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二十一回戦【合宿終了】

〈第二十一回廃剣インタビュー〉


お久しぶりの廃剣インタビューやで!

作者の受験で半年以上放置してしまって堪忍やな~


ってことで、今回の廃剣インタビューのネタがないねん~

作者の脳みそがカスッカスになってしまった結果やで……


せやから、今回は堪忍やで……


ってことで、本編へどうぞ!

足を踏み込む音。

男子中学生の叫び声。

連続して聞こえる竹刀が面を叩く音。


太鼓の音が鳴り響き、さっきまで活気づいていた道場が一気に静まり返った。

騒がしかった道場が、一気に静寂に返る。


「本日の稽古は終了。礼!」


「ありがとうございました!」


太く良く通る声が終了を告げる。

その後に、大きく少し高い声が感謝の意を告げる。


静まり返っていた道場に雑談の声が漏れ出す。


「はぁ~終わった! しんどかったぁ~昨日ほどじゃないけど……」


元は手拭いで汗の滴る短い髪の毛をガシガシと拭き取りながら大の字の倒れ込む。

俺と椿は胴と垂れを外し、手拭いでしっかりと汗を拭き取る。このまま置いといたら汗で塩が生成出来るぐらい汗まみれだ。


「確かに、しんどかったな~もう俺足動かねぇや……」


鷹虎は竹刀を竹刀袋に仕舞い、大きく伸びをする。

元はしばらく寝転がったままでボーとしていたが、椿に叩き起こされて防具を外しだした。

あのまま放っておいたらきっと寝ていただろう。


「みんな自分の防具片付け終わったら、着替えて飯なぁ~」


森羅先輩はさっさと片付けて部屋に戻ってしまった。

森羅先輩はいろいろと行動が早い。でも、なんで毎回遅刻するんだろう……?

俺はそんなことを思いながら、面の内側の汗を拭き取る。あとは小手を拭いて終わり。


「なんか、この二日で楽しみってご飯だけのような気がする……ご飯食べて、寝て、剣道して……これが青春って奴かぁ~漫画の中の主人公も頑張ってるなぁ~」


椿はそう言って、道場にゴロンと寝転んだ。

スポ根の主人公をこういう風に見る奴、初めて見たよ……


「良いじゃん! これでこそ青春! オレたちの戦いはこれからも続く、みたいな~」


元は拳を堅く握りしめて叫んだ。

その台詞って打ち切りの漫画の決まり文句だよな……


「しょうがねぇだろ。それに、これぐらい詰め込まなきゃ俺達強くなれないだろ。」


俺は元にそう言いながら小手を拭き終わり、竹刀を竹刀袋にしまう。

これで終わり。

さぁ、飯を食いに行くか。

って、俺も飯が楽しみになってないか……?


俺たちは自室に戻り、ジャージに着替える。

着替え終わり、少し座ると急激なる眠気に襲われた。

あぁ~やばい、超眠い……


積んである布団にもたれ掛かりながら、ボーとしていると煌希先輩が部屋に入ってきた。


「やっぱりな。お前ら寝るなよ。ほら、さっさと飯食いに行くぞ。」


俺は煌希先輩の声にびっくりして体を起こす。

よく見ると俺以外の奴もボーとしていた。椿なんて完璧に寝ている。


煌希先輩に連れられて食堂に向かう。

女子が用意してくれた夕飯が食卓に並ぶ。

なかなかボリュームのあるメニューだ。


稽古が終わってすぐは、全然腹なんか減ってなかったのに、ご飯を目の前にしたら急に腹の虫が騒ぎ始めた。


「うぉ~すげぇ!? 唐揚げにひじきの煮物、赤出汁の味噌汁って、オレの超好きなメニューじゃん!? おばちゃん、さすがぁ~」


さっきまで眠気に負けかけていたはずの元は、台所から白米を持ってくる森羅先輩のお母さんに親指を立てた。

おばさんもニコニコと笑って返した。


「さぁ、食うか~ほな、合掌。いただきます。」


「いただきます!?」


俺たちは目の前の白米にがっつく。

昨日の晩飯は寝てしまったが、今日は完食出来そう。


俺が唐揚げにガッツいていると、正面の風香が俺を不思議そうに見つめていた。


「ん? 俺の顔になんか付いてるか?」


俺はジャージの袖で口の周りをゴシゴシと拭く。


「いや、大我……背、伸びた?」


はぁ?

俺はついキツく聞き返してしまった。

急に何を言い出すか……


「何だよ……伸びたかぁ?」


「いや、こんなに見上げなきゃダメだったけって思ってた……」


確かに、風香は俺を見上げていた。

そう言えば、風香ってこんな小さかったか?


「あぁ~椿と並んだら分かるよ。俺、椿より小さいぐらいだから。」


そう言うと、椿に手招きをする。

椿は唐揚げをくわえながら俺の横に座った。

ちゃんと食べてから来なさい……


椿が横に座ると椿より少し高いぐらいだった。


「あぁ~伸びてる、な……」


俺が椿を見ながらそう言うと、椿は眉間に皺を寄せながら露骨に嫌そうな顔をした。

いや、俺に抜かされるのそんなにイヤ?


「うわぁ~大我に抜かされるとか、ほんと無理……ヤダ。大我、縮んで。」


「イヤ、無理だから……」


椿は味噌汁を啜る俺の頭を叩いて自分の席に戻って行った。

叩かれた衝撃で鼻に味噌汁が入って、噎せた。


「いいなぁ~オレも背伸びたい!? 大我ばっかりズルいぞ!?」


元は箸でひじきを摘みながら俺を睨んだ。


「いや、俺も伸びたくて伸びてる訳じゃねぇし……」


元の身長は151cm。

確かにクラスではダントツで一番小さい。

少し間違えたら小学校低学年でもいけそうだ。


「身長なんてそのうち伸びるって。俺なんか何もしないでも伸びたぜ。まぁ、チビ猿には無理かもしれねぇがな~」


鷹虎は笑いながら唐揚げを口に放り込んだ。

元はそんな鷹虎を睨み付けながら鷹虎の皿の上の唐揚げを横取りした。


鷹虎の身長は180cmの長身。時々いろんなところで頭をぶつけている。

流石にそこまではいかなくていいけど、男子なら170cmは欲しいよな。


「まぁ、そんなことより、さっさと食べろよ。明日の午後には帰らなきゃいけないんだからな。この3日でどれだけ成長出来たか、森先生に結果を見せなきゃいけないんだ。」


……そんなこと、聞いてない!?

3日間の結果を森先生に見せるって、どうするんだよ!


「えっ!? 聞いてないっすよ! 結果見せるってどうするんですか!?」


俺達がびっくりしていると鷹虎が叫んだ。

確かに、どうやって確かめるんだろう?


「先生と稽古する。」


わぉ、めちゃくちゃ簡単だ……

森先生と稽古って、怖いんだけど……


「まぁ、そこらへんは学校に帰ってから話すとしようや。今日はさっさと寝るで~明日は朝練からやからな~」


森羅先輩はご飯をおかわりをしながら言った。

明日も剣道三昧。

今日は早く寝よう……





****





次の日も朝練から始まり、午前中は練習をして、午後は片付けになる。


全ての練習メニューを終えて、森羅先輩のお父さんに挨拶をし、道場の掃除をする。


「はぁ~合宿終わりかぁ~長かったような短かったような……」


雑巾がけをしながら元がため息をついた。

俺は防具を片付けながら、寝ている椿をたたき起こす。


「確かに、しんどかったけど達成感はあるな。それより、森先生との稽古が怖ぇ~よ。」


鷹虎は防具を直してため息をついて伸びをした。


「そう言えば、森先生と稽古するの……初めてだよねぇ~」


椿はボーとしながら呟いた。


「……」


そう言えばそうだ……

入部してから先輩とは毎日してるけど、先生とは一回もない……


「森先生って強いのかなぁ?」


元がバケツを抱えながら首を傾げた。

みんなで腕を組みながら考える。


「強いんじゃないの? アドバイスは的確だし、理にかなってること言うし。」


椿は竹刀を竹刀袋に入れながら言った。

確かに先生のアドバイスは的確だ。

個人それぞれの特徴を剣道に活かせるアドバイスをする。


「いや、良い指摘が出来るからって、良い選手とは限らないだろ。バスケもそうだったけど、口だけって監督もいるし。」


鷹虎は防具を防具袋に入れながら言った。

確かに、テレビでそんなこと言ってたっけ?


「煌希先生~森先生って強いんですかぁ?」


椿はせっせと防具を片付ける煌希先輩に来た。

煌希先輩は“う~ん”と考えて、森羅先輩と目を合わせた。


「強いっていったら強いよ……でも、それ以上に……」


煌希先輩はそこで顔を歪ませ言葉を詰まらせた。

なんだ?


「森先生は超ドSやから……結構きついで~親父以上に笑いながら打ってくるからな……」


笑いながら打ってくるってどんなんだよ……

怖いな……学校の道場に行きたくなくなってきた……


後味が悪いまま、地獄の三日間の合宿が終了した。


午後は皆で昼寝……死ぬかと思うくらいきつい練習をした俺達の身体は限界だったらしく。

昼ご飯を食べ終わって部屋に帰った瞬間みんな爆睡した。





****





「あららぁ~この男子の爆睡よう……どうする?」


「どうしましょうか……なかなか起きなさそうですね……」


「でも、そろそろ帰らなきゃ行けないし……どうしましょうかねぇ……」


私は葵先輩と月明ちゃんと男子の部屋を見渡しながらため息をついた。

集合時間になっても誰も来なかったので見に来たらこの状態。

畳の上で各々好きな格好で寝ている。

さっきから声をかけているんだけど、皆微動だにせずに爆睡中。


「ん? あぁ皆寝ちゃった? なら俺と父さんが皆を家まで送るよ。宙、悠星。元たち車に運ぶの手伝って~」


慧介さんはそう言いながら爆睡中の鷹虎君を俵担ぎで持ち上げて車まで運ぶ。

あんな大きな鷹虎君を軽々と持ち上げるなんて……すごいなぁ……


宙さんは椿と元君を、悠星さんは大我と煌希先輩を担いでワゴン車に乗せた。

皆こんなにごちゃごちゃしてるのに、微動だにせず爆睡してる。

煌希先輩と葵先輩は家が近いので後で送るらしい。

なので、車には1年生だけが積み込まれた。


「んじゃ、送ってくるね。慧介はもう一台で二人を送ってやれ。森羅、お前も乗れ。」


お父さんは運転席に座り、森羅先輩は助手席に乗り込んで発進した。

三日間の合宿が終わった。

私たち女子はそんなにきつい練習はしなかったけど、とても内容が濃くて勉強になった三日間だった。


大我達にとってはものすごくきつくて、しんどかっただろうけど、とても良い顔をしていると思う。

後ろの席を見ると口を半開きに開いた男子がぐだぐだになって寝ていた。


皆なんかたくましくなったような気がする。あくまで気がするだけだろうけど……


「ほい、大我と風香ちゃん着いたでぇ~ちょっと待っててな大我今出すから。」


森羅先輩のお父さんは助手席から下りると後部座席から大我を引っ張り出し、森羅先輩は大我の防具や荷物を取り出した。

私は自分の荷物と防具を持って、大我の家のインターホンを押した。


少しすると中から双子ちゃんが出てきた。

人見知りの双子ちゃんは少し驚いて、家の中に走って行ってしまった。

双子ちゃんが消えてからすぐ大我のお母さんが出てきた。


「あら、こんにちは。大我の母です。」


「こんにちは、森羅の父親です。大我君たち疲れちゃって爆睡っしちゃってて~お届けに参りました。」


森羅先輩のお父さんは大我を背負いながらそう言うと、大我のお母さんはすぐに“パパ!”と叫んだ。

すると中から八百屋のエプロンを下げたままのお父さんが出てきた。


「おぉ、双子が言ってた大我が死んでるってこのことか……いや、息子が迷惑掛けました。どうもありがとうございます。」


大我のお父さんは森羅先輩のお父さんから大我を受け取ると軽く会釈してそのまま2階に大我を運んだ。


「では、私たちはここで。森羅をよろしくお願いしますね。」


森羅先輩のお父さんはそう言って、車に戻っていった。

森羅先輩は大我の荷物と防具を玄関において、私の方を見た。


「ほな風香ちゃんもお疲れ様やね。また明日学校でな~今日はゆっくり休むんやで~」


森羅先輩はそう言って私の頭を軽く撫でて、車に戻っていった。

車そのまま発進して見えなくなってしまった。


「風香ちゃんもお帰り。これじゃ、大我皆に迷惑掛けたんじゃない? ごめんね。」


大我のお母さんは申し訳なさそうにそう言って私の顔を見た。


「いえ、皆ふにゃふにゃになってましたから。大我とても頑張ってましたよ。じゃぁ、私も帰りますね。さようなら。」


私は荷物を持って隣の家に帰った。





久しぶりの我が家だ。たった3日だったのに、家がとても懐かしい感じがする。


「あら。お帰りなさい。お疲れ様ね。」


お母さんが私を出迎えてくれた。

あぁ、なんかお母さんって暖かいな……こんなに家族ってほっとするものなんだ……


「ただいま!」


私はそう言ってお母さんに飛びついてしまった。

ありがとうございました。

前書きにも書いたように、作者が受験で頭がカスッカスになったので全然進んでません……



今回で合宿編が終了しました~

結構大変でした……

作者の部活の合宿がきつ過ぎて思い出したくないっていうのがあるんだなぁ~

なので、書くスピードが遅くなっている所存です……



次回は日常編に戻ります。

急にハイテンションになるかも(笑)


次をお楽しみに~



廃剣インタビューのネタを募集中です。

よろしくお願いしますm(_ _)m



Have a nice day!

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