもう幼稚園児じゃない・・・でも、幼なじみとして仲良くしたっていいじゃない。只でさえ、大我は学校でモテモテだし、なにかと友達が周りにいるからなかなか話しかけられないし・・・仲良くいられるのはこんなときぐらいなんだから、家にいるときぐらいは仲良くしててもいいじゃない。
大我は手を合わせて“ごちそうさま”と言って、茶碗などを流し台に持って行き、眠たそうな春ちゃんにご飯を食べさせる。本当に弟妹思いの良いお兄ちゃんだこと・・・
「よし、春も食べ終わったし、おい悪餓鬼ツインズ風呂入りに行くぞ。」
春ちゃんを負ぶい、洗濯籠からパジャマを出して双子ちゃんを連れてリビングを出て行ってしまった。
「じゃぁ風ちゃんは春香の部屋に寝る?まったく大我はワガママなんだから~」
おばさんはお茶を飲みながらため息をついた。
大我は小学校高学年になった頃から子供らしさがなくなり、ワガママも言わなくなった。双子ちゃんや春ちゃんの世話が大変で学校でもいつも寝ていたし、まともに話してくれるのは私と椿ぐらいだった。遊ぼうと言おうと思ったが、疲れきった大我を見たら言えなくなった。
そんな時、玄関の扉が開く音がした。おそらくおじさんだろうと思い、おばさんと玄関へ向かう。おじさんはさっき爆睡していた大我をベッドに寝かせた後に町内会の人に呼ばれてどっかに行ってしまっていたのだ。
「あぁ、疲れた。そういえば大我起きてるか?」
おじさんは靴を脱ぎながらおばさんに聞いてきた。おばさんはお風呂に入っていることを言ってご飯を温めにリビングに戻って行った。
そんな時、風呂場から髪を濡らした双子ちゃんと春ちゃんが走ってきておじさんに飛びついた。
「っておい夏、冬、春!まだ髪乾かしてねぇのに上がるなよ!」
双子ちゃんを連れ戻しに大我もズボンをはきながら風呂場から出てきた。春ちゃんはおじさんに任せて双子ちゃんの捕獲に入る。少し長めの癖のある髪は濡れて真っ直ぐになっていた。まぁ半裸なのは無視無視・・・ん?
「大我、あんたその腰の痣どうしたの?」
腰の辺りに青紫の痣がくっきり残っていた。双子ちゃんの髪をタオルで拭きながら私を見る。っていうかあんたも髪乾かしてないじゃない・・・水が垂れてるわよ。
「あぁ、今日元の奴に胴とかいって打たれてさぁ、痣になっちゃったか・・・」
双子ちゃんに服を着させて自分の髪をタオルで拭く。元君、おもしろい子だとは思ってたけど、これはやり過ぎかも・・・でも大我は笑ってるし、剣道ってどんな競技なのよ・・・
「でぇ~0は正の数でも負の数でもないので・・・」
昨日、双子の寝相の悪さのせいで夜中に何度も起きたからめちゃくちゃ眠たい。こんなんだったら春香と寝た方がまだましだ・・・幸い、昨日は風香も泊まったため春香の面倒は見てもらったから少し楽だった。
数学の授業が半分過ぎた頃、前の席の元から紙が回ってきた。寝そうなときに無理矢理頭の上に置かれたので頬を机に打ってしまった。
“今日、昼休み教室にいてってさっき先輩に言われたから、教室にいろよ!”
寝ぼけた目で手紙を読んで、疑問に思った。なんで教室?道場に集合なら分かるが、教室に集合・・・なにをするんだ。
そして、昼休み。元と数人の男子と囲んで弁当を食べている途中、隣のクラスが騒がしい事に気が付いた。気が付いたが、まぁ気にするほどでもないと思いそのまま食べることと会話を続けた。
びっくりしたのが元の弁当。俺らの2倍大きさの弁当箱に半分が白飯で残りは色とりどりのおかずだ。しかも、冷凍食品は使ってない・・・俺も食う方だとは思ってたけど、こいつには負けた。ってか食い過ぎ、しかも食う速さ速すぎ!
「お前の弁当愛情たっぷりって感じだよな~かあちゃん優しいだろ~」
一緒に食べている奴の一人である情報通の五十嵐 雷がガツガツ食べている元にそう言った。こいつは名前が変わっているっという理由で名前を覚えるのが苦手な俺にもすぐに覚える事が出来た。元とは入学式の時に会ったらしいがこいつら二人とも人懐っこいからすっかりうち解けてやがる・・・
「あぁ~今日の弁当はあいつのじゃねぇよ~あいつがこんなの作るわけ無いもん~近くの知り合いのおばさんに作ってもらったんだ・・・おばさんの料理めちゃくちゃうまいんだよ!」
元はニコニコしながら弁当を頬張る。母親をあいつ呼ばわりって・・・こいつの反抗期って相当なもんだな・・・
それより、さっきより隣のクラスの騒ぎが大きくなってるような気がした・・・そんな時教室の扉が勢いよく開いた。そこには椿と葵先輩と煌希先輩、そしてもう一人見たこと無い人が立っていた。長髪を後ろで一つに束ねており、色黒で童顔で少し身長は小さめだ。
「おぉ~い!新一年生の皆さん~剣道部でやで!えぇ~と、おっ!おった~元や~!お前マジで剣道部入ったんや!」
「あっ!シンちゃん~オレもやっと剣道部に入ったぞ!」
元はいきなり立ち上がった為机が揺れ弁当箱が溢れた。シンちゃん?って誰だよ・・・煌希先輩と一緒にいるって事は剣道の人って事なんだろうけど・・・葵先輩も笑ってるし。でも、煌希先輩めちゃくちゃ嫌な顔してるんだけど・・・俺に気付いた煌希先輩はゆっくり俺の方に歩いてきた。
「よう、大我今日は剣道部の勧誘に来たんだ。さっき椿のクラスでもやってきたんだけど、結構反響よかったんだよな~こいつのおかげで・・・」
煌希先輩は褒めているのに何でそんな嫌そうな顔をしているんだ?それにこの人誰?
「いやぁ~こうちゃん、そんな褒めんといてなぁ~恥ずかしいやんかぁ!おぉ~そうや、俺の名前は戸隠 森羅っていうんや。俺も一応剣道部員なんやで~えぇ~と、志導大我やな?なかなか筋がええって森のおっさんから聞いてるで~元とは家が近くてよう一緒に遊んどったんや~」
元と肩を組みながら先輩はにかにか笑って俺の頭を軽く叩く。
「こいつは幽霊部員で、暇なときしか来ないっつう自分勝手ぶり・・・大我、こんな奴さっさと抜いちまえ!」
煌希先輩は冗談みたいに笑って言ってるけど、目がマジだ・・・煌希先輩、戸隠先輩が嫌いなのかな?
「そんなぁ~こうちゃん変な事言うなやぁ~俺は自分勝手ちゃうわ!剣道は好きやし、部活も好きやで~でも、毎日はめんどくさいねん・・・あっ、そうや~大我もうちのことシンちゃんって呼んでくれてもええでぇ~」
「嫌です。」
「うわっ、椿と同じ反応するなや!冷たい後輩やな~じゃぁしゃーないから森羅先輩って呼ばしたるわぁ~戸隠って言いにくいし、うち戸隠より森羅の方が好きやねん!ほら、森羅万象みたいでかっこええやろ!」
森羅先輩はそう言ってニコニコ笑った。いや、それにしても本当に何なんだこの先輩・・・そんな森羅先輩に引いてると、葵先輩は森羅先輩を跳ね飛ばして俺の手を取ってキラキラした目で俺に話しかけてきた。
「あっ、そうだ大我君!大我君は女の子の友達っているよね?その子に剣道部に入るか聞いてみてよ~女子剣道部がいなくて困ってるのよ・・・椿君は女子と友達いないって言うし・・・」
そりゃ、椿はいなさそう・・・女子としゃべるのって俺の友達か風香ぐらいだし。椿は主に女子と喋らない、モテそうなのに・・・
ん?っていうか、何で葵先輩俺が女子の友達いる前提で話してるの?俺ってそんなたらしに見えるか?
「そりゃ、いますけど・・・まぁ先輩の頼みなら誘ってみますけど・・・あまり期待しないでくださいよ~」
そう言うと葵先輩は喜んだ顔をして頷いた。よく見ると葵先輩、胴衣姿の凛々しい姿と違って制服姿はとっても可愛らしく見えた。女って化けるもんだな・・・
さて、女子を誘うっていうなら・・・まずはアイツだな~
いやぁ~また微妙な終わり方・・・終わり方が分からないんだよね~
廃剣インタビューのネタ募集中です!書き込み待ってます~(^O^)
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